第153回「芥川賞」の受賞作『火花』が増刷で100万部突破。ほか、イオングループの未来屋書店と、ダイエーの子会社であるアシーネの合併が発表されています。
イオングループの未来屋書店と、ダイエーの子会社であるアシーネは7月8日、それぞれ臨時取締役会を行い合併することを決議、同日に合併契約を締結した。存続会社は未来屋書店。9月1日に売上高約600億円、店舗数340店超となる新生未来屋書店が誕生することになった。
2013年8月、ダイエーがイオンの連結子会社としてスタートを切って以降、子会社間で重複する事業屋店舗の最適化や協業体制の構築、人材交流について再編を検討してきた。書店事業については、かねて未来屋書店とアシーネの間で、共同仕入、情報交換を行ってきたが、合併することで経営の効率化、ビジネスモデルの革新、スケールメリットなどを追求する。未来屋書店では「それだけにとどまらず、優秀な人材の活用を図り、互いの強みを融合させることで、書籍・雑誌以外の分野で新たな業態・事業に挑戦し、書店事業の変革を遂げていきたい」と話している。
今回の合併により、未来屋書店の代表者、本社所在地、システムなどの変更はない。
文藝春秋は7月16日に発表された第153回「芥川賞」の受賞作『火花』について、同17日に増刷を決め、累計発行部数104万部になった。
『火花』は2015年3月、純文学作品としては異例の初版15万部で刊行。芥川賞の選考会が行われる16日までに64万部(12刷)を発行していた。
芥川賞は又吉氏のほかに羽田圭介氏『スクラップ・アンド・ビルド』(『文學界』3月号)も受賞、直木賞は東山彰良氏『流』(講談社)に決定した。「スクラップ〜」は8月上旬に文藝春秋から刊行する。『流』も受賞を受けて増刷し、5刷・8万5000部に。出来日は7月21日。
双葉社が刊行している累計1900万部の時代小説シリーズ「居眠り磐音 江戸双紙」(佐伯泰英著)が、20161月に同時発売する50・51巻で完結する。7月15日、シリーズ49巻『意次の妄』の発売に合わせて発表した。同書の初版は37万5000部。全国紙、地方紙約50紙に新聞広告を順次出広し告知していく。
「居眠り磐音」シリーズの第1巻『陽炎ノ辻』は2002年4月に発売。そのときの初版は2万5000部だったが、13巻の『残花ノ庭』で初版10万部、23巻の『万両ノ雪』で同20万部と着実に部数を伸ばし、10年の31・32巻同時発売時に累計1000万部に到達した。
双葉社は新たに読み始める読者に向けた書店セットを用意。1・2・3巻の各10冊セットで本体価格は1万9440円。販売条件は3カ月延勘。搬入予定日は7月28日。セット注文は既に締切っているが、追加対応も可能。申し込みは電話03(5261)4818、同営業部へ。
7月13日、「7月期の返品相当額の再生債権からの控除」と「再生期間中の新刊支払いサイトの短縮」を柱とした提案を固め、取引出版社への説明準備に入った。債権者説明会(7月6日)で債権者である出版社から「債権放棄に加え、6月26日以降の返品を全額通常入帳しなくてはいけないというのはいかがなものか」という趣旨の質問があり、栗田側ではその点に関して再検討を約していた。今回の提案内容はそれに対応したものとなる。
具体的には各出版社別に過去3年間(2012〜14年)の4〜6月期の平均仕入額と各年7月期の返品額から返品率を割り出し、今年4〜6月期の平均仕入額にその返品率を掛けて、7月期に想定される返品相当額を算出する。栗田はその返品相当額を再生債権から控除し、8月精算時に還元する。また、支払いサイトに関しては、新刊分の支払いサイトが2カ月を超える出版社に対し、暫定的に2カ月に短縮する提案となる模様。栗田は今回の新提案に理解を求め、円滑な事業再生を目指す。なお、同社は7月10日午後3時半、東京地裁から民事再生手続き開始決定を受けた。
『人生がときめく片づけの魔法』(サンマーク出版)が米国で100万部を突破した。日本人の著書が米国でミリオンセラーになったのは初めてと思われる。英語版は2014年10月、米国のテン・スピードプレス社から発売され、2015年3月に米Amazon.comで1位。「ニューヨークタイムズ」のランキングでも21週間連続でトップ10入りするなど好調な売れ行きが続き、発売から約8カ月で大台にのった。
日本では現在155万部を発行。『同2』『毎日がときめく片づけの魔法』なども含めてシリーズ約220万部を発行している。
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