BI定着のカギは「高速化」と「使いやすさ」――専門知識不要のビッグデータ活用を実現する情報基盤とは?オールジャパンのBIアプライアンス

DTSでは従来から、企業にBIが定着するには「高速なDB」と「使いやすいインタフェース」が重要だと考えていたという。日立と共同開発した「DaTa SuperExpress」は、日立の高速データアクセス基盤と「uCosminexus(ユーコズミネクサス) Navigation Platform」が支えたDTSの思想を体現する画期的なBIアプライアンスとして仕上がっている。

» 2013年02月05日 18時30分 公開
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純国産のハイパフォーマンスBIアプライアンスが登場

DTS 新市場企画営業部 営業2G アライアンスビジネスチーム マネジャー 横溝雅彦氏

 ビッグデータに対する注目が高まりつつある中、各ITベンダーからはビッグデータ分析用途に向けたさまざまなBIツールやデータベース製品が次々と登場している。特に、大量データを高速に処理するためのデータベース基盤としては、カラムストア型データベースやインメモリデータベース、高速アプライアンスなど、さまざまなタイプの製品が市場を賑わしている。

 こうした製品のほとんどは海外ベンダー製のものか、もしくはHadoopのようにオープンソースをベースにしたものだ。また、データベースの上に載るBIツールに関しても同様で、海外製のものが極めて多い。しかしそんな中、2012年12月に純国産のビッグデータソリューションが新たに登場し、現在高い注目を集めている。BIツール「データスタジオ@WEB」で知られるDTSが、日立と共同で開発したBIアプライアンス製品「DaTa SuperExpress」がそれだ。

 DaTa SuperExpressには、従来のビッグデータソリューションにはない、2つの大きな特長があるという。1つめが、その圧倒的な処理スピードだ。DTS 新市場企画営業部 営業2G アライアンスビジネスチーム マネジャー 横溝雅彦氏によれば、同社が行った実証実験においても、圧倒的なパフォーマンスを示しているという。

日立での自社従来比100倍を誇る超高速データベースエンジンが高速なデータ解析を支援。オールジャパンのソリューションでもある

 「DTSではこれまで、パフォーマンスを高めたいお客様に対して、カラムストア型のデータベースエンジンとの併用を推奨してきました。一方、このDaTa SuperExpressなら、カラムストア型よりも高速なデータベースエンジンをワンパッケージで提供することができます。この圧倒的なパフォーマンスを生かせば、これまで社内で埋もれていたデータをさまざまな切り口から分析でき、まったく新しいビジネス価値を生み出せます」

 この高い性能の秘訣は、超高速データベースエンジン「Hitachi Advanced Data Binder*1」にある。「非順序型実行原理*2」という新技術を採用し、ディスク装置のI/O効率と、CPU利用率を極限まで高めることができる。日立の試算によると、データベースエンジン部分で従来自社比約100倍のデータ検索性能を発揮することが可能だという。DaTa SuperExpressは、この超高速データベースエンジンと日立製のハードウェアを組み合わせた高速データアクセス基盤「Hitachi Advanced Data Binder プラットフォーム」として稼働させ、そこにDTSのBI製品「BI NavigationStudio」をセットにした、すべての要素を国産製品で構成した「オールジャパンのパッケージ」として提供される。

*1 内閣府の最先端研究開発支援プログラム「超巨大データベース時代に向けた最高速データベースエンジンの開発と当該エンジンを核とする戦略的社会サービスの実証・評価」(中心研究者: 東京大学 喜連川教授)の成果を利用

*2 喜連川教授・合田特任准教授(東京大学)が考案した原理

BIの利用定着に不可欠な「使いやすさ」を支えるNavigation Platform

 DaTa SuperExpressのもう1つの大きな特長が、その使いやすさだ。実は、この使いやすさの面を担っているのが、先ほど挙げた「BI NavigationStudio」という製品だ。しかも、単に画面がグラフィカルで見やすい、あるいは操作が直感的で簡単といった類の「使いやすさ」ではない。BI NavigationStudioが目ざした使いやすさとは、そのようなレベルの話ではないと横溝氏は話す。

 「われわれが追い求めているのは、『現場にとっての使いやすさ』です。これまでのBIツールは主に、一部のデータ分析の専門家向けや経営層向けのレポートを作成するために使われてきました。しかし、BIの導入効果を真に発揮するためには、最もデータ分析のニーズが高い業務現場で積極的に使われなければいけません。だからこそ、現場での使いやすさを重視した仕様と価格設定にこだわってきたのです」

 事実、同社の主力製品であるデータスタジオ@WEBは、その使い勝手の良さがユーザーに高く評価された結果、今では利用者5万人以上を数えるという。しかし横溝氏は、BIツール単体の使い勝手が向上しても、それだけでは業務現場のユーザーの間でBIの活用が浸透するとは限らないとも指摘する。

 「BIは、『仮説立案・分析実行・(分析結果に基づいた)アクション・効果検証』というPDCAサイクルを回していくことで効果を発揮しますが、BIツールが支援できるのはこの中の分析実行の部分だけ。仮説立案をはじめとする、そのほかのプロセスのノウハウは、データ分析専門家の頭の中にしかありません。BIの活用を現場で定着させるためには、このように属人化したナレッジを可視化・標準化して、現場ユーザーから広くアクセスできるようにする仕組みが必要です」

