5月14日に開催された「いよいよ登場! Windows Server 2008 Foundation活用セミナー」では、マイクロソフトが2009年4月に発表した15ユーザー以下向けのサーバOS「Windows Server 2008 Foundation」および、同OSを搭載したデルのPowerEdgeサーバが紹介されるとともに、中小向け会計パッケージの雄、弥生シリーズのサポートが表明された。
2008年4月、マイクロソフトは「Windows Server 2008 Foundation(以下、Foundation)」を発売し、サーバベンダー向けにOEM提供を開始した。セミナー最初のセッションでは、マイクロソフト Windows Server製品部の岡本剛和氏が、Foundationの概要を紹介した。
Foundationは、「15ユーザー以下の小規模ネットワーク環境」に特化したWindows Server 2008の新しいエディション。従来、ITに関する専門知識があまりなく、コストの面からもWindows Serverの導入にためらいを感じていた中小企業に最適であり、Windows Server 2008 Standardをベースとした汎用サーバ製品である。
Standardとの大きな違いは、冒頭から述べているように最大15ユーザーの利用に限定されている点。ただし、Foundationには、他のエディションでは必要なCAL(クライアント アクセス ライセンス)を別途購入する必要はなく、アクセスするためのライセンスは製品価格の中に含まれている。
機能の違いとしては、物理プロセッサが1ソケットのみ(Standardは4ソケットまで)、メモリが最大8ギガバイトまで(Standardは最大32ギガバイトまで)、64ビットのみの対応、Hyper-Vを搭載しないといった、いくつかの項目が挙げられる。だが、いずれも15ユーザー以下という小規模ネットワーク環境では、それほど影響のないものばかりといえる。しかも、サーバの役割や対応ソフトウェアについては、Windows Server 2008とほぼ同等だ。
マイクロソフトではFoundationを、従業員15名以下の事業所において、ファイル共有や紙文書の管理、パッケージソフトと組み合わせた業務などに活用するためのサーバOSと位置付けているが、サーバをわざわざ設置することに抵抗のある少人数のオフィスもある。そうしたオフィスに対し、岡本氏はサーバをクライアントと兼用する使い方を提案する。
「Foundationでは、デスクトップエクスペリエンス機能を有効にすることで、Windows Vistaと同等のユーザーインタフェイスに変更し、クライアント兼用機として利用することも可能です。デスクトップPCの導入を検討しているのであれば、堅牢なサーバのハードウェアが使えるというメリットがあるFoundationを活用してみてはいかがでしょうか」(岡本氏)
続いて登壇したのはマイクロソフトWindows Server製品部の石坂誠 氏。「中小企業に今すぐ役立つ はじめてのサーバ導入メリット」というタイトルで、導入後すぐに役立つであろうFoundationのメリットとデモが紹介された。
中小企業では、各自がデスクトップPCで情報を管理していたり、安価な外付けハードディスクを使って情報を共有したりするケースが少なくない。しかし、そうした情報の扱い方は要注意だと石坂氏は話す。
「デスクトップPCや外付けハードディスクは、いつか突然故障するものです。ハードウェアの故障によってデータが消失すれば、復旧のために多大なコストと復旧時間がかかります。また、各自が情報を管理しているケースでは、データを探し出す作業の効率が悪く、ビジネス機会を損なうおそれがあります。外付けハードディスクでデータを共有している場合、情報の機密性に課題もあります」(石坂氏)
これらの課題を解決するのが、Windows Serverだ。石坂氏は、デスクトップPCや外付けハードディスクに比べ、Windows Serverには壊れにくいという信頼性や、データ管理、高速全文検索という機能を含め、数々の優位性があると説明する。
「デスクトップPCはそもそも24時間365日稼働するように設計されていません。しかし、サーバは24時間365日安定稼働することを前提としており、非常に頑丈です。また、許可したユーザーのみがデータを閲覧できるように設定できるほか、データの検索機能も充実しています」(石坂氏)
