エンタープライズ:ニュース | 2003/11/03 23:05:00 更新 |
創立20周年記念のBorCon 2003開幕、「革命」の前夜祭にBorland信奉者が結集
サンノゼコンベンションセンターで「BorCon 2003」が開幕した。今年創立20周年を迎えたBorlandは、J2EEと.NETという2つの環境に対してALMソリューションを提供するベンダーとして大きく飛躍を遂げようとしている。同社CTOはそれを「革命」と呼ぶ。
米国時間11月2日夕方、カリフォルニア州サンノゼのコンベンションセンターでBorland Softwareの年次デベロッパーカンファレンス、「BorCon 2003」が開幕した。
かつてTurbo Pascalを引っさげて米国市場に乗り込んだBorlandは今年、その創立20周年を迎えた。強烈な個性の持ち主、フィリップ・カーン氏は1995年に同社を去ったものの、「クラフトマンシップ」を貫くことで、デベロッパーコミュニティーからの根強い支持を取りつけている。
毎年BorConのホストを務める、デベロッパーリレーション担当副社長のデビッド・インターシモン氏は、記念すべきBorCon 2003のオープニングを同社の歴史を振り返ることから始めた。同社は、1998年にInpriseへ社名を変更したものの、2001年には現CEOのデール・フラー氏がBorland Softwareへと戻している。この「社名復活」のくだりでは、ひときわ大きな拍手が聴衆から送られた。
20周年を盛大に祝うべく、今年は開催地として本拠地からも近いサンノゼを選んだ。そうした思惑とは逆にオープニングキーノートに集まったデベロッパーらは約1200人。昨年のアナハイムの2000人をかなり下回ったが、それでもBorland信奉者の熱気は昨年に負けていない。
フラーCEOは、彼らの支持にこたえ、「Borlandのミッションは、あなたたちデベロッパーを将来のデジタルワールドに導くこと」と話した。
Borlandの製品ラインは、前回のBorCon 2002から大きく様変わりをしている。昨年10月、同社はStarBase、TogetherSoftの買収を相次いで発表し、今年初めには、要件定義、設計、開発、テスト、配備、および変更管理というアプリケーションライフサイクルすべてをカバーする「Borland ALM」(Application Lifecycle Management)を完成させた。このことは、J2EE環境と.NET環境のどちらにも最良のツールを提供し、デベロッパーらに「選択の自由」を与えるという戦略がさらに前進することを意味する。同社によれば、2つの環境に対して統合されたアプリケーションライフサイクルソリューションを提供できるのは、Borlandだけだという。
しかも、StarBase、TogetherSoftの買収によって製品ラインを拡充したのたが、Borlandでは彼らとのパートナーシップを通じて製品間の連携を図ってきた歴史があり、既に統合がかなり進んでいたことをインターシモン氏は強調した。
BorCon 2003は、明日3日朝から本格的にセッションが始まる。Borland ALMをまとめ上げ、最近CTOに昇格したばかりのブレーク・ストーン氏は、ゼネラルセッションに登場し、ALMソリューションの全貌を明かすという。
「明日を見逃せば、“革命”を見逃すことになる」とストーン氏は話す。
なお、今年もMicrosoftとSun Microsystemsから基調講演のためにゲストを招く。明日3日はMicrosoftで.NET Developer Platformチームを率いるデビッド・トレッドウェルGMが、4日にはSunでソフトウェア事業を統括するジョナサン・シュワルツ執行副社長がそれぞれ登場する予定。
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BorCon 2002 レポート
[浅井英二,ITmedia]