エンタープライズ：知っておきたいデータベース移行術「SQL Server→Oracle編」 (7/15)

エンタープライズ：特集

2003/07/25 18:19:00 更新

［Java Developer特別企画］2003年9月号
知っておきたいデータベース移行術「SQL Server→Oracle編」 (7/15)

JAVA Developer 2003年9月号より転載

・ラージデータ型
　SQL Serverでは、8000バイト以上を超えるデータの取り扱いは、テキストの場合はtext型、バイナリデータの場合はimage型を使います。

　Oracle9iではこの両データ型に対してそれぞれテキストはclob、バイナリはblob型があり、そのまま移行が可能です（clob/blobという名前は、SQL99で分類されているCharacter Large OBject、Binary Large OBjectの略でこちらのほうが一般的です）。

　SQL Serverで取り扱っているラージデータ型は格納できる最大サイズが約2Gバイト（正確には2Gバイト－2）であるのに対して、Oracle9iの場合は4Gバイトまで可能であり、サイズを気にせずにSQL Serverからデータを移行できます。

表4　ラージデータ型の移行
	SQL Server 2000	Oracle9i
大容量のバイナリデータ	image（最大約2Gバイト）	blob（最大約4Gバイト）
大容量の文字列データ	text/ntext（最大約2Gバイト）	clob/nclob（最大約4Gバイト）

・そのほかの特殊な型
　SQL Serverでは特殊なデータ型がほとんどないため、Oracle9iへのデータ型の移行はここまで紹介した内容で問題なく行われるケースが多いようです。

　例外的なものを紹介すると、SQL Serverにはuniqueidentifier型が存在し、全データベース中の全データの中で一意の値を持たせるデータ型などが存在します。J2EEの適用範囲でどのように使うと便利なデータ型なのかがわかりませんが、こういったほんの一部の例外には注意する必要がありそうです。

　また今回は紹介しませんが、SQL Serverでユーザー定義データ型を使用している場合、Oracle9iへ移行可能ですが、定義の方法や使用方法に違いがあり注意が必要です。

［JAVA Developer特別企画］
知っておきたいデータベース移行術
「SQL Server→Oracle編」

（１）データベース移行に伴う影響範囲～JDBCドライバ

（６）データ型の移行～ラージデータ型／そのほかの特殊な型