マイクロソフトが新OS、「Windows 10」の提供を開始して数カ月――。これから導入を検討しようという企業の情報システム部門も多いのではないだろうか。同社はWindows 10を検討するなら、「使うデバイスにもこだわってほしい」と話す。
マイクロソフトの新OS「Windows 10」が提供開始となってから数カ月がたった。Windows 10はデバイス管理やセキュリティ、生産性向上といったエンタープライズ向けの機能強化も数多く、BYODやモバイルワークなど、新しい働き方を採用する企業が増えつつある昨今、その大きな助けになる可能性を秘めている。
企業の情報システム部門としては、今後どういったタイミングでクライアントPCにWindows 10を導入するのか、これから検討するところが多いだろう。早速、社内のPCで試した人もいるのではないだろうか。
「企業でWindows 10を検証するなら、ぜひ『Surface Pro 4』で試してほしい――」
こう強調するのは、日本マイクロソフトでSurfaceシリーズのマーケティングを務める土屋奈緒子さんだ。日本でも先月発売となった、マイクロソフトの新型タブレット「Surface Pro 4」。土屋さんは「Windows 10の魅力を感じてもらうには、Surface Pro 4は最高のデバイス」と話す。その理由はどこにあるのだろうか。
Surface Pro 4は、先代モデルの「Surface Pro 3」とほぼ同じデザインを踏襲している。これはPro 3の評判が良かったため、方向性を変えずに“革新を加える”という方針で開発が進んだためだという。
Pro 4はPro 3に比べて、本体の縦横のサイズはそのままに液晶ディスプレイを12インチから12.3インチへと大型化、画面解像度も向上させた一方で、本体の厚さは7ミリほど薄くなっている。
重量についても約15〜40グラムほど軽くなった(モデルにより違いがある)。プロセッサの世代も変わり、性能やバッテリー駆動時間も向上している。
Surface Pro 4とSurface Pro 3の主なスペック比較 | ||
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製品名 | Surface Pro 4 | Surface Pro 3 |
画面サイズ | 12.3型(3:2) | 12型(3:2)ワイド |
画面解像度 | 2736×1824ピクセル | 2160×1440ピクセル |
タブレットの本体サイズ(幅×高さ×厚さ) | 約292.1×201.4×8.45ミリ | 約292.1×201.4×9.1ミリ |
タブレット本体の重量 | 約766グラム〜約786グラム | 約800グラム |
こうして単純にスペックだけを比べると、「薄型軽量化して、新プロセッサでパフォーマンスが若干上がっただけだよね」といった感想を抱くかもしれない。しかし、Surface Pro 4の真の魅力は、Windows 10をプリインストールして登場した“ネイティブなWindows 10マシン”という点にある。
過去のSurfaceシリーズは全てWindows 8/8.1をターゲットに開発された製品だったが、今回のPro 4はWindows 10向けに作られたマシン。「Windows 8.1へのダウングレードにはしていない」(土屋さん)という。Surface Pro 4の魅力を知るにはまず、Windows 10の新機能「Windows Hello」を試してほしいと土屋さんは話す。
Windows Helloは、ユーザー認証におけるWindows 10の新機能だ。OSやサービスへのサインインに際して「顔認証」「指紋認証」「虹彩認証」という3つの生体認証を提供する。企業向けとしては特に新しい顔認証機能が重宝されるだろう。
これまでも、カメラの前に本人が近づくだけで顔認証が行われ、パスワードなしでサインインできる機能はあったが、Windows Helloではさらに機能が向上。ユーザーの顔写真を掲げただけでは認識しないように、赤外線センサー付きカメラを利用し、顔を立体的に識別する仕組みを採用している。
Surface Pro 4は、フロント部分に通常のWebカメラとは別に赤外線センサーを標準で搭載し、対象の奥行き情報を取得できるようになっている。これにより、通常のWebカメラだけでは対応できない仕組みをSurface Pro 4本体のみで実現しているのだ。
実際に立体認証を試してみると、顔をカメラの正面に向けるだけですぐにログインが行える。ログアウト時も誤認識で再びログインすることがないよう調整されており、「ユーザーの使い勝手を最優先に考えた、細かい調整がされているのは感心します」と土屋さんは言う。
