デルが提供するユニークなプラットフォームで仮想化環境を強化するサーバ統合の次を見据えた画期的な新機能

仮想化を用いたサーバ統合やクラウド化が進む中、事業の継続性を実現するディザスタリカバリやマルチデバイス対応のための仮想デスクトップ基盤など、仮想化のさらなる活用に注目が集まっている。デルは、業界標準技術をベースにしたユニークなプラットフォームによって、効率的な仮想化環境の構築に取り組んでいる。

» 2012年02月06日 10時00分 公開
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デルが注目するDRとVDI市場

 今、多くの企業が事業継続性の向上を目指す取り組みとして、システム基盤の統合・集約と業務のクラウドサービス化、そして、災害発生時の迅速なシステム復旧を実現するディザスタリカバリ環境の整備を進めている。これらの取り組みではサーバを統合して業務システムを仮想環境にマイグレーションし、サービスとして提供するプライベートクラウドに移行する企業も増えつつある。

 サーバ統合に続いて注目されているのが、クライアントの統合――すなわちVDI(Virtual Desktop Infrastructure=仮想デスクトップ基盤)である。クライアントをサーバに集約しようという試みは、UNIXのXターミナルやWindows ServerのTerminal Serviceなど、20年近く前から始まっていた。「シンクライアント」という言葉が登場したのも15年以上前の話である。この間、仮想化技術の発展やネットワークの広帯域化が進み、さらにはスマートフォンやタブレットPCなどの登場によって、本格的な普及を迎えつつある。2011年3月の東日本震災の影響による事業継続性向上に関する意識の高まりとともに、業務生産性の効率化、セキュリティ対策の強化、クライアント管理性の最適化を実現する手段としても、VDIに対するユーザーの期待は非常に大きい。

 このように仮想化の応用分野が注目されるのに伴い、サーバプラットフォームにはますます「高密度化(集約率の向上)」と「効率的なパフォーマンス向上」が求められている。プラットフォーム選択要件も第2フェーズに入ってきたといえる。

 こうした課題の解決に取り組み、仮想化応用の時代にふさわしい、ユニークな製品を開発したのがデルである。同社のPowerEdgeサーバには、さらに効率的な仮想化環境を構築するための数多くの機能が盛り込まれている。

業界標準技術に基づいたユニークなソリューション

 まずデルが、本格的な仮想化に必要な大容量メモリをサポートするために開発した新機能が「FlexMem Bridge(特許申請中)」である。これは、4ソケットマザーボードで2Uラックマウントサイズという業界でもかなりユニークな高密度サーバ「PowerEdge R810」、および4ソケットのブレードサーバ「PowerEdge M910」に搭載された技術であり、4ソケットのうち2ソケット構成で運用しても、メモリスロットを全て利用した最大メモリ容量にまで拡張できるというものだ。

Dell PowerEdge R810(左)とPowerEdge M910

 「インテルのプロセッサは、プロセッサの中にメモリコントローラが内蔵されています。通常はプロセッサを搭載したソケットにつながるメモリスロットだけにアクセスしますが、プロセッサが搭載されていないソケットにつながるメモリスロットは使用できません。そこでデルは、FlexMem Bridgeというブリッジングデバイスを開発しました。このデバイスは、プロセッサが搭載されていないソケットに装着し、全てのメモリスロットを利用できるようにしたものです」(デル 公共・法人マーケティング本部 サーバブランドマネージャー 布谷恒和氏)

 仮想化を本格的に使用すればするほど、プロセッサ性能の頭打ちよりもメモリ容量の不足が先にくる。メモリスロットが32基も用意されているのに、プロセッサを搭載しなければ使えないのではもったいない。そうした発想から生まれたのがFlexMem Bridgeであり、2ソケット構成であってもメモリを最大1テラバイトまで拡張できる。しかも驚くことに、FlexMem Bridgeは無料なのだ。

