特集 オープンソースで作るJava+DB
第1回 PostgreSQLで学ぶSQLデータベースの操作 (1/15)
ビジネス系アプリケーションでは、データベース格納として、リレーショナルを使うことがほとんどだ。この際に利用するのが「SQL」データベース操作言語。この特集ではPostgreSQLを挙げて操作方法を解説していく。
この特集「オープンソースで作るJava+DB」は、「Tomcatで知るJSP/サーブレットの基礎」の延長として位置づけるものだ。第2回では、Tomcat(JSP)との連携解説を行っていく。
PostgreSQLは、オープンソースのリレーショナルデータベースだ。データをストアするだけでなく、制約の設定、トランザクション操作、ストアドプロシージャの機能も備え、かなり本格派である。また、PostgreSQLは、C、C++、Java、Perl、Tcl、Pythonなど多数の開発言語から利用できることも特徴だ。ここでは、Red Hat Linux 7.3にPostgreSQLをインストールし、各種設定するまでの方法を説明する。以下が目次だ。
PostgreSQLのインストール
PostgreSQLは、ソースファイルからインストールや、RPMパッケージとしてインストールすることもできる。ここでは、より容易な方法であるRPMパッケージとしてインストールする方法を説明する。なお、原稿執筆時点でのPostgreSQLの最新版は、バージョン7.3.3だ。PostgreSQLの入手方法は幾つかあるが、日本国内では、Ring Server ProjectのFTPサイト(ftp://ftp.ring.gr.jp/)、/pub/misc/db/postgresql/から入手するとよいだろう。
同ディレクトリの「binary/v7.3.3/RPMS/redhat-7.3」サブディレクトリには、Red Hat Linux 7.3用のRPMパッケージが置かれている。
One Point!
RING Server ProjectのFTPサイトには、Red Hat Linux 7.3以外に、Red Hat Linux 8やRed Hat Linux 9用のRPMパッケージも用意されている。
RPMパッケージは複数に分かれており、必要なものだけを選んでインストールするのが正しい。そうとはいえ、依存関係の問題もあり、すべてをダウンロードして一気にインストールしてしまうのがよいだろう。ここでは、次のファイルをダウンロードする。
表1 PostgreSQLを構成するRPMパッケージ
パッケージ名 | 用 途 |
---|---|
postgresql-7.3.3-1PGDG.i386.rpm | PostgreSQL本体およびドキュメント |
postgresql-pl-7.3.3-1PGDG.i386.rpm | PL言語用のインタフェース |
postgresql-contrib-7.3.3-1PGDG.i386.rpm | PostgreSQLの便利なツール群 |
postgresql-python-7.3.3-1PGDG.i386.rpm | Python言語用のインタフェース |
postgresql-devel-7.3.3-1PGDG.i386.rpm | CおよびC++言語用のインタフェース。他言語から利用間接的に利用されることもある |
postgresql-server-7.3.3-1PGDG.i386.rpm | PostgreSQLを動かすためのコマンドやスクリプト群 |
postgresql-docs-7.3.3-1PGDG.i386.rpm | PostgreSQLのドキュメント |
postgresql-tcl-7.3.3-1PGDG.i386.rpm | Tcl言語用のインタフェース |
postgresql-jdbc-7.3.3-1PGDG.i386.rpm | Java言語用のインタフェース |
postgresql-test-7.3.3-1PGDG.i386.rpm | テストおよびベンチマークのためのツール群 |
postgresql-libs-7.3.3-1PGDG.i386.rpm | 各種ライブラリ |
One Point!
表に掲げたRPMパッケージにうち、幾つかは各種開発言語からPostgreSQLを利用するためのインタフェース(API)だ。該当する開発言語からPostgreSQLを利用しない場合には、それらのRPMパッケージをインストールする必要はない。
ダウンロード後は、次のように指定してRPMパッケージをインストールする。
$ su
# rpm -Uvh postgresql*.rpm
One Point!
rpmコマンドのオプションに「-i(インストール)」ではなく、「-U(アップデート)」を使っているのは、Red Hat Linux 7.3には、標準でPostgreSQL 7.2.1がインストールされているためだ。
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[大澤文孝,ITmedia]