「ITインフラの主治医に」、ラリタンが運用管理アプライアンスを投入

KVMスイッチで知られる日本ラリタン・コンピュータが、ITインフラの運用管理を行うアプライアンス製品「CommandCenter NOC 日本語版」の販売を開始した。

» 2006年09月12日 23時04分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 日本ラリタン・コンピュータは9月12日、ITインフラの監視、管理を行うアプライアンス製品「CommandCenter NOC 日本語版」の販売を開始した。KVMスイッチで知られる同社だが、システム/ネットワークモニタリングの分野にも手を広げることになる。

 CommandCenter NOCは、社内のIT資産情報の収集にはじまり、ネットワーク管理やトラフィック分析、サーバの死活監視といった運用管理機能を提供するアプライアンス製品だ。脆弱性のスキャンや侵入検知といったセキュリティ機能も提供する。

CommandCenter NOCの本体(真ん中の筐体)

 SNMPに基づく一般的な管理機能に加え、WMI(Windows Management Instrument)をサポートしており、特にWindowsシステムではより深いレベルで監視、コントロールが可能だ。具体的には、アプリケーションやサービスの稼働状況を把握できるほか、各サービスのオン/オフといった操作をWebベースのインタフェースから実行できる。なお、監視対象に専用エージェントなどをインストールする必要はない。

 監視項目があらかじめ定めておいたしきい値を超える場合には、電子メールなどで管理者に警告する。こうして常に状況を把握することで、「障害が起こる前にプロアクティブに機器の増設や交換といった対処をスムーズに行うことができる」(日本ラリタンの戦略マーケティング部長、栗田正人氏)

 「ITインフラの主治医になりたい」(ラリタンの代表取締役、井上賢二氏)

日本ラリタンコンピュータ代表取締役、井上賢二氏は、簡単に導入して使える点が新製品のメリットだと述べた

 同社自身、数年前に社内のExchange Serverにトラブルが発生し、出張中の社長自ら管理者に電話して対処を求めた経験があるという。CommandCenter NOCで日常的に「ITインフラの健康診断」を実施することにより、ユーザーが障害に気付く前に予兆を把握し、必要な手だてを打つことができるとした。

 同様の機能はほかのシステム/ネットワーク管理製品でも提供されているが、「こうしたツールの多くは、1つの分野に深く特化している。横への広がりを持たせるにはモジュールを追加する必要があり、手間が掛かるうえ、習得も大変だ。これに対しCommandCenter NOCでは『広く浅く』管理を行うことができる。IT担当者がいない、あるいは少ない企業でも導入の敷居が低い」(栗田氏)。1台のアプライアンスに必要な機能を集約しているため、容易に導入できる点がメリットという。

 さらにKVMスイッチを組み合わせれば、把握した障害予兆に基づき、リモートから操作を行うことが可能だ。「CommandCenter NOCを導入することで、いままでリモートKVMスイッチのニーズがなかった企業にもその必要性を感じてもらえる」(同氏)という。

 ラリタンでは、「インフラ管理の必要性を感じながらもどうしたらいいか分からない」と感じていた中堅、中小企業向けにCommandCenter NOCを販売していく。監視対象に応じて3モデルが用意されており、価格は、Windowsクライアント100台、Windowsサーバ10台およびネットワーク機器10台までの監視が可能なエントリモデル「CommandCenter NOC 100」が約120万円から。

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