2ソケットCPUでも最大1テラバイトまでのメモリの拡張性を実現したFlexMem Bridge

 「お客様がFlexMem Bridgeの利用意識する必要は全くありません。R810またはM910を2ソケット構成で注文すれば、当社では無償で残りのソケットにFlexMem Bridgeのモジュールを装着して出荷します。DIMMスロットに搭載されたメモリは全て自動的にアクセスできるようになります。他社では専用に独自開発したチップセットを搭載し、メモリだけを搭載したモジュールを追加する仕組みを有償で提供していますが、それでは拡張するためのスペースと投資が必要です。その点でデルは、インテルの純正チップセットをそのまま利用し、かつ、追加のスペースや投資が必要ありません」(布谷氏)

SPOFとボトルネックも解消

 仮想化向けサーバプラットフォームの強化ポイントとしてもう一つ挙げられるのが、組み込みハイパーバイザの冗長化機能だ。

 R810とM910には組み込み型ハイパーバイザである「VMware ESXi」を搭載するためのSDカードスロットがある。このSDカードにインストールされたハイパーバイザからそれぞれの仮想デスクトップ環境を起動して利用することになるが、SDカードスロットが1基しかなければ、SPOF(Single Point of Failure=単一障害点)になってしまう危険性がある。そこでR810、M910には、SDカードスロットが2基用意されている。2枚のSDカードは設定情報などが自動でコピーされるため、万が一プライマリのSDカードに障害が発生しても、セカンダリのSDカードへフェールオーバーしてESXiを即時に起動させることができる。

 ネットワーク側でも仮想化に適した機能が用意されている。M910のオプションのメザニンカードとして提供されているQlogic製デュアルポート10ギガビットCNAでは、1ポート当たり最大4ポートに分割できる論理パーティショニング(NPAR)機能を利用できる。OSからは複数NICが存在するように認識され、それぞれの帯域をユーザーが自由に設定することが可能だ。

NPAR機能の活用で柔軟なネットワーク構成を組めるようになる

 「仮想化プラットフォーム全般に言えることですが、仮想マシンを動作させるにはNICのポートが多数必要になります。NICのポートが少ない場合は、I/Oのボトルネックになって、パフォーマンスが劣化してしまう。以前から他社が実現していたNICの論理パーティショニング機能は、スイッチ依存で設定や運用が複雑かつ高価なものでしたが、デルのサーバはスイッチに依存せず、ネットワークカード側の簡単な設定だけで実現できるところがポイントです。しかも、各ポートの帯域は、ユーザー自身がサーバを再起動することなく、ダイナミックに割り当てることができるのです」(布谷氏)

インテル® Xeon® プロセッサー E7 ファミリーで最適なプラットフォームに

 さらに、管理ツールにも工夫が施されている。VMware ESXiなどのハイパーバイザを管理する際、運用管理担当者は「vSphere Client」というクライアントツールを用いてアクセスする。デルは、このツールからPowerEdgeサーバを直接監視し、ハードウェアのモニタリングとレポーティング、ファームウェアのアップデート管理、デプロイメントとプロビジョニングの自動化を実現する「Dell Management Plug-in for VMware vCenter」を提供しているのだ。

Dell Management Plug-in for VMware vCenterを利用すれば、vSphere Clientから直接管理できるようになる(クリックで拡大。「Dell Server Management」というタブが追加されているのが分かる)

 「他社は、自社の運用管理ツールに仮想マシンを管理できるモジュールを組み込み、独自の管理コンソールで仮想マシンをまとめて管理するというアプローチを採用しています。一方、デルは全く逆のアプローチです。ハイパーバイザを管理するのはvCenterが最適だと考えており、vCenterに対してプラグインを提供しようという発想ですね。デルのiSCSIストレージであるEqualLogicでも同様のプラグインを提供しています」(布谷氏)

 こうした仮想化環境に最適なサーバを支えるプロセッサとして、デルが提案しているのがインテル Xeon® プロセッサだ。

 「VDIのような多くのユーザーが利用するプラットフォームでは、今まで以上にRAS(信頼性、可用性、保守性)機能とセキュリティ機能が要求されます。インテル Xeon® プロセッサが機能強化を続けているのは、まさにその部分です」(インテル 営業本部 市場開発マネージャー 矢嶋哲郎氏)

