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10年を超えてなお輝く孤高のカメラ――キヤノン「PowerShot G1」:矢野渉の「クラシック・デジカメで遊ぶ」(2/2 ページ)
10代目までを数える人気シリーズとなったキヤノン「PowerShot G」。初代のG1から実に10年が過ぎようとしているが、その素質の良さは現在にも通用するものを秘めている。
G1で遊ぶ
今、G1で遊ぶ意味は、ほぼ絶滅した「補色系CCD」の広いダイナミックレンジと独特な発色(この時代の補色系は色相ズレを完全には補正できていなかった)を楽しむということになるだろう。あとはRAWデータをいじるのも面白い。キヤノンの「ZoomBrowser EX」(PowerShot Gに付属する画像管理/編集ソフト)を持っている人はもちろん、Photoshopでも普通に現像できるので手軽に遊べるだろう。
もし中古で良い出物があったら、とりあえず購入することをおすすめする。なぜなら、おそらく最も安価にRAWデータで遊べるカメラだし、何よりキヤノンの技術がこれでもかと詰まった、血筋のいいカメラだからだ。
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