「あっ」という瞬間を逃さない、超快適スナップカメラ ニコン「Nikon 1 J4」(2/4 ページ)
新しいNikon 1は速い。普及機にあたるJシリーズの最新作「J4」もやっぱり速いが、V3の撮る人がその速さを積極的に使いたい人向けというより、速さによる快適さを求める人向けなのだ。
それはタッチパネルがあるからだ。J1〜J3はボタンやダイヤルが少ない分、何をするにもボタン+ダイヤル(か十字キー)の操作が必要で面倒だったが、J4の液晶モニタは、チルトこそしないものの、静電容量式タッチパネルを搭載しており、ボタン操作よりずっと快適に設定を変えられる。
背面から。タッチパネル付3インチモニタのよこにロータリーダイヤル付十字キー、再生、MENU、削除ボタンが並ぶ。特にボタンのカスタマイズはできない。連写モードは左キー、露出補正は右キー、ホワイトバランスやAFモードやISO感度は上キーをおしてタッチ操作で変更するのが楽
例えばFnキー(上キー)を押して情報画面を出してアイコンをタッチすれば、AFモードもISO感度もホワイトバランスもさっと変えられる。いちいちメニューを介して階層を降りて変更する手間がないのである。
オートモードでも明暗差調整(アクティブDライティング)、明るさ(露出補正)、絞りなどを変えることができる。一度電源をオフにするとそれらの設定が戻ってしまうのがPASM各モードとの違い(だから設定を変えたまま戻し忘れることはない)
これなら悪くない。多少は自分であれこれ設定したいときにありがたい。
ただなじめなかったのは内蔵ストロボ。オート時は自動的にポップアップして発光するのだが(V3はポップアップは手動)、発光禁止モードにしても電源を入れ直すと「自動発光」に戻るのだ。エントリーユーザー向けに、オートモードは毎回初期設定に戻る仕様にしたのだと思うが、ストロボに関してはどうかと思う。
ではJ4は他のエントリー向けミラーレス機と比べてどうか。
速さでは圧勝である。
特に快適なのはタッチシャッター。AFが超高速なので、画面をタッチすると一瞬でそこにピントを合わせて撮ってくれる。コンデジやミラーレス機のタッチシャッターは、タッチ→AF→撮影という手順を踏むためAFによるタイムラグが大きく使いづらかったが、J4ならAFが一瞬なので(暗所を除く)気軽に使えるのだ。これはカジュアルにバシバシ撮りたいJ4に向いている。
もちろん連写にも強い。V3と同様像面位相差AFを使ったAFは超速いし(暗所ではコントラスト検出AFを使うのでそこまで速くはないが)AF追従で秒20コマ、AF固定なら最高秒60コマの超高速連写撮影が可能だ。
Nikon 1ならではの撮影機能としてベストモーメントキャプチャー(この名前、長いよ)モードがある。高速連写した中から最適なものをカメラが選んでくれたり(スマートフォトセレクター)、自分で選んだり(お気に入りフォト選択)できるもので、気軽にNikon 1の速さを味わえるよいモードだ。
Nikon 1伝統のモーションスナップショットも使える。
クリエイティブ撮影モードでは、リングを回すことでいろんな効果を楽しめるクリエイティブリングやHDR、トイカメラモードなども楽しめるし、ハイスピード動画も録れる。
いわゆる「シーンモード」は持っていないが困ることはないだろう。あえてそういうモードを外したことでよりシンプルな構成にしたと考えたい。
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