特集
Kindle(1st generation)――Amazon.com:電子書籍端末ショーケース
往年の名機から最新のタブレットまで――古今東西の電子書籍端末をショーケース風に紹介する「電子書籍端末ショーケース」。ここでは、Amazonの電子書籍端末「Kindle」、その初代モデルを紹介する。
製品概要
米Amazon.comの電子書籍端末「Kindle」の初代モデル。ほぼ同時期に北米で販売されていたSONY「PRS-500」「PRS-505」などと異なり、3G回線を通じて直接電子書籍コンテンツを購入できることで注目を集めた。
初回ロットは即完売する一方、399ドルという価格、また独特のデザインや操作性の悪さから2008年のワーストガジェットに選出するサイトもあったほどだが、1年半後にKindle 2に世代交代するまで、Kindleのビジネスモデルを普及させる原動力となった。
E Ink電子ペーパー(Vizplex)は4階調で、のちのKindle 2(16階調)に比べて表現力に劣るが、Whispernetによるストアへのアクセスやドキュメント類の転送機能、またメニュー構成などは本製品の時点ですでに完成されていたといっていい。扇状に配置されたキーボードや項目選択のためのセレクションホイール、通信回線のON/OFFを行う背面スイッチなど、物理ボタンを中心とした操作体系は大きな特徴。
SDカードをサポートするほか、背面カバーを外すことでバッテリを交換できるのものちのモデルには見られないギミックだ。日本への出荷は行われず、技適マークも取得されていない。製品そのものも日本語に対応しておらず、SDカード経由でPDFを読み込ませることもできず、のちの製品のようにZIP圧縮JPEGにも対応しない。
スペックで見る「Kindle(1st generation)」
メーカー | Amazon.com |
---|---|
国内発売時期 | 未発売 |
発売時価格 | 399ドル |
専用/汎用 | 専用 |
OS | Kindle OS |
OSバージョン | Kindle OS 1.2 |
サイズ(※最厚部) | 134.5(幅)×190(奥行き)×19(高さ)ミリ |
重量 | 約295グラム |
解像度 | 600×800ドット |
ディスプレイ | 電子ペーパー(E Ink) |
カラー/白黒 | モノクロ4階調 |
画面サイズ | 6インチ |
通信方式 | 3G |
Bluetooth | なし |
内蔵ストレージ | 256Mバイト(ユーザ使用可能領域は180Mバイト) |
メモリカードスロット | SDカード |
バッテリ持続時間(メーカー公称値) | 2日(無線ON時)、1週間(無線OFF時) |
タッチ操作 | 非対応 |
対応フォーマット | AZW、MOBI、PRC、TXT、HTML、DOC、JPEG、GIF、PNG、BMP |
コネクタ | USB(miniB) |
電子書籍ストア | Kindle Store |
その他 | PDFはメール経由で変換することで表示可能。日本語は非対応。米国での発売は2007年12月 |
最終更新日:2012年2月18日 |
写真で見る「Kindle(1st generation)」
本体色はホワイト。複雑な多面体のボディが特徴的(写真=左)/のちのKindle 2以降に比べると角ばったデザイン。この写真では撮影のために左手で保持しているが、画面右下のセレクションホイールで項目選択を行うため、操作は実質右手を中心に行うことになる(写真=中央)/画面は6インチで、4階調のE Inkパネルは「Vizplex」と呼ばれるタイプ。右側に項目選択用のカーソルバーがあるため、のちのKindle 2以降に比べてボディの横幅がやや広い(写真=右)
正面。扇状になったキーボードが特徴的。スクリーンセーバはKindle 2などと共通の絵柄だが、一部の絵柄にはショートカットの説明が書かれている場合がある(写真=左)/左側面。面構成が複雑なので一見するとボタンはないように見えるが、上にNEXT/PREVボタンの端が見える(写真=中央)/右側面。NEXTボタンとBACKボタンを備える。こちらの側にはPREVボタンはない(写真=右)
上面。特に端子類はない(写真=左)/底面。イヤフォンジャック、USB miniB端子、ACジャック、音量大小ボタンを備える(写真=中央)/裏面。上部に電源および通信スイッチを備える。グレーの部分はカバーになっており、右方向にスライドさせることで取り外せる。なお、後世の製品と異なり無線LANは搭載しておらず、通信は3Gのみ(写真=右)
裏面カバーを外すとバッテリーが交換可能。SDカードスロットも備える(写真=左)/標準添付のソフトカバーを装着した状態。のちのKindle 2のように本体にフックをかけて固定するギミックはなく、挟み込んでいるだけ(写真=中央)/画面内の項目を選択するには、右下のセレクションホイールを回転させて画面右側のカーソルバー内の銀色のカーソルを上下に動かし、ホイールを押し込んで決定する。ちなみにこれは「Go to Bookmark...」にカーソルを合わせている状態(写真=右)
起動直後のメイン画面。のちの製品に搭載されたCollection機能は非対応で、すべてのコンテンツがフラットに表示される。日本語表示には非対応(画面=左)/コンテンツを表示したところ。タイトルおよび下部のメニューは常時表示されている(画面=中央)/文字サイズは6段階で可変する(画面=右)
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