Adobe、「Digital Publishing Suite」のエンタープライズ版をリリース
Adobe Systemsは、電子出版ソリューション「Digital Publishing Suite」のエンタープライズ版をリリース、プロフェッショナル版も間もなくリリース予定だ。
米Adobe Systemsは3月7日(現地時間)、電子出版ソリューション「Digital Publishing Suite」のエンタープライズ版をリリースした。
Digital Publishing Suiteは、電子書籍や電子雑誌などのデジタルコンテンツの制作から配信までを提供するもので、Adobe InDesign CS5を中核に据えつつ、「Distribution」「Analytics」「Viewer Builder」「Ecommerce」など幾つかのホステッドサービスと組み合わせて提供される。ターゲットプラットフォームはiPhoneやiPadなどのiOS搭載端末のほか、Androidを搭載したスマートフォン/タブレット、Research In Motion(RIM)の「BlackBerry」など。
今回提供が開始されたエンタープライズ版は大規模出版社向けに提供されるもので、既存の出版プロセスやインフラと連携しながら電子出版を効率よく手掛けることができるというもの。各出版社が独自のビューワを作りこめるようになっているほか、Appleの定期購読サービスおよびGoogleの「Google One Pass」にも対応している。料金形態は月額のプラットフォーム利用料に加え、刊行物ごとの料金が発生する。
Adobeでは、中小出版社向けに用意しているプロフェッショナル版も同社第2四半期(2011年3〜5月)にリリース予定としている。
関連記事
- InDesignは電子書籍の中間ファイルたり得るか?
DTPで標準的な位置づけを与えられているAdobe InDesignは電子書籍の制作でもその地位を保ち続けるのか? 実際にEPUBで電子書籍を販売しているDTPのプロフェッショナルがInDesignと電子書籍の関係について分析する。 - アドビの「Digital Publishing Suite」は電子出版ソリューションの最右翼か
アドビシステムズは、2011年第2四半期にリリース予定の雑誌/カタログ向けコンテンツ制作ソリューション「Adobe Digital Publishing Suite」に関する説明会を開催した。電子出版が抱える課題を解決しようとする意欲的なソリューションに、国内の出版社も興味を示している。 - Adobe、電子出版ソリューション「Adobe Digital Publishing Suite」を発表
米Adobe Systemsは、ユーザーカンファレンス「Adobe MAX 2010」の基調講演で、電子書籍・電子出版ソリューション「Adobe Digital Publishing Suite」と発表、2011年第2四半期に提供予定であることを明らかにした。 - Adobe、iPad向けデジタルマガジンの制作支援ツールをリリース
米Adobe Systemsは、同社の電子書籍向けプラットフォーム「Digital Publishing Platform」で作成されたデータのプレビューを行うためのiPadアプリをリリースした。 - Adobe、iPad向け電子コンテンツ作成ツール「Digital Publishing Platform」を発表
出版社は「Digital Publishing Platform」を利用することで、InDesign CS5のコンテンツをObjective-CあるいはAdobe AIRを使って電子版に変換し、インタラクティブ広告を含むオンラインならではの要素を追加できる。 - 印刷大手3社、Adobe CS5による印刷入稿体制を確立
共同印刷、大日本印刷、凸版印刷の3社は、「Adobe Creative Suite 5」による印刷入稿への対応を表明した。これにより、印刷出版業界でCS5の導入が促進されるとみられる。 - デザイン固定型電子書籍はまだまだ過渡期
電子書籍の制作は、まだベストプラクティスが存在しているわけではなく、どこも試行錯誤を繰り返している。本稿では、電子書籍の制作や出版を手掛けるタルク・アイティーの谷川耕一代表取締役社長が考える現場の苦悩を紹介する。 - CSSによる日本語組版の実装はここまできた――EPUB最新動向
イーストと日本電子出版協会は、国際的にも注目されている電子書籍ファイルフォーマット「EPUB」の最新動向として、HTMLレンダリングエンジン「Webkit」で日本語組版の実装が進んでいることを紹介した。 - 縦書き実現へと向かうEPUBと標準規格の魅力
電子書籍のファイル形式の1つである「EPUB」に、アジア圏から熱い視線が向けられている。縦書きやルビ、禁則処理などの機能がEPUBでサポートされるのかどうかがポイントだが、これはかなり確度が高い。アジア圏のニーズを吸収した国際標準に注目したい。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.