アンテナハウス、クラウド型汎用書籍編集/制作サービスを発表
アンテナハウスは、Webブラウザ上で書籍の内容を入力/編集し、EPUBやPDFを同時に出力できる「クラウド型汎用書籍編集・制作サービス」を発表した。
アンテナハウスは2月1日、Webブラウザ上で書籍の内容を入力/編集し、EPUBを初めとする電子書籍や、書籍印刷用の高品質PDFを作成できる「クラウド型汎用書籍編集・制作サービス」(CAS-UB)を発表した。
同サービスは、クラウド上にオーサリング環境を用意し、そこから書籍印刷用PDFとEPUBを同時に出力できるというもの。縦書きはもちろん、書店で販売できるレベルの印刷ページレイアウトが行えるほか、書籍には欠かせない目次、索引、注、柱の自動作成、ページ番号参照などの自動付与が行えるという。
詳細についてはまだ明らかにされていないが、Antenna House FormatterなどのXML自動組版ソフトウェアでも知られる同社が電子書籍編集・制作向けに提供する新サービスとなるだけに期待が掛かる。同サービスの詳細については、2月2日から4日にかけて開催されるコンベンション「PAGE2011」の中で、同社代表取締役の小林徳滋氏が紹介予定。
アンテナハウスは電子出版市場の立ち上げと発展を目的とした日本電子出版協会(JEPA)のメンバー企業の一社。同社の村上真雄氏はW3C会員としてXSLとCSS3仕様に深く関与しており、日本を含むアジア圏で需要が高い縦書きなどの要件をCSS3の仕様に盛り込むために大車輪の活躍を見せている。これにより、EPUB3.0でこうした表現が可能になることはほぼ確実視されているが、そうしたノウハウをいち早くビジネスにつなげたい考えだ。
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