Androidベースのタブレット、iPadとの競争で欧州とアジアに目を向ける

Androidベースのタブレットは欧州およびアジア市場で成功する確率が最も高い。両市場はiPadでない選択肢にも需要があるかどうかを確認するための決定的な戦場となるだろう。

» 2011年08月23日 11時00分 公開
[Michael Kozlowski,Good e-Reader Blog]
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 AppleのiPadは市場に存在するタブレットのデファクトスタンダードであり、ほとんどの国々で最も見かける割合の高いタブレットだ。最近の研究でiPadはAppleストアが合計で238店舗存在する米国で最も成功を享受していることが分かった。欧州ではiPadを購入できる店舗が52しか存在しない。Androidベースのタブレットは欧州およびアジア市場で成功する確率が最も高く、そこでiPadが視認される割合は北米に比較するとかなり低い。

 Androidベースのタブレットは、より良いハードウェアベースの選択肢を提供するために価格面ではAppleとの競争で厳しい状況にある。エンドユーザーはほかのデバイスで充実したサービスを受けるためにしばしばiPadよりもはるかに多くを支払っている。例えば、T-MobileのG-Slateは799ドルほどで販売されており、iPadと比較すると、通りすがりの顧客にとっては考えるまでもない。Appleは発売以来、1年で3000万台以上のiPadを販売しており、そのエントリーモデルはわずか500ドルだ。

 Forrester Researchはタブレット売り上げの未来について幾つかの非常に興味深い事実をレポートにまとめている。iPadは北米ですべてのタブレット売り上げの80%を占め、一方欧州では70%に上昇しようとしている。全世界での売り上げは劇的に増加し、新学期向けおよび休暇中の売り上げを合わせれば、2011年に販売されるiPadは4800万台を超えるだろう。

 タブレットで競合となるBlackberry、Acer、Asus、Dell、Samsung、Motorola、HPといった企業は欧州とアジアで存在感があり、両市場はiPadでない選択肢にも需要があるかどうかを確認するための決定的な戦場となるだろう。

 Dellは、Streakの5型および7型タブレットと携帯電話のハイブリッドデバイスの売り上げがぱっとしないので北米市場を捨て、代わりに競争がより緩やかでマーケティング予算が獲得しやすい中国に集中することにした。現在、Dellは中国のタブレット市場でLenovoに続いており、両社は1万以上の小売店を販路に製品を販売している。

 Forrester Researchでは、ほとんどの西側マーケットでAppleがリードしている主な理由としてソフトウェアベースのエコシステムを挙げた。AndroidとほかのOSは開発者により多くのインセンティブを提供しなければならず、よりきれいにコンテンツを調整しなければならない。HoneycombベースのタブレットでAndroidマーケットを確認すると、アプリケーションのほとんどはAndroid 2系向けに調整されていることが分かるだろう。AndroidマーケットではHoneycombベースのデバイス向けに最適化されたか、もしくは作成されたアプリを探すためのオプションすら存在しない。特にタブレットを念頭に置いてデザインされたコンテンツを見つけるのも非常に難しい。一方、Appleのシステムは携帯電話およびタブレット向けアプリケーションを完全に区別している。

 最高のゲーム会社がAndroidでゲームを発表しない理由の1つは、タブレットの画面サイズがさまざまだからだ。iPadあるいはiPad 2向けにゲームをデザインすれば1つの画面サイズを扱うことになり、そしてAppleのタブレットのほとんどの機能は同じだ。反対にAndroidタブレットの画面サイズは5型から11型で、すべてのゲームあるいはアプリはそれぞれで正しく表示されるようにカスタマイズされなければならない。大企業であれば、どのタブレット向けに開発するだろうか。1つの画面サイズ向けか、あるいは多くの画面サイズ向けだろうか?

 アプリとゲームのエコシステムは、タブレットの競争が激しく、タブレットが視認されることが多い北米での決定項目であり続けている。欧州とアジアは2つの完全に異なる問題で、タブレット成功のための戦場であり続けている。

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