「メイクって何だか苦手」という人に向けたiOSアプリが2015年秋に登場する。筑波大学大学院システム情報工学研究科の神武里奈氏が開発した「YUMEKA」だ。
ユーザーの顔画像を入力し、アイドルなど自分の“なりたい顔”の画像を入力すると、なりたい顔に近いメイクを施したシミュレーション画像が出力される。さらに、シミュレーション通りの顔になるためのメイク手法のほか、インターネット通販サイト「楽天市場」のAPIから化粧品情報を取得し、製品画像の分析結果に基づいた化粧品も推薦してくれる。
神武氏自身もメイクに自信がなかったそうで、「メイクの下手な子でも雰囲気が作れるアプリを作りたかった」(神武氏)。彼女自身も実際にYUMEKAを使って化粧品を購入したという。ファンデーション、アイシャドウ、チーク、リップなど約2000種類の商品を登録しており、現在はより多くの商品を登録するためのプログラムを実装しているそうだ。
VRや3Dキャラクターの普及に伴い、3Dの衣装データにも新たなイノベーションが起こりつつある。早稲田大学 先進理工学研究科に通う斎藤隼介氏が開発したのは、任意の3Dキャラクターに衣装を転写できる新システムだ。
従来は、同じ衣装デザインであってもキャラクターごとに衣装を作らなければならなかったが、このシステムを利用すれば、キャラクターの「頭」「腕」「胴体」といった対応ポイントを設定するだけで、二足歩行の人間から、四足歩行の動物という身体の形状が異なる3Dキャラクターまで、簡単に衣装転写ができるようになる。
システムを作るヒントとなったのは子供服の縫製だった。「子供服を作るときは専用の型紙を作らなくてはいけない。単に大人の服を縮小すればよいという問題ではなく、体に応じて自動で服が変わればいいと思った」(斎藤氏)。
体に応じて自動で服の形が調整されることで、デザインが楽になるため「クリエイティビティが高まるなど、デザインのパラダイムが変わる可能性がある」と斎藤氏は語る。今後はデザイン作成を支援するプログラムやアルゴリズムを作る予定という。
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