レビュー
描写とデザインにこだわった名門ブランドの単焦点レンズ――カールツァイス「Touit 2.8/12」「Touit 1.8/32」:交換レンズ百景(2/2 ページ)
ドイツの光学メーカー、カールツァイスからミラーレス用の単焦点レンズが登場。18ミリ相当のワイドレンズ「Touit 2.8/12」と、開放値の明るい標準レンズ「Touit 1.8/32」だ。その実写レビューをお伝えしよう。
ボケとシャープネスを両立した標準レンズ「Touit 1.8/32」
「Touit 1.8/32」は、35ミリ換算で48ミリ相当の画角を得られる標準レンズだ。昔ながらの50ミリの標準レンズにほぼ近い画角であり、誇張のない自然な雰囲気で被写体をストレートに捉えることができる。
開放値はF1.8に対応。そこそこ明るいが、この画角のレンズとしては標準的なもの。圧倒的な明るさよりも、携帯性や描写性能とのバランスを考慮して設計されたと考えられる。
下の写真は、開放値で撮影したポートレートだ。ピントを合わせた顔や髪の毛はシャープに解像する一方、背景部分がボケることで立体感のある写真となった。開放値では口径食の影響で、周辺部の玉ボケの形が崩れるが、少し絞れば目立たなくなる。ただ個人的には、絞り込むよりも開放値での描写を積極的に楽しみたいレンズだと思う。
最短の撮影距離は30センチ。AFは超高速とはいえないが、大きなストレスなく作動する。スナップから風景、ポートレートまで幅広い用途に役立つ基本レンズであり、所有欲を満たす高品位なデザインは純正品に勝る魅力といっていい。
(モデル:三橋愛永 オスカープロモーション)
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