「電話じゃ伝わらないこと」も即座に指示 福島の一級建築士が選んだツールとは?全国50の代理店と遠隔コラボ

» 2013年06月28日 10時00分 公開
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導入の背景

 日本の建築の耐震技術は、世界でもトップクラスと言われている。だが、大がかりな免震工事を施したビルなどはともかく、一般向け住宅の耐震性は必ずしも高いわけではない。実際、1995年に発生した阪神淡路大震災による死者6400余人のうち、約80%は家屋の倒壊による圧死だったという調査結果もある。

 「一般住宅を安価でもっと安全にできないか」――そんな思いで1997年に設立されたのが日本ブレードパイル協会(本部:福島県郡山市)だ。同協会は、免震構造を備えた特殊な鋼管杭「bDパイル」を開発し、全国への普及活動を行っている。

 bDパイルの特徴は、本格的な建築基礎工事で用いられる大型の「杭打ち機」を必要としないことだ。杭自体が回転しながら土を掘り進めていく形状により、汎用の油圧ショベルだけで簡単に打ち込むことができる。

photo 日本ブレードパイル協会会長 兼 有限会社住環境設計室社長の影山千秋氏

 「施工時に騒音や振動がほとんどないため、住宅街などでも簡単に杭を打ち込めます。また、その性能は国土交通大臣の認定を取得しているほか、施工の仕方によっては高い免震効果があると評価されています」と話すのは、日本ブレードパイル協会で会長を務める影山千秋氏。一級建築士でもある影山氏は、自らbDパイルの成形機の発明も手がけたほか、今も1カ月当たり約100件の建築基礎の設計を行っているという。

 こうして現在までに約16万本のbDパイルを全国に普及させてきた同協会だが、設立以来直面し続けてきた課題があった。それは、全国50社以上にのぼる販売代理店に対し、どのように技術サポートを提供するかという点である。

 「代理店は、全てが土木・建築のプロ中のプロというわけではありません。bDパイルの施工に当たっては、電話では伝えられないことも含めて指示する必要があります」(影山氏)。例えば、地盤調査書や設計書など、さまざまな資料を代理店との間でやり取りしながら指示を下す必要があるのだという。

photo bDパイル(左)。影山氏が発明した成形機は、試作段階では3人がかりで2日間かかっていたbDパイルの制作時間をわずか40秒に短縮したという

 そうした資料のやり取りはファクシミリで行っており、「代理店の理解が追いついていない時など、『とりあえず全部の資料を見てもらおう』と丸投げされてしまうこともありました」と影山氏は振り返る。こうして、多い時には1カ月で7000枚ものファクシミリで送られてくる図面類が本部に届くこともあったという。

 2000年代前半にはファクシミリで届いた資料を電子化するシステムを導入したが、協会と代理店がそれぞれ手元の資料を見ながら電話でやり取りするフローは変わらないため「意思疎通が非常に難しい」(影山氏)という課題は残っていた。そこで影山氏は、1つの図面ファイルを共有しながら会話できるビデオ会議システムを導入することにしたという。

導入の効果

 影山氏がビデオ会議システムの検討をスタートしたのは2010年のこと。当初は無料で利用できるビデオ会議ツールの導入を検討したが、映像の品質が十分ではなかったことなどを理由に採用を断念した。また、専用回線を利用するビデオ会議システムも検討したが、価格の高さや運用負荷の大きさから採用を見送ったという。

 そうした中、影山氏が最終的に選んだのがマイクロソフトのクラウドサービス「Office 365」だった。採用に当たっては、20年来の取り引きがあった三和事務機販売株式会社に相談し、Office 365を紹介されるやいなや「即断即決した」(影山氏)という。

 「代理店にとって一番いいのは、bDパイルの発明者であるわたしと直接やり取りすることです。その点、Office 365のビデオ会議サービス『Lync Online』は、画面上で資料を共有して細かい部分を指し示しながら話せる点など、求める機能を全て満たしていました。また、マイクロソフトが提供するサービスなら、すぐにサービスが終了することもないだろうという安心感もありました」(影山氏)

 具体的な導入方法としては、日本ブレードパイル協会が全国の代理店の分も含めてLync Onlineのアカウントを一括で取得し、各代理店とビデオ会議を行うという方法を採った。現在は、Office 365の7月中の本格稼働に向けてテストを進めており、既に33件のアカウントを取得済みという。

 「設計資料を見ながら電話などでやり取りする際、お互いが見るべき箇所を勘違いして施工に間違いが起きるということは絶対に許されません。Lync Onlineなら画面共有の機能で同じ図面を指し示しながら話をできるため、コミュニケーションの効率化にとどまらず、精度も大幅に向上しました」(影山氏)

今後の展開

photo bDパイルには地中熱を効率よく取り出す効果も認められ、日本大学工学部と共同で再生可能エネルギーに関する研究を行っているという(背後にあるのは地中熱ヒートポンプと解析機器)

 同協会は今後、Lync Onlineによる資料を共有してのビデオ会議のほか、Office 365の他の機能も活用していく考えだ。具体的には、ドキュメント共有サービス「SharePoint Online」を活用し、複数の代理店に向けて資料を一括配布できるようにする予定という。

 「代理店向けの資料の配布も、これまではメールやファクシミリでその都度行う必要がありました。SharePoint Onlineなら、クラウド上に資料をアップロードするだけで全国の代理店が最新データを一斉に共有できます。また、代理店のスタッフがタブレット端末などを使うことで、顧客先でも最新資料を活用できるようになるでしょう」(影山氏)。同協会はOffice 365の導入を端緒として、bDパイルの全国普及を一層加速させていく考えだ。

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※本記事は日本マイクロソフトにより提供されたコンテンツを一部編集の上、掲載したものです。

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提供:日本マイクロソフト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2013年9月30日

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