「上質な光」の裏にITあり 老舗照明メーカーがクラウド導入した理由とは?中小企業のチカラを引き出すクラウド

1923年創業の老舗照明メーカーYAMAGIWAは、Office 365で社内の情報基盤を刷新した。その目的はIT利用者の利便性を高め、コミュニケーションのあり方を変革すること。社員同士のチームプレイ強化を通じ、競争の激しい照明業界において、他社にまねのできない価値の提供を続けていこうとしている。

» 2013年05月22日 10時00分 公開
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導入背景と狙い

チームプレイを重視 情報基盤の刷新が重要課題に

photo 「上質な光とインテリア」を体感できるというYAMAGIWA 東京ショールーム

 IT活用をどのように行うかによって、企業競争力は大きく左右される。この傾向は時代とともに強くなっており、ITが企業文化をつくり上げる基盤として、重要な役割を担うようになったケースも少なくない。このようなITのポテンシャルを引き出していくには、常に最新のテクノロジにキャッチアップしていく必要がある。しかしこれは簡単なことではない。特にIT運用管理に十分な人員を確保できない中堅・中小企業にとって、ITシステムをいかにして最新の状態に維持するかは、悩ましい課題だと言える。

 この課題に対応するため、マイクロソフトのクラウドサービス「Office 365」を活用しているのが、株式会社YAMAGIWA(以下、YAMAGIWA)である。

 「YAMAGIWA では、チームワークの強化を目指しています」と説明するのは、YAMAGIWA IT管理室マネジャーの奥脇達彦氏。以前のYAMAGIWAでは、情報の共有があまりなされていなかった。しかし、顧客が求める空間に最適な「上質のあかり」を提案するには、複数のプロフェッショナルによる緊密な連携が欠かせないのだという。「チームワークの強化が浸透していくことで、LED照明の普及によって新規参入も増えている照明業界の中で、YAMAGIWAは独自のデザイン力と空間提案力を駆使することで、他社にはまねのできない価値の提供を継続しています」

 その一方で、「以前のITシステムは陳腐化が進んでおり、このままでは組織力の強化が難しい状況でした」と振り返るのは、YAMAGIWA IT管理室の中野青滋氏。メールは、2000 年ころに導入されたLinuxベースのメールサーバとMicrosoft Outlook Expressの組み合わせで運用され続けており、グループウェアも無料で使えるソフトウェアを社内の一部で使用する程度で、全社展開には至っていなかったと説明する。

 また、クライアントPC上で動くMicrosoft Officeのバージョン管理も、大きな問題を抱えていた。一括導入したPCではバージョンをそろえやすいが、その後に追加導入したPC のバージョンをそろえるのに、大きな作業負担がかかっていたのである。「Officeはどの企業でも使われる、紙や鉛筆と同じようなツールです。これをきちんとサポートするには、バージョン統一を簡単に行える仕組みも必要だと考えました」(奥脇氏)

導入の経緯

新たな情報基盤への4つの要件を全て満たしているOffice 365

 YAMAGIWAが情報基盤刷新の検討に着手したのは、2011年10月。新しい情報基盤には、大きく4つの要件を満たすことが求められた。これら全てを満たしていたのがOffice 365だったという。

photo YAMAGIWA IT管理室マネジャーの奥脇達彦氏

 まず第1は、場所を問わずに使えることだ。「社員の半分近くが営業担当で、常に得意先を回っています」と奥脇氏。地方を担当する営業の場合には、1人で1〜2県を受け持っているケースも珍しくなく、週の半分を出張で過ごしている人もいる。また地方の大型物件は、設計は東京の設計事務所、施工は地元の業者が担当することが多く、地方担当営業が設計打ち合わせのために上京することも少なくない。「このような社員の業務効率を高めるには、社外からもアクセスして利用できることが必須条件です。そのためにはOffice 365のような、クラウドサービスの採用が必須だと考えました」

