第179回 花火の基本と構図と穴場の関係:今日から始めるデジカメ撮影術(2/3 ページ)
夏と言えば水着!なんだけども、もう1つ押さえておきたいものがある。それは花火。例年タイミングが難しく取り上げられなかったのだけど、今回は夏の思い出をきれいに残す方法を紹介しよう。
4.最初の10分は練習と思ってよし
花火の打ち上げが始まったら、まず試し撮りである。きちんと打ち上げ場所にレンズは向いていたか、高さや幅はほどよいか。自分のセッティングだと何秒から何秒の間が適当か、などをチェックする。
ということになるのだ。まあ3枚目のは、周りの様子も一緒に撮ろうと思ってわざと広角気味にしてみたんだけど。
もう1つ重要なのが演出を捉えること。どの花火大会もただ漫然と上げるのみならず、きちんと全体の構成を考えてメリハリをつけて上げてる。徐々に盛り上がって、大きな花火がどかどかと上がり、小休止して、次の演目に入り……という具合。
次の展開がある程度予測できると失敗も減ります。たぶん。
いよいよ花火の撮影
では本番。まずはベーシックな花火写真を。
打ち上げ場所から上空にシュルシュルと伸びる光跡と、それが大きくはじけて大輪の花を咲かせるという姿から。
シュルシュルと上空に上がっていく光跡から撮り、大輪の花を咲かせたなと思ったら、未練残さずシャッターを閉じる。ここであとちょっと、と決断を先延ばしにすると、露出オーバーになってドカン。
この写真は7.6秒。頭が少し切れたけど気にしない。露店の灯りを入れたかったというのもあるし。
1つの花火に絞って、きれいにシュルシュルと伸びていく姿を狙うときは縦位置にして花火が大きく入るようにするとよい。縦位置にすれば多少高く上がっても対応できる。ただ中心にうまく入れるのが難しくなる。
少し中心がずれてしまった。
こちらは狙った位置に中心が来てくれた例。
まあたまたまうまく構図の中心に花火が上がってくれたわけで、もちろん予想とはずれた位置にあがっちゃって、アチャアとなったこと数知れず。前後の花火から中心がどの辺か見極めて準備するのが大事。
大物を一発、ということもあれば、低くてカラフルな花火をいくつも同時に打ち上げることもある。それを察したらすばやくカメラを横位置にしてほどよくおさめるべし。
同時にいくつもあがるときはシャッターを長く開きすぎると大爆発写真になってしまう。これは4.3秒とやや短めに止めた。
そうそう、人混みの中で撮っているとこんな事故もある。
自分で三脚を蹴飛ばしてしまったり、他の誰かの足が三脚に当たってブレたり。まあよくあることなので怒ったりしないこと。ああそういうこともあるさ、って鷹揚な心で楽しみましょう。
個人的には望遠でぐぐっと花火に寄った構図から花火が大きくはみ出るような写真も好み。
こんな感じ。
思い切り中心がずれてるけど、望遠で撮る時はある程度花火が開く場所を予測して撮らなきゃいけないわけで、ぴったりハメるのは難しい。でも、それが予想外の面白さを産むこともある。
中途半端に花火を全部入れるよりは思い切ってはみ出させるべし。これだとちょっと中途半端。
迫力を出したいときは大胆に。このくらい賑やかだと気持ちいい。
花火大会の撮影って、あっという間に時間が過ぎていくもの。フィナーレの連発を見逃さないよう、時計をチェックしつつそれに備えたい。最後は連発で来るから、のほほんとしていると大爆発写真になったりしちゃいます。
まあ、セッティングをしっかりしてても、撮るタイミングや角度や構図や運(風向きなど天候も含む)で花火写真は大きく変わるもの。あれこれ試してみるとよいかと思います。
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