第179回 花火の基本と構図と穴場の関係:今日から始めるデジカメ撮影術(3/3 ページ)
夏と言えば水着!なんだけども、もう1つ押さえておきたいものがある。それは花火。例年タイミングが難しく取り上げられなかったのだけど、今回は夏の思い出をきれいに残す方法を紹介しよう。
遠方の花火や突然の花火を楽しむ
きちんと計画を立てて花火大会に行く、ということもあれば、行きそびれることもあるわけで、道を歩いてて「あ、花火じゃん」ってことも。そういうときは手持ちのカメラでとっさに撮っちゃいましょう。手持ちで夜景を撮る時の感覚で。
夜空の暗さにカメラの設定が引っ張られないよう、マイナスの補正をかけて、シャッタースピードは手ブレしない程度に抑えて撮って見るべし。
できれば周りの建物や、一緒に花火を眺めている人が入ると、突然の花火にみんなで注目、って感じが出て楽しい。
アパートの隙間から見ているという感じがよくないですか?
こういう手持ちで気軽に撮る花火は、花火にフォーカスしてピシッと撮るのが難しいもの。手持ちで長時間露光はできないしね。だったら、周りの雰囲気も一緒に写し込んだり、撮影のタイミングを見計らって花火らしい瞬間を狙ったりするとよいのだ。
例えばわざと手前に、花火大会に向けた露店を入れてみるとか。
こういうのもまた花火写真であると思うわけで、「花火写真はこうあるべき」って思い込みにとらわれないのが乙です。
最後は遠くから花火を楽しむときの話。
人混みがキライであるとか、出遅れたであるとか、何より花火終了後の大渋滞(特に駅が遠かったりするとそこまで歩くだけで大変)がイヤであるとかで、でも花火が見たい、というときは、花火見物客が少ない遠くの穴場から見るべし。
地図を見て、ちょっと打ち上げ場所から離れてるけど、花火が見えそうだってスポットを見つけたらラッキー。あるとき、自転車で花火会場に向かっていたら、花火がほどよく見えそうだけど、人が少ない川原を発見。けっこう多くの人がそこでぼーっと花火開始を待ってたので「ここなら見えるのかな」と陣取ることにしたのである。
そしたら土手や森の影から花火が上がるではないか。せっかくなので森をシルエットで入れてみた。
土手に自転車を止めて花火に見とれているシルエットが入っているのがポイント。
遠いのであまり寄れなかったけれどもこれはこれでよし。
お次は打ち上げ会場から4〜5キロ離れた場所から撮った花火。たまたまうちのベランダから遠くに花火が見えたので、ベランダに三脚を立て、望遠レンズ(600ミリ相当)をつけて狙ってみた。
ビルが邪魔してるといえば邪魔してるんだけど、それはそれで、ビルごしに花火って絵面も面白くていいと思う。
さらに遠い花火でもなんとかなります。見通しがよければ。20キロほど離れた遠隔地での花火。400ミリ相当の望遠レンズで撮影してみた。もちろん大きくは撮れないけど、「夜景+花火」と思えばなかなか得がたい光景じゃないか。
遠くの花火を望遠レンズで狙うときは、望遠を使う分ブレやすくなるので、ワンランク上の頑丈な三脚を用意したいところ。花火写真を撮りたい人は三脚をケチってはいけません。フルサイズ一眼レフのように重めのカメラを使う人は特に。ミラーレスやレンズ一体型カメラの場合はまあそこまで頑丈じゃなくてもよいです。
これだけ離れていると当然音は聞こえないし、肉眼だとすごく小さくしか見えないけど、花火は好きだけど人混みに紛れて観に行く根性はない、という人、地図上に花火会場を中心に半径4キロくらいの円を描いて、ほどよい距離で見通しがよさげな場所を探すってのはアリ。意外なところに意外な花火鑑賞スポットがあるわけで、他の人とは違った構図の花火写真を撮れて面白かったりもするのだ。
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