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» 2006年05月19日 21時37分 公開

「ディーリングルームでもIP化は進んでいる」とIPC

IPCによると、一般企業だけでなく、ミッションクリティカルな金融ディーラー業務の端末においてもVoIP化は進展しているという。

[高橋睦美,ITmedia]

 「ビジネス継続性を考えればこそ、IP化が必要だ」――金融/証券業界向けにトレーダー専用端末を提供しているアイピーシー・インフォメーション・システムズ・ジャパン(IPCジャパン)の代表取締役、スティーブン・フィリップス氏はこのように述べる。

 IPCジャパンでは、金融サービス業界を対象に、トレーダーのディーラー業務に特化したデスクトップ環境を提供し、国内でもKDDIと結んで事業を展開。東京三菱UFJグループや住友信託銀行など、複数の大手金融機関で導入実績があるという。また5月9日には、ユーザーインタフェースやデザインを一新した新製品「MAX」を発表した。

 フィリップス氏によると、長年、TDMと独自のシステムで構築されてきたディーリングルームにおいても、一般のエンタープライズ同様、VoIP技術の導入が進みつつあるという。より高い信頼性や品質が求められる分野だが「IP化は間違いなく進んでいる。過去2年間の日本での導入例を見るとほとんどがIPベースのシステムだ」(同氏)

フィリップス氏 「IP化は明らかに進展している」と述べるIPC日本法人の代表取締役、スティーブン・フィリップス氏

 理由の1つは、音声品質の面で基準をクリアできていること。また、SIPサーバを介してサードパーティ製の機器やデータベースシステムと連携したり、新たな付加価値を加えるアプリケーションを追加できる点もメリットという。

 さらに、事業継続性の確保という観点からもIPが改めて注目されているという。「TDMをベースとしたシステムはとても複雑でメンテナンス性が悪く、しかも高価だ。これに対しIPベースのシステムでは、障害が発生してもすぐに別のサイトに切り替え、取引を継続できる」(フィリップス氏)

 金融/証券業界では、一般企業に先駆けて事業継続計画(BCP)の策定が求められてきた。「ただ事業継続計画を定めるだけでなく、それが有効なものであることを実証しなければいけない」とフィリップス氏。しかもこうした要求は世界的な傾向になっており、欧米のみならず日本でも、遠からずこうした対策が必須の要件となるだろうと指摘した。

 ITシステムの障害によって、企業ビジネスそのものに深刻な影響が及ぶケースが何度か報じられているが、フィリップス氏は「テクノロジを使っている以上、誤りは発生するもの。それゆえに、ハードウェアを冗長化するだけでなく、事業継続計画という形で不測の事態に備えておくことが重要だ。すべてを完璧にカバーすることはできなくとも、少なくとも影響を緩和することができる」と述べ、その意味から、トレーダー用システムのIP化はますます進展するだろうとした。

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