企業や学校の食堂運営などを手掛ける京都市の典座(てんぞ)。食事や健康に関する重要な情報のやり取りにExchange Onlineを活用し、セキュリティの強化や業務効率の向上につなげている。
1972年創業の株式会社典座(「てんぞ」、京都市伏見区)は、社員食堂や学生食堂の運営から幼稚園や高齢者へのお弁当の製造・配達などを手掛け、地域の食生活と健康を長年にわたって支え続けている。そうした同社の営業活動に欠かすことができないITツールが電子メールだが、今までこの電子メールに関して数々の課題に悩み続けていた。
メールでは取引内容に関するドキュメントはもちろん、メニューや食材などの詳細な情報、さらには顧客に関する情報など幅広い内容をやり取りしている。その1通1通が顧客の毎日の食事や健康に直結する重要なものばかりだ。同社にとってメールは、極めてミッションクリティカルなシステムである。
取締役 営業部長の佐藤陽介氏は、「1日あたり200通近いメールを受信しますが、そのうちお客様や取引先との重要なメールが半数近くを占めます。残りは迷惑メール。これは社員の業務を妨げるだけなく、大切なメールを見落とす、あるいは、メールに添付されたウイルスに感染するといった事故を引き起こしかねず、大きな問題になっていました」と話す。
同社では以前、インターネットサービスプロバイダーのメールサービスと独自ドメインを用い、自社でメールシステムを運用していた。顧客の食と健康を支える同社にとって独自ドメインは、企業としての信頼を伝えるための大切な存在であったが、同時に大量の迷惑メールが届く要因にもなっていた。利用していたプロバイダーのサービスでは迷惑メール対策機能が提供されていなかったため、社員は毎日個々のメール内容を確認した上で、不必要な迷惑メールを1通ずつ手作業で削除することを強いられていた。
こうしたメールにまつわる悩み事を解決する手段として、典座の情報システムを20年近くにわたってサポートしているアイシーエルシステムズ有限会社(京都市西京区)が提案したのが、マイクロソフトの提供するクラウド型コラボレーションサービス「Office 365」である。
その理由は、Office 365がグローバル企業のマイクロソフトによって長期的に提供されることの安心感やサービスの安定性、セキュリティレベルの高さであるという。典座ではOffice 365のメールサービスであるExchange Onlineサービスの採用を2011年に決定した。
Exchange Onlineサービスでは基本メニューとして、ウイルス対策および迷惑メール対策の機能と、モバイルデバイスからの接続機能を提供している。典座ではこれらの機能をフル活用して、セキュリティの向上と業務効率の大幅な向上を実現した。現在は、メニューや献立の作成などを担当する「開発部」と営業担当者の20人がユーザーだ。
その具体的な効果について佐藤氏は、「以前であれば、まず出勤してから何十分もの時間を費やして大量に届いた迷惑メールを削除しなくてはなりませんでしたが、Exchange Onlineを利用してからは迷惑メールが大幅に減りました。この効果は非常に大きいと感じています」と話す。
スマートフォンやタブレット端末からもメールを利用できるため、佐藤氏は、出勤時に取引先からのメールのチェックや削除し切れなかった一部の迷惑メールの削除を行うことで、出社後すぐに業務に集中できるようになったとのことだ。
日中の外回りでも営業担当者はすぐに重要なメールを確認できる。「顧客からの問い合わせなどをその場で確認して、対応を急ぐ場合は、すぐに社内の担当者に電話で指示を伝えることができるようになりました。業務のスピードアップにもつながっています」(佐藤氏)という。メールの送受信履歴も管理できるため、顧客とのやり取りも以前に増して円滑になった。
ミッションクリティカルであるメールの課題をExchange Onlineによってほぼ解決した同社。将来に向けてOffice 365のさらなる活用を視野に入れている。例えば、顧客や取引先との情報共有やコンテンツ管理などには、SharePoint Online、本社と各拠点との連絡にLync Onlineを活用に注目する。
「顧客の中にはWebサイトに献立の予定を掲載しているところもあります。こうした情報の提供にクラウドを活用するといったことにも取り組んでみたいですが、まずは新しい仕組みを着実に使いこなしていくことを大切にしたいですね」と佐藤氏は話している。
※本記事は日本マイクロソフトにより提供されたコンテンツを一部編集の上、掲載したものです。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2013年6月30日