エンタープライズ:ニュース 2003/05/08 18:10:00 更新


HPとベリタスは、互いのビジョンを共有できる

「VERITAS VISION 2003」3日目の基調講演にHPのエンタープライズソリューションズパートナーズ副社長、ナイジェル・ボール氏が登場。「HPはパートナーセントリックな戦略を重要視している。HPとベリタスが協力することで、データ保護などの面でカスタマーに大きな価値を提供できる」と話した。

 「VERITAS VISION 2003」3日目の基調講演にヒューレット・パッカード(HP)エンタープライズソリューションズパートナーズの副社長、ニゲル・ボール氏が登場した。この基調講演は、同グループの上級副社長、ピーター・バックモア氏が行う予定だったが、別の発表に出席しなければならず、ボール氏がプレゼンテーションを行うことになった。

「HPはパートナーセントリックな戦略を重要視している。HPとベリタスが協力することで、データ保護などの面でカスタマーに大きな価値を提供できる」。ボール氏は、ベリタスとのパートナーシップを常に強調した。

 ボール氏によると、HPは数年前からパートナー戦略を開始しており、狭い世界だけのクローズドシステムやパートナーシップから脱却。各業界のリーダー企業と協力し、あらゆるカテゴリーごとにベストプラクティスを提供するスタンスをとり始めた。

ナイジェル・ボール氏

次のステップは、ビジネスの変化に迅速に対応できる「ビジネスアジリティ」だ(ボール氏)


 ボール氏は、進化論のチャールズ・ダーウィンの言葉を引用して、同社のビジョンを語る。この言葉は、HPが今日のITシステムに対する考え方と一致するという。

「最も強い種族が生き残るのではなく、最もインテリジェントな種族でもない。変化に最も対応できるものが生き残るのだ」(ダーウィン)。

 また、ボール氏は、VERITAS VISIONの“ビジョン”という単語は、変化に迫られている現実に向き合うグレートな言葉だ、とベリタスを評価する。同カンファレンスの初日にベリタスがユーティリティコンピューティングを発表したことに触れ、「これは顧客をニューレベルの成功に導くコンセプトの1つだ」とボール氏。HPとベリタスは、ITシステムの変化やビジネスプロセスの変化に対応するという、ビジョンを共有できるだろうとした。

 HPとベリタスはこの日、両社のグローバルリレーションシップを強化したことも発表している。このことからも両社はお互いのビジョンを共有していることが分かる。両社は、「HP-UX 11i」上で稼動する「Oracle9i Real Application Clusters(RAC)」のサポート製品を共同で開発するほか、ベリタスは「VERITAS Volume Manager」と「VERITAS File System」のHP-UXに対し今後10年にわたって提供を続けるという。

 またボール氏は、HPはUNIX、Linux、Windowsサーバ、ストレージ、管理ソフト、ミッションクリティカルサービスなどあらゆる面でNo.1であることも強調する。

 だが、先に引用したダーウィンの進化論に適用すると、現在の環境を生き残るには最強であってもだめだ。同社は、最強よりはインテリジェントの方がさらにスマートだと考えており、ベリタスなどとのパートナーシップを強化している。

 ここで同社の未来を守るための次のステップとなるのは、ビジネスの変化に迅速に対応できる「ビジネスアジリティ」だとボール氏は語る。同社の考えるビジネスアジリティとは、「ITインフラやビジネスプロセスがビジネス戦略に則ったものであれば、より良く、よりスピーディで、低コストを実現するために、フレキシブルかつアダプティブでなければならない」(ボール氏)ことを意味しているという。

 HPはビジネスアジリティを自社内で実行し、ITに関するコスト削減などに成功した。これと同様のことを顧客に対しても提供していくという。

 その中で、ベリタスは優れたデータ保護やアベイラビリティ製品を持っており、競合するのではなく、共同することで、顧客に価値を提供できるとした。

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[堀 哲也,ITmedia]