NECはメインフレームマイグレーションを視野に入れたハイエンドサーバを発表した。本製品はサーバ分野におけるユニシスとの協業の成果となる。
NECは9月16日、同日リリースされた最新のインテルXeonプロセッサ7400番台(開発コード:Dunnington)を搭載した「Express5800/スケーラブルHAサーバ」を製品化し、販売を開始した。製品のポジショニングとしては、スケールアップ型のデータセンター向けハイエンドサーバとなる。従来のメインフレーム、UNIXサーバのマイグレーションも視野に入れる。
当初のラインアップは2種類。4Uのボックスに4プロセッサ/24コアを搭載したエントリーモデル「Express5800/A1040」および最大16プロセッサ/96コアまで拡張可能なスケーラブルモデル「Express5800/A1160」を提供する。どちらもメインフレームに匹敵する堅牢性と大規模サーバ統合に必要な拡張性を両立するという。
本製品は、2005年10月に発表されたユニシスとのハードウェア領域における協業に基づき開発された。生産はすべてNECが行い、NECおよびユニシスは各製品ブランドで販売する。NECの有する同一生産ラインで両社ブランドを製造することで生産効率化を図る。
NECによると、特徴としては世界最高クラスの性能と拡張性が挙げられるという。最新のXeonプロセッサを搭載し、ボックス間の高速インターコネクト「HSI(High Speed Interconnect)」することで、4Uのボックスをシームレスに拡張し、最大16プロセッサ/96コアまで拡張可能。また1ボックス当たり32のメモリスロットと6個のホットプラグ可能なPCI-Express(x8)スロットを装備。最大1TBのメモリ容量と最大24個の外部インタフェース接続を可能にしたとしている。
信頼性については、主要ハードウェアコンポーネントの2重化、冗長化および各種耐障害機能、リモートモニタリング機能を提供することで「あえて言えば、メインフレームと同等」(NEC 伊藤行雄 執行役員常務)の可用性、運用性を実現した。メンテナンスについては、ラックからボックスを引き出すことなくFRU(メモリ、HDD、ファン、PCIカードといったフィールド交換ユニット)を交換可能だ。
Windows Server 2008およびWindows Server 2003をサポートし、SAPなどWindowsベースの大規模ERPシステムおよびOracleやSQL Serverといった大規模データベースに適した基盤を提供するという。
仮想化プラットフォームとしてはVMware ESX 3.5、Hyper-V、Citrix XenServerに対応。ボックス単位のパーティーション分割機能により、仮想化基盤の分割利用が可能だ(マイグレーションやプロビジョニングはNECの管理ソフトウェア「SigmaSystemCenter」で行う)。
また今回、A1040/A1160に対応したサービスとして「Linuxサービスセット MC」を新規に製品化した。NECが開発した基盤ミドルウエア群とRed Hat Enterprise Linuxを含み、Linux環境における可用性、運用性を向上する。障害原因究明の格段の向上と障害解決策の迅速な提示を実現し、これまでテレコム、金融、官公庁などにおいてメインフレームやUNIXサーバで構築されていたミッションクリティカルシステムを、Linuxプラットフォームで代替する環境を提供するという。
価格および出荷時期は次のとおり。
製品名 | 希望小売価格(税別) | 出荷開始時期 | 備考 |
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Express5800/A1160 | 427万6000円〜 | 2008年11月28日 | Xeonプロセッサ X7460(2.66GHz)またはXeonプロセッサ E7440(2.40GHz)×16(最大)、メモリスロット×128(最大)、拡張スロット×24(最大)、HDDスロット×24(最大) |
Express5800/A1040 | 407万6000円〜 | 2008年11月28日 | Xeonプロセッサ X7460(2.66 GHz)またはXeonプロセッサ E7440(2.40 GHz)×4(最大)、メモリスロット×32、拡張スロット×6、HDDスロット×6 |
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