ロジスティクスをSharePointで「見える化」しビジネス拡大のきっかけに人情肌の経営者はなぜOffice 365を選んだか?

» 2013年05月14日 10時00分 公開
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導入の背景

 栃木県宇都宮市を中心に総合物流請負業を手掛ける株式会社ライフケアー(以下、ライフケアー)の代表取締役を務める佐藤一意社長は、人と人とのつながりを重んじる性格のようだ。県内にのべ2万坪におよぶ倉庫を構え、常時500人ものスタッフを抱えて顧客企業の物流を支える一方、会社案内やコーポレートサイトは用意していない。

 「人脈を通じて、まだまだビジネスを広げられます。県内で若い経営者も育っており、彼らとの新しいビジネスも期待できます。今後も宣伝に頼る必要性を感じていません」と佐藤社長は話す。

photo ライフケアーの代表取締役を務める佐藤一意社長

 自社の倉庫に顧客の荷物を預かり、人員も手配しているライフケアーの事業を現在の言葉で表せば「サードパーティーロジスティクス」ということになる。自動車工場が多く、地理的にも首都圏と東北地方の中間点に当たる宇都宮市には、もともと物流倉庫が多かったのだという。

 佐藤社長自身、起業する前には、派遣会社から労働スタッフの派遣を受けて現場を取り仕切る立場だった。しかし「数十人規模で手配すると必ず数人の欠員が出てしまい、困っていました」と振り返る。

 家庭の事情や急病など、やむを得ない事情があるのは理解できるという佐藤社長だが「だからこそ派遣会社は、欠員が出ることも想定して人員を確保するべきだと感じていました」と話す。この経験が同社の起業にもつながっているという。

 このような経験が下地にあるため、ライフケアーでは欠員が出ることを想定したスタッフの手配を心掛けているという。佐藤社長はこの方針について「万が一、想定以上の欠員があった場合でも、最小の時間で予備のスタッフを追加します。また現場への入りが遅れても、多めにスタッフを追加すれば、結果として作業を早く完了させられます」と説明する。

 同社では、細かな業務プロセスを設けることも、あえてしなかった。ルールでがんじがらめにしては、現場の業務が滞りかねないからだ。「見積書や契約書なども“理にかなった書式であればいいよ”という方針で現場に任せてきました」と佐藤社長は振り返る。

 この方針が功を奏し、県内4つのブロックで事業を展開するまでに拡大したライフケアーだが、同時に課題も持ち上がった。複数の営業所を設けてビジネスを進めるに当たり、さまざまな様式の業務書類が作成されることとなり、管理が難しくなってしまったのだ。「特に書類を取りまとめる立場の事務スタッフからは“管理しやすくするため書類の様式を早急に統一、テンプレート化してほしい”と強く要望されていました」と佐藤社長は苦笑する。

 そのような折、佐藤社長は宇都宮市を中心にシステムインテグレーション事業を手掛ける日本コンピューターシステムサービス株式会社(JCOM)が主催するセミナーに参加することとなった。2011年のことだ。

 きっかけは、JCOMの代表取締役を務める鈴木修司氏と、地元の集まりなどを通じて顔見知りだったからと振り返る佐藤社長だが、Microsoft Office 365をテーマとしたそのセミナーを通じSharePoint Onlineと出会い、直面していた課題を解決できるのはまさにこの製品だと直感したという。「業務文書テンプレートと過去の文書管理を一元的に行えるため、導入を即断即決しました」(佐藤社長)

導入の効果

 JCOMによる導入支援があった上のことではあるが、行動の早い佐藤社長らしく、およそ1カ月で運用を開始した。主な用途としては、いわゆる「ドキュメント管理」ということになる。

 さまざまな書式が乱立していた文書類は、マスターとしてテンプレート化し、SharePoint Onlineを通じてダウンロードし利用する形とした。日々の業務を進める上でも、過去の見積書や契約書を簡単に参照できるようになったため「商談の精度が上がりました」と佐藤社長は評価する。

 もともと文書のテンプレート化を要望していた事務スタッフもSharePoint Onlineを高く評価しているようだ。

 社内事務を手掛ける松木さんは「これまでは、各営業所からの“こういう書類はあるか”とか“以前使ったあの書類を探してくれ”といった依頼が多く、手間が掛かっていました」と振り返るが「現在は各自がSharePoint Onlineからテンプレートをダウンロードして使えるため、お互いに作業を効率化できました」と話す。

 松木さんは、Office 365の管理者でもある。新しい書類をリリースしたり、従来からある書類を更新したりする際は「メールで送信する必要はなく、SharePoint Onlineにアップするだけで全営業所に展開できます」と評価する。

 松木さんは独自の業務効率化も進めている。派遣スタッフに支給するユニフォームについては各営業所で在庫を持ち、サイズや数量を管理しているが「以前は紙で管理していたため、ある拠点に大量のスタッフを派遣するためにユニフォームを融通する際など、調整が大変でした」と話す。

 現在ではSharePoint Online上の在庫管理票に一元化し、各営業所で数量を更新する形とした。「各拠点の在庫がリアルタイムで一覧できますし、一時的な在庫の融通も楽になりました」(松木さん)という。

photo ユニフォームの在庫をSharePoint Online上で共同編集。営業所間で在庫を融通しやすくなったという

今後の展開

 今後も佐藤社長は、ITを利用した物流の効率化に取り組む考えだ。

 現在、請け負っている物流の入出庫については、主に顧客側の営業系システムで管理している。しかし営業系システム上では「顧客に納品し売上計上済み」となっていても、実際には荷物が倉庫に存在するケースもある。つまり、営業系システムの在庫と、実際の倉庫在庫は必ずしも一致しないのだ。

 こういった課題を解決するため「独自の物流系システムを構築し、入出庫を把握できるようにしたい」と佐藤社長は意気込む。SharePoint Onlineの導入は、ライフケアーの業務を標準化/可視化していく端緒になったと言えよう。

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※本記事は日本マイクロソフトにより提供されたコンテンツを一部編集の上、掲載したものです。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2013年6月30日

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