“瞬間”が容易に切り取れる4Kフォトの魅力――パナソニック「LUMIX DMC-G7」(2/2 ページ)
マイクロフォーサーズの新作パナソニック「LUMIX DMC-G7」を使ってみた。4K動画から静止画を切り出す「4Kフォト」機能や、なめらかに作動する空間認識AFを備えた高機能なミラーレスカメラだ。
空間認識による快適なコントラストAF
操作面では、快適に作動するAF性能が気に入った。AFの基本的な仕組みは一般的なコントラスト検出方式だが、フラッグシップ機のDMC-GH4と同じく、ライブビュー映像から撮影空間の被写体距離を瞬時に算出する「空間認識AF」の技術を取り入れることで、スピーディなAF駆動を実現。ミラーレスではトップクラスのAF速度といっていい。追従性も良好で、動体撮影にも対応できる。
AF測距点の位置と形状を自由に変更できることや、タッチパネルによって測距点を素早く選べる点も便利だ。新機能としては、夜空の星を検知してピントを無限遠に固定する「星空AF」機能を搭載している。
撮影モードは、フルオートからフルマニュアルまで全9モードが用意される。絞りやシャッター速度はグリップの前後にある2つのダイヤルでダイレクトに変更でき、露出補正や感度、ホワイトバランスなどはボタン+ダイヤルでスムーズに調整できる。また、好きな機能を割り当て可能なファンクションボタンが10個あるなどカスタマイズの自由度は高い。
上位機に遜色ないクリアな色と細部表現力
撮像素子には4/3型の有効1600万画素Live MOSセンサーを、画像処理エンジンにはヴィーナスエンジンをそれぞれ搭載。感度はISO200〜25600を1/3ステップで選択でき、拡張感度としてISO100が選べる。
実写では、シーンを問わず安定感のあるクリアな発色に好印象を受けた。センサーの画素数は標準的だが、使用レンズ次第では被写体の質感までをきっちりと描く細部表現力もある。
トータルとしては、静止画も動画も快適に楽しめる使い勝手のいいカメラだと感じられた。主に樹脂素材のボディにあまり高級感がない点は残念だが、画質と機能、操作性といったカメラとしての基本部分はしっかりとしている。4K動画を気軽に味わいたい人はもちろん、静止画重視の人にもおすすめできる。
バリアングル液晶を生かして、見上げる構図で撮影。使用レンズはキットに付属する高倍率ズームで、ズームはワイド端を選択した。やや甘い周辺画質に物足りなさを覚えるが、利便性に優れたレンズだ。絞り優先オート(F5.6、1/320秒)、ISO200、WB:オート、レンズ:LUMIX G VARIO 14-140mm
単焦点レンズを使用すると、質感までをリアルに表現できる高解像な写真となる。なめらかなトーン描写も美しい。マニュアル(F16、1/800秒)、ISO200、WB:オート、レンズ:LUMIX G MACRO 30mm
オプションの外部ストロボ「DMW-FL360L」をワイヤレス発光モードに設定し、画面上から光を当てて撮影。サイド光によって葉脈を浮かび上がらせた。マニュアル(F11、1/500秒)、ISO200、WB:オート、レンズ:LUMIX G MACRO 30mm
新機能の回折補正をONにしておけば、絞りを絞り込んで撮影しても、回折ボケの影響を最小限に抑えられる。深いピントで花の蕊をくっきりと再現した。マニュアル(F16、1/200秒)、ISO200、WB:オート、レンズ:LUMIX G MACRO 30mm
望遠ズームを使用し、遠近感の圧縮効果を意識しながら、部分を切り取る感覚でフレームを決定した。ミラーレスカメラでは電子ビューファインダーがない機種も多いが、明るい場所や望遠撮影では、やはり電子ビューファインダーが役に立つ。絞り優先オート(F6.3、1/1000秒)、ISO200、WB:オート、レンズ:LUMIX G X VARIO PZ 45-175mm
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