「DSC-HX9V」第1回――HX5VユーザーからみたHX9V:長期試用リポート
16倍高倍率ズームレンズに1080/60pのフルHD動画、GPSとてんこ盛りなコンパクトデジカメ「DSC-HX9V」を昨春ヒットモデル「DSC-HX5V」ユーザーの視点から見てみよう。
ソニーの“サイバーショット”2011年春モデル「DSC-HX9V」は、昨年春のヒットモデル「DSC-HX5V」の流れをくむ、高倍率ズームレンズ搭載のコンパクトデジカメだ(レビュー:1080/60p記録対応、進化した全部入りコンパクト ソニー「DSC-HX9V」)。
コンパクトボディに高倍率ズームレンズ、Exmor R、フルHD動画、GPS搭載という基本コンセプトはDSC-HX5Vから継承されているが、各所にスペックアップが図られており、HX5Vユーザーにとってはその違いが気になるところである。そこで、長期試用リポートの第1回は、HX5VユーザーからみたHX9Vという観点から始めてみたいと思う。
変更された充電方式
購入後にパッケージを開封すると、カメラ本体にバッテリー、マニュアル、ユニーティリティ類の収録されたCD-ROM、充電器とおなじみのものが同梱されている。バッテリーはHX5Vと同じく「NP-BG1」なのだが、充電器は充電器本体にバッテリーを装着しない、AC/USB変換タイプに変更されている。
これまでデジカメの充電といえば本体からバッテリーを取り外して充電器にセットし、コンセントに差し込んで……というのが一般的だったが、今春のコンパクトデジカメではバッテリーをカメラ本体内に入れたままにして、USBでPCあるいは変換アダプタを経由してコンセントから充電する、つまりバッテリーをカメラ内から取り外さないスタイルとした製品が多い。HX9Vもそのひとつだ。
ケーブル1本とPCがあれば充電可能なので、1回の外出で撮影する枚数が少ないうちは荷物も減るし、複数の充電器が卓上にあって大混乱、なんてこともなくなる。ただ、困る人もいるはずだ。カメラ購入時に予備バッテリーを同時に購入し、片方を使っている間、もう片方を充電するという使い方をしている人にとっては結構切実な問題となる。なにせ、カメラを使っている間には充電ができないのだから。
個人的には、HX5Vのバッテリー消費の激しさ(特に動画を撮っていると、あっという間になくなってしまう)から予備バッテリーの必要性を痛感していたのだが、HX9Vではどうだろうか。予備バッテリーの必要性を感じさせてくれないといいいのだが……。
ちなみに、パッケージにはテレビなど外部の映像機器へ写真や動画を出力するために必要なケーブルは付属しておらず、HDMIケーブルあるいはマルチ端子ケーブル(Type3b対応)を別途購入する必要がある(HX5Vには、HDMI変換コネクタ付きのマルチ端子ケーブルが付属している)。
もっさり……?
35ミリ換算24〜384ミリの光学16倍ズームを搭載する影響か、104.8(幅)×59(高さ)×33.9(奥行き)ミリ、約245グラム(バッテリーおよびメモリカード含む)とHX5Vに比べるとひとまわり大きい。シャツのポケットに入れるにはちょっと無理のある大きさと重さだ。もちろん入らないことはないだろうが、携帯用のソフトケースを用意したいところだ。
基本的な外観デザインはHX5Vから変更されておらず、一見してシリーズモデルであることが分かるが、HX5Vに比べると、グリップを強調したデザインに変更されたこともあって、やや武骨な印象を漂わせている。どちらかといえばやや男性向けのデザインといえそう。背面の液晶が23万画素から92万画素へと高画素化したのは、乗り換え派にとって大きなポイント。
使用を開始して気になったのは、ややもっさりとした動作レスポンス。モードダイヤル回転という基本的な動作についても、HX5Vに比べると微妙ながら、動作に機敏さを欠く印象を受ける。個体差なのか仕様なのかは分からないが、HX5Vと交互に使うと、あきらかにHX9Vの反応が鈍いことに気が付かされる。この辺りはもう少し使い込んで確認する必要がありそうだ。
次回はHX9Vの特徴の1つである動画撮影について、触れてみたいと思う。
関連記事
- 1080/60p記録対応、進化した全部入りコンパクト ソニー「DSC-HX9V」
サイバーショット「DSC-HX9V」はコンパクトボディに高倍率ズームレンズ、Exmor R、フルHD動画、GPS搭載という基本コンセプトは昨年春のヒットモデル「DSC-HX5V」から引き継いでいるが、1080/60p記録対応のほか細部にも手が加えられており、なかなか見所の多い製品だ。 - GPS付きの日常系デジカメ サイバーショット「DSC-TX100V」
サイバーショット伝統とも言える薄型スライドボディ「Tシリーズ」の新作が「DSC-TX100V」。オート撮影やタッチパネルの軽快さはそのままにGPSも搭載し、「日常系デジカメ」として魅力的な仕上がりだ。 - 明るい広角レンズが魅力な万人向け7倍ズーム機 サイバーショット「DSC-WX10」
サイバーショットの2011年春モデルは半分以上が裏面照射CMOSセンサー搭載機になった。その主力モデルといえるのが、7倍ズームレンズを搭載した「DSC-WX10」。コストパフォーマンスが高く、初心者でも使えるお得感の高い製品だ。 - 1080/60p記録対応、16倍ズームに高速AF 静止画動画にスキのない「DSC-HX9V」
ソニーより、1080/60p記録対応、16倍ズームに最速0.1秒の高速AFと静止画動画にスキのない「DSC-HX9V」が登場。 - 動画・静止画同時記録に対応した光学10倍ズーム機――サイバーショット「DSC-HX7V」
ソニーの光学10倍ズーム搭載サイバーショットに新顔「DSC-HX7V」が登場した。撮像素子が有効1620万画素になったほか、新たに動画と静止画の同時記録機能なども備えた。 - レビュー:GPSにフルHD、便利で楽しいお出かけカメラ「DSC-HX5V」
裏面照射CMOS「Exmor R」に10倍ズームレンズ、フルHD動画にGPSとてんこ盛りの“サイバーショット”「DSC-HX5V」。その魅力に迫ってみよう。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.