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2004/05/19 15:42 更新
「ソフトウェア開発にもオンデマンドを」──Eclipseを基盤とするIBMの統合化戦略
Eclipseの勢いは止まらない。IBM出資で始まったEclipseプロジェクトは、コミュニティの追い風でさまざまなプラグインが登場し、商用ベンダーからも多くのアドインが提供されるなど一大ムーブメントとなった。
「IBM Software World 2004」の2日目、5月19日はテクノロジーDAYと題した開発者向けの講演が相次いだ。午前中のセッションには、米IBMからデスクトップ開発ツール副社長、兼ラショナルCTOのリー・ナックマン氏が登壇し、IBMにおける開発ツール戦略が語られた。
同氏は、Eclipse.orgの創立メンバーとして知られ、現在は米IBMのラショナル部門でMDA（モデル駆動型開発）の戦略担当責任者。Eclipseの快進撃を見守っているひとりだ。
IDE（Javaアプリケーション統合開発環境）のEclipseは、1999年4月、IBMによって4000万ドルを投じて開始されたプロジェクト。2001年11月には「Eclipseプロジェクト」コミュニティにソースコード寄与され、以降の開発が継続されている。その後、うなぎ上りのユーザー数を獲得し続けている開発ツールだ。
IBMとして、今後のEclipseをどのように考えているかが気になるところだ。この問いへの糸口として、同社の開発ツールの統合化へいっそうの影響力を与える存在だと語られた。
ナックマン氏は、「Eclipseは、IBM開発ソフトウェアの柱。現在でもWebSphere Studioのテクノロジー基盤となっているが、今後、他ツールとの統合化にもEclipseテクノロジーが利用されていく」とコメントする。また、「相関関係には、Eclipseモデリングフレームワークがとても重要な存在だ」とナックマン氏。
これまで数年間に渡り実現されてきたラショナル製品を始めとするIBMソフトウェアファミリーの統合化。今後もより密な統合が推進されるとうかがい知れるが、モデリングプロセスとの協調がラショナルCTO、ナックマン氏によるいちばんの課題のようだ。
講演全体を象徴する興味深いコメントとなったのは、「ソフトウェア開発というものを突き詰めれば、コードを一貫管理すること。そのためのマネージメントを行うことが不可欠なのだ」と言う。オンデマンドビジネスには、いかに統合化推進することが重要となっているが「ソフトウェア開発でも同様な統合化を行うことが不可欠な時代となった」とナックマン氏。
さらに「昨今の情報技術ニーズは、もはや技術だけの追求ではならない、目的を満たすためのサポートが大前提なのだ」と言及する。反復的、継続的、変更資産管理な取り組みが大きな軸として重要なのだともコメントされ、プレゼンではそれぞれを実現するためのラショナル製品を関連付けた。
Eclipseに関しては、講演最後に語られた程度であり、ほとんどは、ラショナル製品とオンデマンド開発における優位性が強調された。製品の側面からは、IBM Rational Rose XDE Developerにおけるモデル開発では、詳細レベルのモデリングをパターンを構築しベース開発が行える点、ベストプラクティスを盛り込んでコードを書き上げていく手法ツールとの紹介、Rose XDE Developer Plusにおいてはビジュアルトレースなどが順序立てて行えるなど、講演の軸となったオンデマンド開発に則したラショナルツールがプレゼンされた形だ。
また、開発と運用が分かれているケースが多いのは、オンデマンド開発における見落としがちで注意すべき点だという。運用時のモニタリングはIBMファミリーであればTivoliによって実現でき、そのフィードバックを開発へ反映すればよいと言及した。
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