レンジファインダー風デザインのミラーレス機――富士フイルム「FUJIFILM X-Pro1」(2/4 ページ)
富士フイルム「FUJIFILM X-Pro1」は、レンジファインダー風の箱型デザインを採用したミラーレスカメラだ。独自の撮像素子が生み出すクリアで精細な描写力と低ノイズの高感度画質に注目したい。
3種類のフジノンXFレンズを楽しむ
交換レンズの「XFレンズ」は、3本の単焦点が発売となった。まず「XF18mmF2 R」は、35ミリ換算で27ミリ相当の画角を得られる広角レンズだ。全長は40.6ミリと短く、質量は116グラムと軽量。取り回しに優れ、スナップ用に最適といえる。
「XF35mmF1.4 R」は35ミリ換算で53ミリ相当の画角を得られる標準レンズ。開放値が非常に明るいので、ボケを生かした表現を楽しめるほか、薄暗いシーンでも比較的速いシャッター速度を使用できるメリットがある。
「XF60mmF2.4 R Macro」35ミリ換算で91ミリ相当の画角を得られる中望遠レンズだ。3本の中では最も全長が長いが、重量は軽めで、ボディ装着時のバランスは悪くない。最短撮影距離は26.7センチと短く、最大で撮影倍率0.5倍のマクロ撮影に対応する。
これらの3本はいずれも鏡胴部に絞りリングを備え、1/3ステップでの絞り調整を手動で行える。フォーカスリングは電子式となり、感触は軽め。距離目盛りがないのが残念だが、液晶モニタや電子ビューファインダー上に距離指標を表示することは可能だ。
今回の試用ではこの3本のレンズを使ったが、ネックストラップを使ってボディを首にかけ、上着の左右のポケットにレンズを入れるという格好で、快適に撮影を楽しむことができた。普段の撮影ではズームレンズの利便性に慣れているが、シーンや狙いに応じてその都度、儀式のようにレンズを交換するスタイルは、X-Pro1のクラシックカメラ風のデザインに似合っている気がした。もちろん、今後のロードマップでは標準ズームや望遠ズーム、広角ズームなどが予定されており、将来的にはズームレンズを使うことは可能だ。
小さな不満点は、3本のレンズとも、フロントキャップとリアーキャップの装着感がよくないこと。フロントキャップはゆるくて外れやすく、リアーキャップはきつくて外しにくい。また、絞りリングやフォーカスリングには滑り止めとして切り込みが入っているが、レンズ自体には滑り止めがないため、ボディに着脱する際に回しにくい点も気になった。
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