イーストが開催していた「第1回EPUB3コンテスト」の選考結果が発表された。EPUB3で可能な表現の最先端は、業界関係者必見だ。
イーストは8月4日、運営するEPUBポータルサイト「epubcafe」で開催した、「第1回EPUB3コンテスト」の選考結果を発表した。受賞作品は4作品。
EPUB3の仕様策定に関し、日本語組版ルールの導入に尽力した村田真氏の名前が冠された村田真賞には、川幡太一さんの「ごんぎつね」が受賞。動画、静止画、音声、音楽、文字などさまざまな形式のデータの再生を制御できるXMLベースのマークアップ言語「SMIL」を活用し、テキストの音声読み上げと読み上げ部分の自動ハイライトを実現したものだ。言い換えれば、オトバンクから提供されている「朗読少女」のようなことが、EPUB3では実現できるということになる。
また、epubcafe賞を受賞したのは、複雑なレイアウトを持つ新聞の誌面HTMLとCSSで表現したYuki.Mさんの「珈琲新聞」。リフローには対応していないものの、縦書き、段組み、Webfonts、SVGなどEPUB 3で可能な新しい表現を多用した本格的なデザインが評価された。
このほか、CSS3のMedia Queriesを利用し、デバイスの縦幅に応じた複数レイアウトを実現した作品や、漢詩を原文、書き下し文、繁体中国語、簡体中国語などさまざまな方法で記述した作品がそれぞれ受賞している。
受賞した4作品はepubcafeでサンプルデータが公開されている。EPUB3でできる表現の最先端を知りたいという方には有用なデータとなるだろう。
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