新人教育はクラウドで――都内のベンチャーがゼロから「徳島オフィス」を作るまで遠隔オフィスを支えるIT

» 2013年11月08日 10時00分 公開
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photo ソノリテがサテライトオフィスを構えた徳島県名西郡神山町

 コミュニケーション手段の進化などを背景に、本社と離れた地域に「サテライトオフィス」を設置する企業が増えつつある。その設置場所として特に注目を集めている地域の1つが徳島県だ。同県は光ファイバーの敷設率が全国1位であり、その高速通信環境やオフィス賃料の安さなどを評価して徳島進出を決める企業が相次いで現れている。

 2010年に設立したベンチャー・株式会社ソノリテ(東京都中央区)も、徳島県でのサテライトオフィス開設に踏み切った企業の1つだ。NPO支援事業を手がける同社は2012年、徳島県名西郡神山町に「神山サテライトオフィス」を設置。今では複数名の現地スタッフを採用し、東京と徳島の2拠点でコミュニケーションしながら事業を拡大させている。

 同社はなぜサテライトオフィス開設を決めたのか。また、東京本社と徳島のスタッフをつなぐ遠隔コラボレーションの仕組みとは――ソノリテの江崎礼子(崎は旧字体)代表取締役に聞いた。

導入の背景

 ソノリテは、NPO向けインターネット募金システムの開発/提供を目的に2010年に創業した企業だ。同社が提供しているオンライン募金システム「Bokinchan」は、初期費用38万5000円という手が出しやすい値段設定やカスタマイズ性の高さなどが評価され、これまでに20団体近くのNPOに採用されているという。

photo ソノリテの江崎礼子 代表取締役

 10年秋には、都内のシェアオフィス内にNPO向けコールセンターを開設。団体のスタッフに代わり、問い合わせの電話応対や、Webからの問い合わせ対応、発送代行やデータベースの入力代行業務をスタートした。当初は4団体ほどのコールセンター業務を2人のスタッフで対応していたが、NPOは兼業やボランティアスタッフで運営しているケースが多いことからニーズは高く、口コミでクライアントは増えていったという。

 「このままではオフィススペースやスタッフ数が足りず、十分なサービスが提供できない。しかし、都内で新しいオフィスを開いて設備や人材を拡充したとしても、クライアントがNPOであるため大手コールセンターほどの収益は期待できない」――こうした課題を抱えていたところ、Bokinchanの開発に携わったメンバーの1人であるトム・ヴィンセントさんに提案されたのが、神山町でのサテライトオフィス設立だったという。

 江崎さんは12年1月に神山町を初めて訪れ、オフィス賃料の安さや徳島県が整備した高速通信インフラ、県や神山町のNPO「グリーンバレー」によるベンチャー企業へのサポート体制などを魅力に感じ、この地でのサテライトオフィス設立を決定した。唯一不安視していたスタッフの確保についても、現地での説明会開催などを通じて女性の就業ニーズを知り、不安を解消できたという。

 だが、神山サテライトオフィスの稼働開始に向けて課題となったのは、現地で採用したスタッフに対するコミュニケーションと情報共有、フォロー体制だった。「神山サテライトオフィスは全国のNPO向けに事務代行サービスを提供する目的で設立しました。当然ながら雇用したばかりのスタッフでは分からないことも多く、どのようにフォローするかが課題でした」

 徳島で採用した新人スタッフをいかに東京から支援するか――その手段としてソノリテが選んだのが、マイクロソフトのクラウドサービス「Office 365」の採用だった。

導入の成果

 サービス選定に当たっては、東京と徳島にオフィスを構えるシステム開発会社、ダンクソフト株式会社のアドバイスを参考にしたという。「神山町でサテライトオフィスの実証実験を行っていたダンクソフトがOffice 365を使って2拠点でコミュニケーションをしているのを参考に、神山町と東京、在宅勤務のスタッフのコミュニケーション手段として採用しました」(江崎さん)

 ソノリテは、12年5月の神山サテライトオフィスの稼働開始と同時にOffice 365の利用をスタート。具体的には、Office 365のビデオ会議ツール「Lync Online」を活用し、東京と徳島、在宅勤務のスタッフ間で遠隔コミュニケーションできる環境を構築した。

photo 神山サテライトオフィスのエントランス。古民家を改築したオフィスを借り上げており、県からの補助金も活用して「月々の家賃負担は5万円ほどに収まっている」という

 神山サテライトオフィスで働くスタッフは町外からの移住者や子育て中の主婦までさまざまだが、Office 365の導入時には「特別なレクチャーなどを行うことなく、最初からスムーズに使えた」という。同社は東京・徳島のオフィス間でLync Onlineを必要に応じて接続しており、日常業務上のアドバイスのほか、毎日の朝礼/夕礼時のスタッフ全員での唱和(コールセンター業務の練習)などにも役立てている。

 「やはり、2つの拠点のスタッフがお互い顔を見合わせてコミュニケーションできるのが最大の魅力ですね」と江崎さんは話す。

今後の展開

 同社は今後、Office 365のさらなる活用を進めていく考えだ。現時点での利用サービスはLync Onlineのみだが、今後はドキュメント共有サービス「SharePoint Online」なども活用し、ネット上での情報共有を推進していく予定という。

 「当社はNPO向け事務支援の一環として、複数のスタッフで手分けしながら各種入力代行サービスを行っています。これまでは各オフィスの進行状況を個別にファイルを更新して管理していましたが、SharePoint Onlineを使って業務進ちょくをリアルタイムで共有できるようになれば、スタッフ全員の作業スピードアップにつながるはずです」と江崎さんは見込む。

 また、日本マイクロソフトが10月にNPO向けにOffice 365を無償提供するプログラムをスタートしたのに伴い、ソノリテもNPO向けにOffice 365の導入アドバイスを行っていく予定という。

 「当社のお客さまであるNPO団体にもOffice 365を使ってもらえば、業務に関する最新レポートなどをクラウド上で迅速に共有できるようになります。また、お客さまと当社のエンジニアスタッフがLync Onlineで直接やり取りすれば、データベースシステムの操作説明もよりスムーズに行えるようになるでしょう」(江崎さん)。同社はOffice 365の活用を通じ、全国のNPOを一層サポートしていく考えだ。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2013年12月7日

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