石坂氏はさらに、ディスク使用量の制限と利用状況の把握ができる「クォータ機能」、うっかり削除してしまったデータを元に戻せる「シャドウコピーリストア機能」、目的のデータをキーワードによって瞬時に検索する「Windows Search 4.0」という、Windows Serverに標準で用意されている3つの便利な使い方のヒントを、デモを交え紹介した。
「Windows Serverは、データ管理を簡単にする機能を標準装備しています。Foundationならば、こうした機能を格安で利用することが可能です」(石坂氏)
Foundationの紹介に続き、Foundationをプリインストールして出荷するサーバ「PowerEdge T100/T105」の紹介を行ったのは、デル SMBマーケティング本部の箕輪 誠氏である。
PowerEdge T100/T105は、プロセッサが1ソケット、メモリは最大8ギガバイトというタワー型サーバ製品であり、PowerEdgeのエントリーモデルに位置付けられる。「安価」「安心のサポート体制」「安定稼働」がT100/T105の特徴だと箕輪氏は話す。
驚くべきは、その価格設定である。デルは、Foundationの発売を記念してインターネット限定の特別パッケージを用意。プロセッサにPentium E2180(デュアルコア)を採用し、1ギガバイトメモリ、160ギガバイトハードディスクを内蔵したFoundationのプリインストールモデルが、5万4800円だという。これは、Pentium E5200(デュアルコア)、1ギガバイトメモリ、80ギガバイトハードディスクを搭載し、Windows Vista BusinessをプリインストールしたデスクトップPC「OptiPlex 760」の6万6980円よりも安い。
「安いだけではありません。PowerEdge T100/T105は、24時間365日稼働することを前提に設計されており、価格には1年間のオンサイト保守サービスも含まれています。サーバは道具を使わずにメンテナンスできる構造になっているほか、前方から後方へ空気を送る大型冷却ファンによる静音性にも配慮しています」と箕輪氏は話す。
ちなみに、FoundationをプリインストールするPowerEdge T100/T105は、デルが2009年4月より発売を開始した11世代のPowerEdgeではなく一つ前の10世代の製品にあたる。箕輪氏によると、11世代のタワー型エントリーサーバでも引き続きFoundationプリインストールモデルを提供していくとのことだ。
セミナーの最後には、弥生 マーケティング部の立堀 隆氏が登壇。同社が販売する業務アプリケーションパッケージ「弥生ネットワークシリーズ」をFoundationに対応させることを表明した。
弥生ネットワークシリーズは、使い勝手の容易さに定評のある弥生シリーズを複数のユーザーで利用するためのパッケージ。複数のクライアントから会計データを同時入力、並行処理できる「弥生会計ネットワーク」、複数の拠点で販売・仕入・在庫データを一元管理できる「弥生販売ネットワーク」の2つの製品がある。弥生では、2009年6月から両製品をFoundationにおいて動作保証するという。なお、Foundationへの対応に伴う機能の変更はない。
「弥生では、6月15日から9月末日まで、弥生会計 09 ネットワーク with SQLの3・5ライセンス、弥生販売 09 ネットワーク with SQLの5・8ライセンスの価格を半額で提供するキャンペーンを実施します。この機会に、Foundationをプリインストールした安価なデルのサーバとともに、弥生ネットワークシリーズの導入をぜひ検討してください」(立堀氏)
なおデルでも、FoundationをプリインストールしたPowerEdge T100/T105に弥生ネットワークシリーズをバンドル販売する計画があるという。
キャンペーン対象製品とキャンペーン価格(税込み) | |
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弥生会計 09 ネットワーク 3ライセンス with SQL | ¥325,500 |
弥生会計 09 ネットワーク 5ライセンス with SQL | ¥451,500 |
弥生販売 09 ネットワーク 5ライセンス with SQL | ¥498,750 |
弥生販売 09 ネットワーク 8ライセンス with SQL | ¥630,000 |
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2009年6月21日