Windows 10は、複数のデスクトップ画面を同時に扱える「仮想デスクトップ」機能や、タブレット用のUIとデスクトップ用のUIを自動調整してくれる「Continuum」など、ユーザーの生産性を高める機能を多数用意している。
こうした機能をSurface Pro 4はハードウェア面で支えてくれる。まずは純正アクセサリの「Surface Dock」だ。Surface Dockはいわゆる“ドッキングステーション”の一種で、面倒な着脱機構がなく、SurfaceConnectという専用端子で手軽に接続する仕組みを採用しており、利用のハードルが下がった印象だ。
「Surface Pro 3のドッキングステーションははめ込み型でしたが、それだと画面の角度が調節できなくなってしまうというデメリットがありました。新しいSurface Dockはデスクの上にも置きやすいので、特に企業ユースであれば本体とセットで導入してほしいですね」(土屋さん)
Surface Dockを使えば、不足しがちなUSBポートや画面出力(Mini DisplayPort)を追加でき、有線LANも使えるようになる。画面出力ポートはSurface Dockに2つ用意されているため、本体を合わせて3画面での作業も可能となり、Surface Pro 4 の持つ高いパフォーマンスをフルに生かせる。
外出先ではタブレットとして使い、オフィスに戻れば3画面の作業環境をすぐに構築できる――。同じデバイスで2つの役割をこなせることで、場所を選ばない働き方を大いに支援してくれるだろう。
Surface Pro 4はキーボードやペンといった入力デバイスにもこだわっている。これもまたビジネスユーザーの生産性を高めるには必須の要件といえる。
Pro 4の純正キーボードである「Type Cover」はキートップがセパレートタイプ(アイソレーション)となって、より標準的なノートPCのキーボードに近づいたほか、ペンについても背面を消しゴムとして使える機能が加わるなど、使い勝手が向上している。
また、ペンをマグネット吸着で本体に収納できるようになった点も見逃せない。「“ペンがなくなってしまう”というユーザーの悩みに応えた結果です」と土屋さんはアピールする。これらはSurface Dockとは対照的に、外出先での生産性を担保する機能だ。
「ワークスタイル改革が進む昨今、近い将来、会社に来るのが当たり前ではなくなる時代が来ます。その際には外出先でも満足な作業環境が作れることがより大事になるでしょう。新しいSurfaceとWindows 10を組み合わせれば、より鮮明に新しい働き方がイメージできるようになると思います」(土屋さん)
より高い生産性、そして新しい働き方を提示してくれるSurface Pro 4とWindows 10だが、企業導入がそう簡単に進まないことも土屋さんは理解しているという。しかし、時間がかかるからこそ、早くからWindows 10をテスト的に導入してほしいと強調する。
「外国の企業だとまず導入して、問題が起きたら対処するというアプローチを取るケースが多いのに対して、日本の場合、特に大企業では互換性などの検証や移行の準備をしっかりと行ってから導入するケースが多いです。すぐには導入に踏み切れない事情があることは理解していますが、サポート切れの問題もありますし、いつかはOSを変えなければならないときが来ます。そのときに慌てないように、今からWindows 10を試して、導入を検討してほしいと思っています」(土屋さん)
新OSを検討するにも、提案する立場の人間がその魅力を伝えられなければ意味がない。情報システム部門が先行して試す意味は、まさにそこにあるという。
「モビリティの利便性など、現場に近い立場だからこそ、経営層に提案できるポイントがあります。情報システム部門こそ、業務部門の人よりも真っ先に最先端の技術に触れてほしいのです。OSやデバイスの移行は、製品のサポート切れなどの外部要因によって決定され、比較的“受け身”のプロジェクトになりやすい物事ですが、Windows 10とSurface Pro 4は生体認証など、使ってワクワクする機能がたくさんあります。楽しみながら、そして自分たちが次の時代の働き方を作るのだという見方で検証を進めてほしいですね」(土屋さん)
企業でWindows 10を検証するなら、ぜひ「Surface Pro 4」で――。あなたの会社でもSurface Pro 4で新しい時代の入り口を体験してみてはいかがだろうか。
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