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10年を超えてなお輝く孤高のカメラ――キヤノン「PowerShot G1」矢野渉の「クラシック・デジカメで遊ぶ」(2/2 ページ)

10代目までを数える人気シリーズとなったキヤノン「PowerShot G」。初代のG1から実に10年が過ぎようとしているが、その素質の良さは現在にも通用するものを秘めている。

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G1で遊ぶ

 今、G1で遊ぶ意味は、ほぼ絶滅した「補色系CCD」の広いダイナミックレンジと独特な発色(この時代の補色系は色相ズレを完全には補正できていなかった)を楽しむということになるだろう。あとはRAWデータをいじるのも面白い。キヤノンの「ZoomBrowser EX」(PowerShot Gに付属する画像管理/編集ソフト)を持っている人はもちろん、Photoshopでも普通に現像できるので手軽に遊べるだろう。

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白トビも黒ツブレもない美しい画像だ。木漏れ日の部分にパープルフリンジが出ているが、これは補色系の弱点でもある
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現実の色から少しころんだ色味になっている。これを雰囲気ととらえるかは好みによる。迷う人はRAWでの撮影をおすすめする
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望遠側(102ミリ)でも20センチまでのマクロ撮影ができる。絞りを開放にすれば一眼レフなみのボケ味を出せる
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真っ白に写ってしまいがちな桜も、きれいなピンクに発色する。補色系CCDは桜の撮影にぴったりかもしれない
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高コントラストの被写体でも黒ツブレは出ない。ソフトウェアで暗部を持ち上げたような不自然な画像ではなく、元々のダイナミックレンジが広い、素直で気持ちの良い写真だ
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夜景はさまざまな光源がミックスしているので、意外な発色が楽しめる。

 もし中古で良い出物があったら、とりあえず購入することをおすすめする。なぜなら、おそらく最も安価にRAWデータで遊べるカメラだし、何よりキヤノンの技術がこれでもかと詰まった、血筋のいいカメラだからだ。

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