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第2回 望遠レンズならではの「圧縮効果」で構図を引き締める:デジカメスナップ虎の巻(3/3 ページ)
被写体をただ大きく写すためだけに望遠ズームを使っていないだろうか。図鑑のような説明写真から卒業し、望遠レンズならではの「圧縮効果」を生かした高密度なスナップ写真を撮ってみよう。
見慣れたシーンを超望遠レンズで圧縮する
レンズの焦点距離は、何ミリ以上なら圧縮効果を生かしやすいかというのは一概にはいえない。被写体によっては100ミリ相当の中望遠でも十分圧縮したイメージになるし、撮り方によっては300ミリ相当でも圧縮感があまり感じられないこともある。かといって望遠すぎると、被写体が画面内に収まらないこともあるので、長いほどいいわけでもない。
使いやすさという点では、35ミリ換算で70〜300ミリ相当程度に対応した一般的な望遠ズームがオススメだ。その上で、日常とは違った視覚を味わいたいなら、400〜500ミリ相当を超える超望遠ズームを試してみるのもいいだろう。近ごろは、高倍率ズームを搭載したコンパクトデジカメや、超望遠対応のミラーレス用レンズが増えているので、以前よりも超望遠撮影のハードルが低くなったといえる。
下の写真は順に、456ミリ相当、468ミリ相当、600ミリ相当の焦点距離で撮影したもの。観覧車や鉄橋、駐車場といった、どこにである見慣れたシーンだが、超望遠によって圧縮して撮ると、いつもとは少し違った雰囲気が楽しめる。
写真:永山昌克
広告スタジオを経て98年よりフリーランスのフォトグラファー。得意分野は都会のスナップ。著書に東京でのスナップをまとめた「デジタル一眼で東京を撮る」(ソシム刊)、写真展に中国でのスナップをまとめた「チャイニーズ・ウエスタン」(銀座ニコンサロン)などがある。
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