エンタープライズ:ニュース | 2003/12/17 23:31:00 更新 |
OracleWorld Tokyo開幕、グリッドのOracle 10gやユビキタスで沸き返る
Oracle 10gを引っさげて3年ぶりにOracleWorld Tokyoが帰ってきた。期待されたラリー・エリソンCEOの来日はまたしても見送られたが、出展社は90を超え、2日間のセッション数も203に上る久々の大規模カンファレンスとなっている。
12月17日、東京ビッグサイトで「OracleWorld 2003 Tokyo」が開幕した。OracleWorldの開催は3年ぶり。同社主力製品の現行バージョンであるOracle9iが国内正式発表された2000年の開催以来となる。もちろん、今回の目玉はこの日が国内では初のお披露目となるOracle 10gだ。期待されたラリー・エリソンCEOの来日はまたしても見送られたが、出展社は90を超え、2日間のセッション数も203に上る久々の大規模カンファレンスとなっている。来場者数の目標としては延べ10万人が掲げられている。
17日の朝、会場の吹き抜けを利用して特設されたアリーナではオープニングセッションが行われ、新宅正明社長が登場した。新宅氏は、2002年のオープンシステム市場におけるRDBMSのマーケットシェア(IDC Japan調べ)が61.6%だったことを紹介したほか、OS別に見ても過去5年間にわたってナンバーワンを維持していることを強調した。
「Oracle 10gでは、仮想化、自動化、およびITリソース活用によってエンタープライズグリッドを実現し、さらにその存在感を高めていきたい」と新宅氏。
自動化とも関連するが、「使い勝手の改善」もOracle 10gの大きな強化ポイントだ。日本オラクルがWindowsプラットフォームでも圧倒的な成功を収めるためには、特にこの点が欠かせない。Oracle 10gをたった1枚のCD-ROMに収め、インストールもわずか20分弱で終えられるように改良したのもそのためだ。
なお、18日にはタレントのガッツ石松らによるインストール競争が展示フロアで行われ、その簡単さとスピーディーさがアピールされる。
ユビキタスの坂村教授も飛び入り
OracleWorld Tokyoでは、OracleデータベースやE-Business Suiteといった製品だけでなく、日本オラクルによる新しい分野の挑戦も垣間見られる。ミューチップが組み込まれた来場者パスもそのひとつ。入退場管理が非接触で実現されているほか、会場に設置されたKIOSK端末にパスをかざせば、自分が受講登録したセッションの情報が閲覧できるなど、OracleWorld Tokyoが巨大な実証実験の場となっている。
オープニングセッションには、東京大学大学院の坂村健教授も飛び入りで登場し、Oracle Liteが稼動する「ユビキタスコミュニケーター」のデモも披露した。坂村氏が自分のパスをPDAタイプのデバイスにかざすと、ミューチップに記録されたuID(ユビキタスID)が読み取られる。ユビキタスコミュニケーターにはワイヤレスの通信機能が搭載されており、uIDセンターから引き出された坂村氏の詳細情報がディスプレイに表示された。
「2003年はユビキタスコンピューティングが広く認知された。2004年はどんどん使われる年になる」と坂村氏。
新宅氏も「新しい技術をどう活用していくのか、バトンはみなさんに渡された」と話した。
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[浅井英二,ITmedia]
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