| エンタープライズ:ニュース | 2003/10/07 19:25:00 更新 |

サン、最新のUltraSPARC IIIiでエントリーレベルサーバとワークステーションを強化
サンがUltraSPARC IIIiでエントリーサーバとワークステーションを強化した。ボリュームシステム製品を統括するノックス執行副社長は、「エンタープライズレベルの性能と信頼性をPCサーバを下回る価格で提供する」と話す。
サン・マイクロシステムズは10月7日、最新の64ビットCPU「UltraSPARC IIIi」を搭載したエントリーレベルのサーバおよびワークステーションを発表、同日販売を開始した。米国では9月中旬の「SunNetwork 2003」カンファレンスで発表されている。
SPARC V9に準拠するUltraSPARC IIIiは、現在ハイエンドサーバに搭載されている「UltraSPARC III」の低消費電力・廉価版。前世代にあたるIIiはシングルCPU構成しかサポートしていなかったが、IIIiでは廉価版ながら最大4CPUまで拡張できるようになった。
この日の発表のために来日したボリュームシステム製品担当執行副社長、ニール・ノックス氏は、「今日、システム運用の複雑さやコストをデータセンターから排除することが、すべてのCIOに例外なく求められている。64ビットのUltraSPARC IIIiとSolarisを搭載した新しい製品群は、エンタープライズレベルの性能と信頼性をPCサーバを下回る価格で提供する」と話す。
また、国内のパートナー営業を統括するiForce営業担当常務の末次朝彦氏は、「ウインテルより価格を引き下げれば、それが差別化の要因になるはず。日本でも製造業を中心に設備投資が上向いている中、一部のパートナーにはウインテル脅威論があったが、これで払拭できる。待たれていた製品群だと思う」と自信を見せる
UltraSPARC IIIiを最大4個まで搭載できるラックマウント型サーバの「Sun Fire V440」は、UltraSPARC IIを搭載したSun Enterprise 420Rの後継。上位のV480が2万5000ドル以上の4ウェイラックマウント型サーバ市場で65%のシェアを獲得しているが、その下の1万ドルから2万5000ドルの市場ではわずか6%にとどまる。2CPU構成で161万9000円から開始するV440は、この新市場をターゲットとしている。
「V480が成功しているのになぜ? ボリューム市場では絶えず価格性能を引き下げていかなければ、戦略的なパートナーに選ばれない」とノックス氏。
意思決定支援とデータウェアハウス環境を反映したTPC-Hベンチマーク(100Gバイト)では、Xeonの4ウェイサーバと比較して価格性能比で26%上回る記録を達成している。
同氏は北米のチャネル開発を担当した経験もあり、パートナーらの声を特に大切にしているという。そんな彼の姿勢から生まれたのが、5年ぶりのタワー型となるワークグループ向けの「Sun Fire V250」だ。
実際、ノックス氏は、アジアや欧州のチャネルからタワー型を待望する声があったと明かす。UltraSPARC IIIiを2個、ディスクを8台(73.4Gバイト使用時は0.5テラバイト)まで搭載でき、中堅企業および小規模事業者のERP、メッセージング、データベースサーバなどのシステムを一つの筐体でまかなえるのが特徴。TPC-Hベンチマーク(100Gバイトおよび300Gバイト)の価格性能も世界記録を達成している。
Sunの優位性である64ビットコンピューティングがさらに生きるのが、ミッドレンジクラスのタワー型ワークステーション「Sun Blade 1500」だ。UltraSPARC IIIiを搭載することで、エントリーのSun Blade 150と比較して2倍以上の性能(SPEC CPU2000)を叩き出す。この150とSun Blade 2000のあいだを埋めると共に、Sun Ultra 10の後継となるという。
パートナーと共にソリューションを
実は今回のノックス氏の来日は、この日開催された「Sun Partners Forum 2003」に出席するのが目的だった。この7月、サン・マイクロシステムズの社長に就任したばかりのダン・ミラー氏は、記者発表会とパートナー向けカンファレンスのどちらでも「Sunのグローバルパートナーの多くは日本企業。彼らが顧客の望むクルマを作り上げられるよう、サンはハードウェアやソフトウェアという業界で最も優れたエンジンを提供していく」と話した。
Sunは厳しい四半期決算が続く中にあっても、研究開発投資を後退させていない。
「次なる成長のため、Sunにはイノベーションが不可欠だ。今日のIT業界で真のテクノロジーベンダーは、Intel、Microsoft、そしてSunの3社しかない。だが、彼らのモデルはパートナーは二の次だ」とし、同社がパートナーを重視していることを強調した。
Sunの共同創設者であり、現在もCEOとして同社を率いているスコット・マクニーリー氏は、自社のマーケットにおける位置付けを三角形を描いて説明する。彼によれば、この市場には「技術」「サービス」「ディストリビューション」のカテゴリーがあり、どこかでベストになれないと生き残れないという。IBMやHewlett-Packardはサービス会社を志向し、Dellはディストリビューションで抜きん出ている。どこの世界でもそうだが、「二兎」を追えば、トライアングルの内側に埋没してしまう。
そして、次なるSunの革新の一つが「スループットコンピューティング」だ。Sunは今後、UltraSPARC IVとVでコアのマルチ化を進める一方、買収したAfara Web Systemsの技術によって、「Niagara」と呼ばれるプロセッサをリリースする予定だ。この全く新しいプロセッサは、「Chip Multi Threading」(CMT)の概念を具現化したもの。現在のように1つのタスクを高速に処理する機能を追求するのではなく、同じダイの上にマルチスレッド化されたコアを複数個載せることによって、デザインの簡素化を図ろうというものだ。
ノックス氏は、「スループットコンピューティングは、SPARCアーキテクチャを全く新しいレベルの価格性能に引き上げてくれる牽引車となる」と話す。
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[浅井英二,ITmedia]
