Officeとの連携が最大の強みとなるか、SharePoint Server 2007(1/2 ページ)

ドキュメント管理ソリューションのSharePoint Server 2007は、同時リリースされた2007 Office Systemとの連携によってその威力を十分に発揮できる。だが、導入には幾つか注意すべき点もある。

» 2007年03月23日 16時56分 公開
[Chris Alliegro,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

Office 2007との強力な連携

 SharePoint Server 2007は、2006年11月にOffice 2007と同時に正式リリースされた。SharePoint Server 2007を利用するに際に、Webブラウザは多くのドキュメント管理作業に十分対応できる(例えば、ユーザーはドキュメントのチェックインとチェックアウトや、メタデータの入力などをブラウザで行える)が、ドキュメントの作成や編集には、やはりOffice 2007のようなクライアントアプリケーションを利用する必要がある。当然のことながら、SharePoint Server 2007のドキュメント管理機能が最も威力を発揮するのは、Microsoftのデスクトップアプリケーションスイートの最新バージョンであるOffice 2007と組み合わせて利用した場合だ。

メタデータとワークフローをサポートするInfoPath

 ドキュメントの整理や分類、検索にドキュメント管理ソリューションを利用する効果は、対象ドキュメントを記述するメタデータの品質に左右される。このため、ユーザーが不正確なメタデータを入力したり、メタデータを何も入力しないと、大きな悪影響がある。

 Office 2007とSharePoint製品では、いくつかの方法でこの問題の解決が図られている。例えば、Excel、PowerPoint、Word 2007はユーザーに、ドキュメントをドキュメントライブラリに保存する前に、ドキュメントのコンテンツタイプを入力するよう促す。さらに管理者は、ドキュメント情報パネルというInfoPathフォームが、Excel、PowerPoint、Word 2007ドキュメントの最上部に表示されるように、コンテンツタイプを構成できる。このパネルは、ユーザーがドキュメントのコンテンツタイプで指定されているメタデータの値を入力する場所だが、このことは一目で分かるようになっている。

 InfoPathベースのもう1つのメカニズムにより、ユーザーはExcel、PowerPoint、Word 2007から、ドキュメントのワークフローを開始できる。Office 2007アプリケーションはアクションバーを使って、ワークフローのステップを実行するために必要な情報を収集する。例えば、ビジネス提案の承認ワークフローでは、起案者は一般に、提案のレビューを行うべき社員のリストや、レビュー回答の期限などを指定するが、これらの情報が収集される。

 開発者はカスタムのドキュメント情報パネルやアクションバーのワークフローフォームを、SharePoint Server 2007から直接作成できる。SharePoint Server 2007はInfoPath 2007(開発者はライセンスを取得している必要がある)を呼び出して新しいフォームの作成を行う。従来、ドキュメント情報パネルはASP.NETを使わなければ作成できなかった。

オフラインワーカーのサポート

 Outlook 2007ユーザーは、SharePointドキュメントライブラリの複製をOutlookフォルダに自動的に保持し、本体と同期できる。SharePointドキュメントライブラリは、ユーザーのハードドライブの個人用フォルダファイル(.pst)へローカルに保存されるため、ユーザーはオフラインでも、ドキュメントライブラリ内のドキュメントを操作できる(この仕組みは、OutlookのExchangeデータ用オフラインストアとは別物)。SharePointドキュメントライブラリは、Outlook 2007の新しいSharePointリストフォルダに表示される。

 また、Word、Excel、PowerPoint 2007は、ユーザーがSharePointサイトからドキュメントをチェックアウトすると、そのローカルコピーを自動的に作成する。これらのコピーは、SharePointと自動的には同期されないが、ユーザーはオフライン時にそれらを操作できる。SharePointの従来バージョンでは、チェックアウトされたドキュメントはサーバ上に置かれたままだった。ユーザーは、オフライン時にそれらを操作したい場合には、手動でノートPCにコピーしなければならなかった。

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