機能追加にカスタマイズ 着実な進化を遂げたニコン「COOLPIX P310」(3/3 ページ)
ニコン「COOLPIX P310」は、既存モデルP300に比べて大幅な機能アップこそないが、使い勝手が良くなるバージョンアップを着実に遂げている。
3D撮影機能も追加された。ニコンの場合は、3Dテレビより3D対応デジタルフォトフレーム「NF-300i」への対応という面もあるのだろう。3Dの撮影方法は、まず通常通り1枚撮影すると中央部分に被写体が半透明の画像として表示され、この画像と被写体を重ねるようカメラを右に動かすと画像が重なった時点で自動的にもう1枚の画像が撮影される。撮った画像は通常のJPEGとMPO形式で保存される。
実際にMPOファイルを3D対応のスマートフォンで確認したところ、きちんと3Dで表示されていた。ただし、2回の撮影にタイムラグが生じるため、画面内に動いているものがある場合は位置関係がおかしくなってしまう。観光地などの記録で使う場合は、適切な3D効果が出るようにすこし多めに撮影しておいた方が良さそうだ。
最後になったが、搭載されている有効1610万画素の裏面照射型CMOSセンサーは、ISO感度が100〜3200(拡張感度設定で6400)まで対応する。ISOオート設定は100〜1600までの自動感度設定となるが、感度制限オートの場合は最高感度を400もしくは800にすることができる。
ISO感度別にみていくと、ISO1600でも十分であることが分かる。3200は若干、発色と解像感に影響が出ているがコンパクトデジカメとしてはかなり実用的なのではないだろうか。6400はさすがに荒れていることが縮小しても分かるが、ISO100で1/13秒のシーンを1/800秒で撮影できていることを考えるとなかなか面白い。
P310は、既存モデルP300の基本的なコンセプトはそのままに、コマンドダイヤルとロータリーマルチセレクターの機能を逆にするなど、細かい部分を作り込んできたという印象だ。デザインや操作性、F1.8の明るいレンズ、4段分の光学手ブレ補正、進化したおまかせオート撮影など基本部分はしっかりしているので、初心者からデジタル一眼カメラのサブカメラなど幅広い層にアピールできるカメラといえる。ただし、このクラスのカメラであればRAWで撮影するなど、画質への要求の高いユーザーに向けた要素も欲しいとも思う。
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