デルが解明、Hyper-Vで基幹システムを運用する可能性とはExchange on Hyper-V

マイクロソフトの仮想化プラットフォーム「Hyper-V」のリリースから1年近くが経過し、本格導入を検討する企業が増えている。しかし、基幹システムでの運用では特にパフォーマンスの点で導入に慎重な企業も多い。デルは今回、Hyper-V上でExchangeを運用した場合のパフォーマンス検証を実施し、その詳細をセミナーで公開するという。

» 2009年06月08日 11時00分 公開
[PR/ITmedia]
PR

 企業の情報システムにとって、2008年は仮想化技術の導入がクローズアップされる一年となった。特にマイクロソフトがリリースしたWindows Server 2008の仮想化プラットフォームである「Hyper-V」は、Windows環境における仮想環境の構築を容易にできるばかりではなく、コストメリットにおいても有望なソリューションとして注目されている。

 Hyper-Vの正式リリースから1年近くが経過し、この間にはWindows Server 2008のパートナーベンダーからHyper-Vに関するさまざまなベストプラクティスが提供されてきた。その1社であるデルは、特に高可用性が求められるミッションクリティカルな環境でのHyper-V導入に関する技術検証やベストプラクティスの開発を数多く実施している。今回、同社ではExchange Server 2007 Service Pack 1(SP1)をHyper-V上に実装し、クラスタ構成におけるパフォーマンスなどについて検証を行った。

仮想化されたメールシステムの性能

 企業のメールシステムは、24時間無停止の運用が前提となる代表的な基幹システムだ。仮想化によるシステム統合の最大のメリットは、物理マシンの削減によるコストカットではあるが、そうしたメリットを得ようにもHyper-Vのように歴史の浅いソリューションを基幹システムへ全面的に導入するには、運用性やパフォーマンスなどの面において不安を感じるという企業も少なくない。

Exchange on Hyper-V with Dell iSCSI Storageの構成 Exchange on Hyper-V with Dell iSCSI Storageの構成

 デルではこうした企業の懸念に応える目的で、500/750/1000/2000人のユーザ環境における、Hyper-V上に構築したExchange Server 2007 SP1の導入効果やパフォーマンスを調べた。500/750ユーザ環境では、物理環境から「Hyper-V + Exchange Server 2007」へ移行した場合の効果について、1000/2000ユーザ環境では高負荷トラフィックに対するパフォーマンスへの影響を検証している。

 Exchange Server 2007では、物理サーバだけで完全な冗長化を確保したシステムを構築しようとすると多数のサーバを用意する必要がある。しかし、Hyper-V上で構築する場合、物理サーバの台数を削減することが可能で、この場合でもユニファイドメッセージング機能を除いたほぼすべての機能を利用できる。

 Hyper-Vで構築する場合での効果として特に大きなものは、サーバ台数とライセンス数の削減が挙げられる。サーバ台数は物理マシンだけで構成する場合に比べて半分以下に抑えられる。ライセンスは、物理サーバのホスト OS に Enterprise Edition を用意すれば、仮想環境で使用するゲスト OS を最大 4 つまで無償で使用することができる。

 今回のデルの検証ではそれぞれ以下の通りに削減できることが確認された。同時に、物理マシンが少なくなることで設置スペースや消費電力も削減できることが確認された。

 さらに、パフォーマンス面では、物理マシンだけの構成と、Hyper-Vを用いて仮想化した構成では大きな差異がないことが判明した。数値の違いは許容範囲であり、Microsoft が提唱する閾値からも Hyper-Vの構成によるパフォーマンス劣化を懸念する必要はないという。

 1000/2000ユーザ環境におけるパフォーマンス検証では、マイクロソフトの Exchange Load Generatorを使用して高負荷プロファイル (Outlook 2003 / 2007 オンライン モード 、 ヘビーユーザ想定) によるトランザクションを発生させ、推奨しきい値に対する実測値を調べた。主な結果は以下の表の通りであり、Exchange Server 2007とHyper-V の組み合わせが、十分に本番環境として使用できるパフォーマンスであるといえよう。

1000/2000ユーザ環境でのパフォーマンス検証結果 1000/2000ユーザ環境でのパフォーマンス検証結果

 検証作業を担当したソリューション・サービス・デリバリー本部インフラストラクチャ・コンサルティング・サービス コンサルティング第2部テクニカルコンサルタントの鷲尾圭一氏、樫出悠氏、木村亮介氏(いずれもマイクロソフト認定コンサルタント)は、「2000ユーザまでの環境では、本格運用に求められるパフォーマンスを十分に確保できることを確認した」とコメントしている。

仮想化を活用するノウハウを公開

 今回の検証から、特に中規模企業では仮想化技術を利用した基幹システムの運用に大きな支障がないことが明らかになった。だが、仮想化環境は単に物理環境と同じように構築すればいいというものではなく、適切なパフォーマンスや運用性を得るためには、やはり仮想化環境に即したノウハウが求められる。

検証を担当した鷲尾氏、樫出氏、木村氏(右から)。デルはHyper-Vの導入効果を引き出すノウハウに長けたコンサルタント陣を抱えている 検証を担当した鷲尾氏、樫出氏、木村氏(右から)。デルはHyper-Vの導入効果を引き出すノウハウに長けたコンサルタント陣を抱えている

 例えば仮想化環境で最適なパフォーマンスを得るためには、ハードウェア構成を含めたゲストマシンの構成やチューニングを実施する必要がある。他にも、Hyper-VでExchange Server 2007を運用する場合、最適なパフォーマンスを得るために iSCSIストレージの利用が注目されるが、構築に際してはEqualLogic 製品を展開するデルのようなiSCSIのノウハウに明るいベンダーの支援が不可欠といえるだろう。

 デルでは、今回の検証に関する詳細な結果や、Hyper-V導入のノウハウを解説するテクニカルセミナーを7月10日に開催する予定だ。同セミナーでは、Hyper-Vの導入を具体的に検討しているユーザに向けて必要な情報を提供していくという。

 また、このセミナーに参加した企業のうち、Exchange Serverの仮想化環境へ移行を検討している企業に対しては、通常価格130万円のアセスメント サービスを10社まで無償とする特典も提供するという。

 仮想化プラットフォーム技術が本格的な普及段階へと入りつつある今、特にHyper-Vによって基幹システムを仮想化したいという企業は、ぜひセミナーで詳細な情報を入手してはいかがだろうか。

 Hyper-V 仮想化ソリューション実践セミナー 開催概要
 日時    2009年7月10日(金) 14時〜(受付は13時30分〜) 
 会場    東京コンファレンスセンター 品川
 参加費    無料/事前登録制
 定員    60名
 対象    Hyper-Vの導入を具体的に検討している
 ユーザ企業の方
 お申し込み    次のページから登録できます
 (プログラム一覧もこちらでご覧いただけます)

>> Hyper-V 仮想化ソリューション実践セミナー 特設ページ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:デル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2009年6月28日