 最新のインテル® Xeon® プロセッサー E7 ファミリーファミリーではプロセッサ当たり最大512Mバイト(32GバイトDIMM×16枚)のメモリ容量と、最大102Gバイト/秒のメモリ帯域幅を実現しており、非常に大量のデータ処理を必要とするワークロードに対して最適なパフォーマンスを提供する。また、エラーの発見と修正、エラーからの復帰、エラーの予防を実現するMCAリカバリ機能や、暗号化の高速処理を可能にしたAES-NIを搭載するなど、インテル® Xeon® プロセッサー E7 ファミリーファミリーは高信頼・高セキュリティが要求される基幹業務系システムに適したプロセッサといえるだろう。

 「今後登場するインテル® Xeon® プロセッサー E7 ファミリーを搭載したPowerEdgeサーバは、VDIなどの仮想化環境にとって最適なプラットフォームになることは間違いありません」(矢嶋氏)

インテル® Xeon® プロセッサー E7 ファミリーに実装されるRAS機能

128Gバイトメモリ構成の場合 R710 vs R810はどちらが得か?

 仮想化やデータベースサーバなど、本格的なメモリインテンシブ系のサーバとして、2CPU、128Gバイトメモリでの構成を組んだ場合に、R710とR810のどちらの方が有利であるかを比較をしてみたい。

項目 R710 R810
ラックサイズ 2U 2U
CPUソケット数 2 4
プロセッサ Intel Xeon 5650(2.66GHz 12MB cache)×2 Intel Xeon E7-4820(2.00GHz 18MB cache)×2
コア数 12(6コア×2) 16(8コア×2)
パフォーマンス(SPEclint) 318(100%) 343(108%)
TDP 95W 108W
メモリ 128GB(16×8GB) 128GB(32×4GB)
価格(相対値) 100 121

 R810は、4ソケットマザーボードでDIMMスロットが32本と潤沢に配置されているため、デルのFlexMemブリッジを活用すれば、2CPU構成でも全てのメモリスロットを使用可能だ。128Mバイトメモリの構成をするとしても、2ソケットマザーボードのR710では高価な8Gバイトメモリで構成する必要がある(8Gバイト×16枚)のに対し、R810は安価な4Gバイトメモリを使用できる(4Gバイト×32枚)。

 TDPが若干上がるが、R810はパフォーマンスが108%と高く、コア数も4つ多く構成できることが分かる。プロセッサの3次キャッシュも増加する。CPUの空きソケットも2つあるため、将来的な拡張性も兼ね備えているのだ。

 また意外に知られていないのが価格差である。R810は4ソケットサーバのため、かなり割高になるのではないかと思われがちだが、実際は21%ほど高いだけとなっている。インテル® Xeon® プロセッサー E7 ファミリーそのものや、R810サーバフォームファクタのプレミアム価格分を、安価なメモリの活用によって吸収しているのだ。128Gバイト以上のメモリ構成となれば、価格差はさらに縮まる。

 そして、スペース面ではデルのユニークな製品デザインが生きてくる。R810は、4ソケットフォームファクタでありながら、「2Uラックマウントサイズ」という非常に高密度な製品となっている。そのため、R710を選んでもR810を選んでも物理的に占有するスペースは同じなのだ。あとは1台のサーバ当たりにどれだけ性能と拡張性を集約するか、コスト性能比をどのように考えるか、という観点でサーバを選択できる。

 このようにデルは、最新のインテル® Xeon® プロセッサー E7 ファミリー搭載で、効率性に優れるデザインを施した4ソケットサーバをラインアップすることにより、仮想化向けプラットフォーム面での充実化を図っている。

 併せてvCenterからのハードウェア管理を実現する「Dell Management Plug-in for VMware vCenter」の提供により、VDIをはじめとする仮想化インフラ全体をさらに効率化していくことが、2012年に向けてデルが描くビジネスマップだ。

PowerEdgeR910はインテル® Xeon® プロセッサー E7 ファミリーを搭載

シリーズ最高のインテル® Xeon® プロセッサー E7 ファミリーは、基幹業務系のニーズを想定して設計されています。


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提供:デル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2012年2月26日

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