 第2は、メールの保管をサーバ側で行うことができ、その容量も十分に確保できることだ。以前使っていたメールシステムはPOP3でメールをクライアントPCにダウンロードする必要があり、クライアント側に保存できるメールも2Gバイトに制限されていた。YAMAGIWAの社員がやり取りするメールには、図面や画像が添付されることが多く、2Gバイト程度の容量ではすぐに上限に達してしまい、古いメールの削除を頻繁に行う必要があった。また容量オーバーで問題が発生したり、クライアントPCの故障でメールが消えてしまうというトラブルも少なからず発生していた。しかしOffice 365なら、クラウド上に1ユーザーあたり25Gバイトのメールボックスが用意されている。これだけの容量があれば、古いメールを削除しなくても、長期間使い続けることができると考えられた。

 第3は、クライアントPC上のOfficeの管理が可能なことだ。これは「Office 365 ProPlus」によって対応できる。常に最新バージョンにそろえられるのはもちろんのこと、ソフトウェアのインストールもクラウドからダウンロードして行えるため、インストールメディアの管理も必要なくなる。

 そして第4の要件が、企業ユースにふさわしい機能が装備されていることだ。特に重視されたのが、グループスケジュールの共有機能と、高いセキュリティの確保だった。これに関してもOffice 365は、十分に対応できると評価された。

photo YAMAGIWA IT管理室の中野青滋氏

 「実は検討段階では複数のクラウドサービスを比較検討し、その中にはGoogle Appsも含まれていました」と中野氏。しかしGoogle AppsはOffice 365とは異なり、コンシューマー向けサービスをベースに企業向け機能を追加したものであり、企業姿勢もマイクロソフトとは大きく異なっていると指摘する。「グループスケジュールの共有機能もアドオンが必要で、セキュリティにも不安があります。企業で使うのであれば、企業システムをベースにしたクラウドサービスが必要だと感じました」

 導入パートナーには、CAD関連の案件で以前から付き合いのある株式会社大塚商会(以下、大塚商会)を選択、「たよれーる Office 365」の採用を決定した。「設定作業は大塚商会が中心になってやってくれたため、少ない作業負担で短期導入できました。文字通り頼れるパートナーだと思います」(奥脇氏)

導入効果

飛躍的に高まったメールの利便性 Office最新版へのキャッチアップも容易

 Office 365のサービスがYAMAGIWAでスタートしたのは2012年7月。クライアントとしては主に、Microsoft Outlookが使用されている。

 Office 365の導入で最も大きなメリットとなったのは、社外でもメールサーバーにアクセス可能になったことだ。しかもメールボックス容量が25Gバイトと大きく、過去にやり取りした全てのメールを参照できたという。「インターネットに接続できるノートPCを持ち歩けば、社内と同じように利用できます。これはユーザーから非常に便利だと評価されています。またOutlook Web Access(OWA)を使用すれば、自宅のPCからWebでメール確認することも可能です」(中野氏)

 グループスケジュールの共有も高く評価されている。奥脇氏は「スケジュールを横並びで表示できるのは日本企業の文化に合っています」と指摘する。この機能を利用できるのはMicrosoft Outlook 2010からであり、YAMAGIWAではまだMicrosoft Outlook 2007が数多く残されているが、今後順次バージョンアップしていくことで、グループスケジュールの活用を広げていく予定だという。

 Office 365 ProPlusによるOfficeのダウンロードインストールとバージョン管理は、IT管理者の負担軽減に貢献している。以前のYAMAGIWAでは、一括導入された約200台のクライアントPCのOffice製品はボリュームライセンスを購入し、その後に増設されたクライアントPCに関してはライセンスを買い足していくという対応が行われていたが、メディア管理が煩雑で、インストールもPCのある場所まで出向いて行う必要があった。しかし現在ではボリュームライセンスを補完するために、100ライセンス分のOffice 365 ProPlusが契約されている。これによって追加分ライセンスのメディア管理は不要になり、インストールもMicrosoft Lync Onlineのデスクトップ共有機能によって、リモートから行えるようになった。ボリュームライセンスとOffice 365 ProPlusを組み合わせることで、最新バージョンへのキャッチアップが容易になったのである。

photo YAMAGIWAにおけるOffice 365の活用。クラウドメールやグループスケジュールで利用者の利便性を向上させるとともに、Office 365 ProPlusやデスクトップ共有によって管理者の負担も軽減している。今後はSharePointによる情報共有を推進することで、チームプレイ強化に欠かせない基盤になると期待されている

