データセンターの仮想化で注意すべきこと(1/3 ページ)

データセンターシステムの改善に万能薬は存在しない。エンタープライズシステムの刷新に仮想化が不可欠の技術になってきたが、警戒しなければならないこともある。仮想化の導入を計画している企業が注意すべき現実的な問題をリストアップした。

» 2008年10月07日 08時45分 公開
[Chris Preimesberger,eWEEK]
eWEEK

 デスクトップPC、サーバ、ストレージアレイ、あるいはデータセンター全体を仮想化することにより、効率の改善と消費電力の節減を図るというのは、非常に合理的なことである。

 今日、仮想化の検証や品質保証プロジェクトを終えた企業が相次いで、仮想化技術を実運用環境に配備している。これらの企業は、市場をリードするVMwareやCitrixのXenSource、MicrosoftのHyper-V、あるいは比較的無名の仮想化技術を採用している。

 データセンターにおけるサーバの仮想化のメリットは非常に魅力的だ。データセンターや遠隔地に散在して効率的に利用されていないWindows、Linux、Solarisなどのシステムを統合することが可能になり、そうすることにより、貴重なフロアスペースと消費電力を節約することができるのだ。長い目で見れば、こういった効率化は、企業の収支改善につながる大きな経費節減効果をもたらす。

 次世代ITインフラ管理企業であるOpengearのボブ・ウォルディーCEOは「仮想化に対しては、セキュリティをめぐる懸念を指摘する声もあるが、実際には仮想化の基盤となるハイパーバイザー技術は成熟しており、堅牢かつ効率的だ」と話す。

 Opengearの「Management Gateway」は、セキュアなリモートアクセスおよび分散ネットワークに存在するすべてのコンピュータおよび通信装置のコントロールを可能にする。

 ウォルディー氏によると、現在、仮想サーバは、ネットワーク、パフォーマンス、セキュリティに対する厳しい要求に対応するように設計された信頼性の高いハードウェアプラットフォーム上で運用されるのが一般的だという。データセンターでのサーバ仮想化が進んでいる背景には、ハードウェアとソフトウェアの成熟がある。「しかし仮想化レイヤは複雑さを増大させ、統合は高密度化をもたらす」とウォルディー氏は指摘する。

 「この2つの不可避な属性は、大きな潜在コストおよび実質的なマイナス面とリスクを伴う。つまり、仮想化の魅力的な価値命題がすべての状況に当てはまるわけではないのだ。小規模なデータセンターやコンピュータルームの場合は、まったく当てはまらないことが多い」と同氏は語る。

 こういったことを念頭に置き、ウォルディー氏は、データセンターシステムの全体あるいは一部を仮想化する前にITマネジャーやCTO(最高技術責任者)が注意しなければならな主なポイントをまとめた。

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