 そこで同社が着目したのが、日立が提供するミドルウェア製品「uCosminexus Navigation Platform」(以下、Navigation Platform)だ。Navigation Platformは、業務現場の作業手順をフローチャートとして定義し、その実行を制御するとともに、作業フローの中に含まれる個々の作業内容をビジュアルなコンテンツとしてユーザーに提示できる製品。これをデータスタジオ@WEBと連携させれば、仮説の立案からBIツールを使った実際の分析作業、さらにはその結果を評価して実際のアクションにつなげるまでの一連の業務フローを定義し、現場ユーザー間で広く共有できる。こうして生まれたのが「BI NavigationStudio」だったのだ。

属人化していたBI活用ノウハウをNavigation Platformで可視化・標準化

 BI NavigationStudioは、DTSと日立との協業の下に、2011年10月に提供が開始された製品だ。その構成を大まかに言うと、データスタジオ@WEBとNavigation Platformを連携させた上で、データベースに「HiRDB」、アプリケーションサーバに「uCosminexus Application Server」と、日立製品を組み合わせたものだ。

 実はDTSと日立の協業は、このBI NavigationStudioの開発が初めてのケースだったという。しかし横溝氏によれば、両社によるこの共同プロジェクトは、極めてスムーズに運んだとのこと。

 「日立の手厚い支援のおかげで、極めて短期間の内に製品を開発できました。ほかのベンダーとの協業では、ここまでのスピード感で製品化にこぎ着けるのは難しかったでしょう。日立には製品企画の段階から参画してもらったが、どのようなソリューションを目指すべきか、当初から両社で明確なゴールを共有できていたので、うまく互いに補完し合いながら作業を進めることができました」

 こうして生まれたBI NavigationStudioは狙い通り、Navigation Platformのメリットを存分に生かした、これまでにない使いやすさを備えたBIソリューションに仕上がったのだという。

 BI NavigationStudioの実際の利用イメージはこうだ。Navigation Platformの画面の左側には、データ分析の作業フローが表示される。ユーザーはこのフローに従うだけで、これまでは一部専門家の頭の中にしかなかったデータ分析のプロセスを自然とたどることができる。

ユーザーは分析の専門知識がなくても、画面をたどることで業務情報からビジネスの知見を得られる。

 そして右側の画面には、フロー中のそれぞれの作業ステップに対応するデータスタジオ@WEBの分析画面が表示される。また併せて、作業の詳細な手順をガイドするためのテキストや画像も入れ込むことができるため、ユーザーはこれに従ってデータスタジオ@WEBの画面を操作すれば、目的とするデータ分析作業を迷うことなく実行できる。

 ちなみにBI NavigationStudioには、実際のデータ分析の実務でよく使われる「RFM分析」「ABC分析」「デシル分析」の分析フローのテンプレートが付属しているが、必ずしもこれに従う必要はなく、Navigation Platformの機能を使えばユーザーが自由にフローを作成できる。また、データスタジオ@WEB以外のアプリケーションとも連携でき、その画面を呼び出すこともできる。

 「Navigation Platformは、Webアプリケーションとの連携が容易なので、データ分析作業のみならず、もっと幅広く業務全体を標準化できます。これと同じことをBIツールだけでやるのは相当大変だし、ユーザーが独自に開発するとしても、社内で行われているあらゆる業務をすべて実装するのは難しいでしょう。その点Navigation Platformは、ユーザー自身が簡単にフローを作成できるので、各部門で自ら現場ニーズに沿ったフローを作れるし、また業務の変更にも柔軟に対応できます。BIツール単体の使い勝手に加え、こうして手軽に『ノウハウを可視化・標準化できる仕組み』があってこそ初めて、現場でのBI活用が定着すると考えています」(横溝氏)

社内に眠るビッグデータを現場主導で掘り起こす

 冒頭で紹介したDaTa SuperExpressでも、こうしたNavigation Platformならではのメリットは存分に生かされている。ビッグデータと言うと、「社外から大量のソーシャルデータやセンサーデータをかき集めてきて、高度なクロスドメイン分析を行う」といったような先進的なデータ分析手法が喧伝されがちだが、本来はこれまでのBIと同様に、「現場にあるデータを、現場でいかに活用できるか」というところにこそ、その本分があるのではと横溝氏は指摘する。

 「企業の中には、業務システムがこれまで収集してきた大量のデータが保管されています。これまでは、それを生かし切れるITプラットフォームが存在していなかっただけなのです。DaTa SuperExpressなら、それらデータをこれまでにない細かい粒度で高速に処理・分析できるので、何も一部の先進企業だけでなく、どんな会社でもビッグデータから新たなビジネス価値を見いだすチャンスが生まれます。ましてやNavigation Platformの機能を生かせば、専門家でなくとも『サマリーデータではない生データ』を対象に高度な分析が可能になるので、より一層ビッグデータ活用が進むはずです」

 今後DTSでは、BI NavigationStudioとDaTa SuperExpressという、日立との協業により生まれた「純国産ソリューション」を武器に、日本国内の市場はもとより、ゆくゆくは海外市場も視野に入れてビジネスを展開していくという。

 「DTSも日立も、国産ベンダーならではの充実したサポート体制を敷いています、また日立製ならではの高信頼性の製品でプラットフォームを構築しているので、ユーザーに安心して導入してもらえるソリューションに仕上がったと自負しています。BIやビッグデータの導入を検討している企業は、ぜひ安心してわれわれに任せていただければと考えています」(横溝氏)

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