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2004/01/27 19:38:00 更新


CA、Windowsとの親和性を高めた「ARCserve for Windows」最新バージョンを発表

コンピュータ・アソシエイツがリリースしたバックアップソフトウェアの最新版「BrightStor ARCserve Backup Release11 for Windows 日本語版」は、Windows環境への対応がいっそう強化されている。

 コンピュータ・アソシエイツは1月27日、小〜中規模企業やワークグループ向けバックアップソフトウェアの最新版「BrightStor ARCserve Backup Release11 for Windows 日本語版」(ARCserve R11 for Windows)を発表した。

 ARCserve R11 for Windowsは、Windowsサーバ、およびその上で動作するMicrosoft Exchange ServerやMicrosoft SQL Serverといったアプリケーションのデータのバックアップ/リカバリを行うソフトウェア。昨年リリースされた「BrightStor ArcServe Backup v9」では、SANやNASのサポートを強化し、多様なストレージ環境への対応を高めたほか、Windows Server 2003への対応が図られていた(昨年6月25日の記事参照)。このたびリリースされた新バージョンでは、Windows環境への対応をさらに強化したほか、セキュリティを意識し、データを保護するための新機能が幾つか追加されている。

 最近のマイクロソフトはストレージ分野に力を入れており(1月23日の記事参照)、つい先日にはNAS専用OS「Windows Storage Server 2003」をリリース。またWindows Server 2003ではVSS(Volume Shadow Copy Services)をはじめ、さまざまなストレージ機能を強化している。こうした動きを踏まえ、「製品レベルでもビジネス展開上もマイクロソフトとの協業は重要」(同社BrightStorブランドユニットオーナー、関信彦氏)。Small Business Serverとの組み合わせにより、中小企業など新しい市場への展開も視野に入れているという。

 ARCserve R11 for WindowsではこのVSS対応機能を強化し、VSSライターアプリケーションをサポートした。対象となるアプリケーションが稼動中でも、データの整合性を維持しながらデータをバックアップできる。

 また、これまでハイエンドのストレージ製品でのみサポートされてきたマルチプレキシング機能を搭載した。これは、複数のソース(サーバ)から1つのストレージ(テープ)に対し、同時並行的にデータを書き込みを行えるようにするもので、バックアップ性能を大きく向上させるという。

 さらに、データというものの重要性が高まっていることを踏まえ、それを保護するための機能も加えられた。これまでもファイル内のウイルスを検出、駆除するために同社のウイルス対策製品「eTrust Antivirus」との連携が図られてきたが、ARCserve R11 for Windowsは最新バージョン「eTrust Antivirus 7」のエンジンを統合。データのバックアップやリストアと連動してウイルスチェックを行える。また、バックアップデータを保存したテープが流出するといった事態に備え、ファイルを暗号化したうえで書き込みを行う機能をサポートし、個人情報/機密情報の保護を図った。

 企業の法的責任(コンプライアンス)という観点からは、電子メールをはじめとするデータの長期保管が求められるようになった。これは金融や医療、製薬といった業界では特に顕著な傾向だ。同社はこうしたニーズを踏まえ、上書きが不可能な形でデータを書き込むWORM(Write Once Read Many)機能をソニーとともに開発。またMicrosoft Exchange Server 2003に対応したエージェントの機能を強化し、メール/文書単位できめ細かなバックアップ/リストアを行えるようにした。

 同社では今年いっぱいをかけて、BrightStorというブランドと「Release11」という統一のバージョン名のもと、ストレージ運用管理を包括的に支援する製品群を順次リリースしていく計画だ。その手始めとして近日中に、デスクトップPCやラップトップPC向けのバックアップ製品「BrightStor ARCserve Backup for Laptops & Desktops」を発表する計画という。

 ARCserve R11 for Windowsの対応プラットフォームはWindows Server 2003、Windows Storage Server 2003、Windows 2000、Windows XPなど。価格は15万円からで4月上旬より出荷を開始する。

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[高橋睦美,ITmedia]

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