 「YAMAGIWAでは、Microsoft Office 97の頃からMicrosoft Accessを導入しており、現在では7割以上の社員がAccessを使用しています」と中野氏。受発注管理や見積書発行、インテリアコーディネーターの管理など、数多くのアプリケーションがAccess上で作成されており、これらを問題なく使い続ける上でもOffice 365 ProPlusが威力を発揮すると説明する。最新バージョンのみならず旧バージョンのOfficeも、同一PC上で共存可能になるからだ。「バージョンの異なるOfficeが同時にインストールできることは大きな魅力です。過去に開発したAccessアプリケーションはそのまま旧バージョンのAccessで動かせるため、最新バージョンのOfficeを展開する時も動作確認を急いで行う必要がなく、作業負担が軽減できると予想しています」

photo 大塚商会の高柳英和氏(マーケティング本部 Office 365プロモーション課 課長)

 Lync Onlineの機能としては、主としてデスクトップ共有が活用されている。前述のようにOfficeのダウンロードインストールをデスクトップ共有によってリモートで行うほか、ITに関するヘルプデスク対応でも利用されている。ネットワークに関する障害以外であれば、ほとんどの問題がこれで対応可能だという。

 「YAMAGIWAでは利便性の追求が重要テーマになっています」と言うのは、大塚商会の高柳英和氏。このようなニーズに対応するには、Office 365の採用が最適な選択だと指摘する。「大塚商会の顧客の中にも、ProPlusを含んだOffice 365の導入を行うところが増えています。Microsoft SharePoint OnlineやLync Onlineの活用をさらに進めていけば、より大きな効果が得られるはずです」

今後の展望

今後はSharePointやLyncの活用を推進 Office 365をチーム プレイ強化の基盤に

 今後はYAMAGIWAでも、「大塚商会から提案を受けながら、SharePoint Onlineによる情報共有や、Lync Onlineによるコミュニケーション活性化を推進していく予定です」と奥脇氏は言う。その中でも特に大きな期待が寄せられているのが、Lync OnlineによるWeb会議の活用だ。

 「MARUWAグループの一員になって驚いたのが、拠点ごとにTV会議システムが導入されており、その活用も浸透していることです。このようなコミュニケーションは、YAMAGIWAではほとんど行われていませんでした。しかし今ではLync Onlineが利用可能なので、相手をリアルタイムで見て、資料を共有しながら会議を行うといったことも、手軽に行えます。現在使っているノートPCにはカメラ機能がついていませんが、これからUSBカメラを整備することで、Web会議の活用を広げていきたいと考えています」(奥脇氏)

 インスタントメッセージング(IM)機能の活用も、徐々に広がりつつある。現在はまだ全社員が使っているわけではないが、IMが新たなコミュニケーション手段として定着すれば、より手軽で迅速な情報伝達が可能になっていくはずだ。

 マルチデバイスの活用も視野に入っている。現在ではほとんどの社員がモバイル端末としてノートPCを利用しているが、一部のユーザーを対象にスマートフォンやタブレットの配布も行われている。メールの送受信やスケジュール管理、プレゼンテーション程度の作業ならタブレットでも十分に対応できると評価されており、顧客先でタブレットを使った事例紹介を行っている営業担当者もいるという。

 「コミュニケーションやコラボレーションのあり方が変われば、社員の意識やワークスタイルも変化していきます」と奥脇氏。「Office 365の存在は、チームプレイ強化に欠かせない基盤として、これからさらに重要な役割を担うようになるはずです」と、今後の展開に大きな期待を寄せている。

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提供:日本マイクロソフト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2013年6月30日

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