エンタープライズ:ニュース 2003/08/07 12:44:00 更新


変革を続けるSybase、リアルタイムとワイヤレスが鍵を握る

Sybase TechWave 2003のキーノートでは、ジョン・チェンCEOが、Tibcoとの協業による「Sybase Real-time Services」の展開、およびワイヤレスが今回の目玉になることを強調した。

 米Sybaseは8月4日から7日まで、フロリダ州オーランドにおいて、年次カンファレンス「Sybase TechWave 2003」を開催している。キーノートにはジョン・チェンCEOが登場し、Tibco Softwareとの協業による「Sybase Real-time Services」の展開、およびワイヤレスが今回の目玉になることを強調した。さらに、SybaseとBearingPointが共同で、大企業向けにプロセスやアプリケーション、ITインフラなどを効率的に管理するための「マネージドサービス」を提供することも明らかにされている。リレーショナルデータベース(RDBMS)分野での地位低下に対応する形で、Sybaseは新しい活躍の場を探し、進化への道を模索しているところだ。

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ジョン・チェンCEO

 昨年のTechWaveでは、SybaseとPeopleSoftの戦略提携が発表され、PeopleSoftのクレイグ・コンウェイCEOがキーノートに登場した。現在、PeopleSoftとOracleが買収をめぐって争っていることについて、チェンCEOは「選択肢を制限することはいいことではない。」とOracleに対して苦言を呈した。さらに、PeopleSoftの顧客の3分の2がOracleの行動を非難しているとも加えている。

 今回の技術的な目玉は、Sybaseのデータベース製品「Adaptive Server Enterprise(ASE)」と「Tibco Enterise for JMS」を統合させ、Sybase Real-time Servicesを展開すること。Sybase Real-time Servicesでは、ユーザーが必要とする情報が、データベースからプッシュされる形式、つまり言ってみれば「データが人を探す形で」で送られる。顧客企業は、これを利用することにより、特定の情報を特定のユーザーにリアルタイムに提供する新しいサービスを展開したり、自社の業務プロセスの改善に生かしたりすることが可能になるという。

 Sybaseにとって重要なパートナーとして壇上に立ったTibcoのビベック・ラナディブCEOは、同社のユーザーとして、カジノチェーンのHarrahsを挙げた。Harrahsでは、Tibcoの技術を利用することにより、顧客や株主に対して、関連するリアルタイムの情報を提供できるようになったとしている。

「Tibcoとともに展開するリアルタイムデータベースにより、いつでもどこでも情報を通知できる環境を構築していく」(チェンCEO)

「テーマはワイヤレス」とチェン氏

 一方、今回のTechWaveで再三にわたって強調されているキーワードが「Unwired Enterprise」だ。WiFi技術の普及を背景に、「企業において、IPアドレスのあるすべてのデバイスがターゲット」とチェン氏は話す。

 Sybaseは、モバイル端末向けソフトウェア大手のiAnywhere Solutionsを傘下に抱えており、iAnywhereのモバイルデータベース市場でのシェアは73%に上る。Sybaseはさらに、データをモバイル機器に伝送するソフトを提供するAvantGoの買収を2月に完了し、分社化したiAnywhereと連携してワイヤレス分野での成長を見据えている。既に、SalesForce.comにおいて、Unwired EnterpriseとしてSybaseの技術が使われていることも紹介されている。

 iAnywhereは、モバイル/組み込み向けDBのほか、「always available」な環境を実現するモバイルミドルウェアや、ターゲット顧客のニーズを満たす「Out-of-the-box」(箱から出してすぐ使える)アプリケーションを提供するm-ビジネスなども展開する。always availableとは例えば、地下鉄からPDAで電子メールを送る場合、その時にはオフライン環境でも、地上に出た時点で自動的にメールを送信することで、ユーザーがオンラインとオフラインを意識せずにアプリケーションを扱えるようにするといった考え方。クライアント端末は定期的にサーバに接続することで、端末でのユーザーの作業とサーバのデータを同期することになる。

豊富なパートナーシップ

 Sybaseの戦略で今年特に重要なポイントとなることは、パートナー戦略の強化だ。昨年のPeopleSoftに続き、今年は、Tibco、Bearingpoint、Fujitsu Softwareとの協業を発表している。チェン氏はこのほか、BMC、ソニー、NEC、エリクソンなどのパートナー企業の名前を出し、製品の販売において特にパートナーとの関係が重要となるミドルウェアベンダーとしての、今後の成長戦略についてアピールした。

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[怒賀新也,ITmedia]



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