エンタープライズ:ニュース 2003/05/07 14:44:00 更新


ITをコストセンターからバリューセンターに再定義、バートン上級副社長

疲れきったシステム管理者ネオが謎の男モーフィアスに導かれ、ITの「真実」を知る。映画「マトリックス」を模したストーリー仕立てで、最高の盛り上がりを見せたジェレミー・バートン上級副社長兼CMOの基調講演。ユーティリティはビジネスと結びつくことで、ITをコストセンターからバリューセンターに変化できるという。

「ITのネットワークはそれぞれに進化してきた。それだけに真実が見えずに奴隷になっている」――。ベリタスソフトウェアのジェレミー・バートン上級副社長兼チーフマーケティングオフィサーは「VERITAS VISION 2003」開催2日目、映画「マトリックス」を模したビデオストーリーを使って基調講演を行った。VERITAS VISION最高の盛り上がりを見せたバートン氏の基調講演で示された「真実」とは、もちろん“ベリタス”というものだ。

 バートン氏は、疲れきったシステム管理者ネオが謎の男モーフィアスに導かれて、ITの「真実(ベリタス)」を知る。そんなストーリー仕立てでプレゼンテーションを行っていった。

ジェレミー・バートン氏

映画「マトリック」を模したビデオストリーが会場を沸かせた


 現在のストレージ環境は、さまざまなベンダーから提供されるストレージアレイ、サーバ、スイッチが混在し複雑化しており、このことがシステム管理者を疲弊させる要因となっている。バートン氏は「No1のストレージ管理ツールは、マイクロソフトのExcelだ」と皮肉る。この複雑さを解消する同社のストレージ管理ツール「SANPoint Control」をデモを交えながら説明した。

 SANPoint Controlは、あらゆるベンダーのストレージを管理の対象とすることが可能で、ポリシーに基づいたオートメーション機能、レポーティング機能を持つ。

 バートン氏のプレゼンテーションによると、SANPoint Controlは、(1)ヘテロジニアスなネットワークに存在するハードウェア資産などをビジュアル的に捕捉でき、(2)それをポリシーに基づいてプロビジョニング、(3)情報を収集してレポート生成することができる。つまり、SANPoint Controlの一連の機能は、同社が言う「ユーティリティ」を実現するためのモデルと結び付く。

 だが、バートン氏は「ユーティリティはITのクールな概念だが、ビジネスと結びつかなければ意味がない」と語る。ITインフラがユーティリティなサービスとして、ビジネスラインに供給され、アプリケーションがそれを利用し、その実績に基づいたレポートにより課金していく。これを実現する必要があるという。ユーティリティであるからには、需要に応じてストレージを供給できなければらないのだ。

「ユーティリティはビジネスと結びつくことで、ITをコストセンターからバリューセンターに変化させることができる」(バートン氏)。

 ユーティリティとビジネスを結びつけるものとして、ベリタスは今年度後半に「VERITAS Service Manager」をリリースする。基調講演の中では、ベータ版による簡単なデモを行ってみせた。

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[堀 哲也,ITmedia]