電子書籍取次を手掛けるメディアドゥは5月13日、電子図書館プラットフォームの世界最大手、米OverDriveとの戦略的業務提携を発表した。両社のシステムインフラを連携し、OverDriveのシステムをベースとした日本国内での電子図書館サービス展開を本格的に推進する。
OverDriveは公共図書館などに対して電子書籍の貸し出しサービスを提供。現在、世界36カ国で2万8000館の図書館、学校、大学に向けてサービスを提供している。両社は2012年に業務提携を発表しているが、今回はOverDriveがメディアドゥ代表取締役社長の藤田恭嗣氏から一部株式譲渡を受けるなど、資本面まで踏み込んだ提携となる。
今回の発表はOverDriveの図書館向け電子書籍貸し出しサービスの国内展開にとどまらず、双方が出版社や著作権者から預かっているコンテンツの配信強化の側面も含む。OverDriveが預かる日本国外の100万を超えるタイトルの国内配信、そしてメディアドゥが預かる、200社を超える取引先出版社のコンテンツをOverDrive経由で海外に配信することなどが予定されている。
学校・公立図書館向け電子書籍貸し出しサービスについては、KADOKAWA・紀伊國屋書店・講談社の3社が「日本電子図書館サービス(JDLS)」を立ち上げるなどしているが、OverDriveの本格参入によって、今年大きく動くことが予想される。
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