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» 2019年01月28日 10時00分 公開

中小企業特集 「働き方改革」編:予算もリソースも足りない中小企業、それでも「働き方改革」を進めるには?

人手不足と生産性向上の必要性を背景に進む「働き方改革」。この両者の問題は、大企業よりも中小企業の方が深刻だ。しかし、それでもなかなか改革が進まないのはなぜか。彼らが抱える課題を読者調査と統計資料から読み解く。

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 「働き方改革」――。この取り組みが“国策”となって以来、従業員の働き方を変えるべく、奮闘している企業は多いのではないだろうか。働き方改革の必要性が叫ばれる背景には、日本の人口減少と他の先進国と比べて労働生産性が低いという、2つの問題があるが、特に人口減少に起因する人手不足の影響は、大企業よりも中小企業の方が深刻だ。

 アイティメディアが中小企業に向けて行った調査(2018年実施)では、自社が抱えている経営課題について質問したところ、最も多かったのは「人材の確保・育成」であり、約半数の企業が悩んでいることが浮き彫りになった。次いで「業務の効率化・生産性向上」「新規ビジネスの創出」と続くが、この3つの課題は互いが密接に結び付いている。人材が減り、眼前の業務に追われ続ければ、新規ビジネスを生み出す余力は残らないだろう。

 中小企業庁の統計によると、1999年には約484万社あった中小企業の事業者は、2016年には約358万社にまで減少した。特に直近の2年間で見ると、1年間に10万社以上がつぶれている計算だ。多様な人材を集め、新規ビジネスの創出に使える時間を確保する――こうした取り組みを進めなければ、企業の存続すら危ぶまれる時代になっているのだ。

photo アイティメディアが2018年に実施した読者調査から抜粋。自社の経営課題として、「人材の確保・育成」を挙げる企業が最も多く、その割合は半数を超えた

賃上げや労働環境など、条件面の改善には限界が ITの活用がカギに

 こうした人材不足の現状に対し、中小企業はどのような対策をしているのか。中小企業庁が公表している「中小企業白書(2018年版)」では、「賃上げなどを軸にした労働条件改善による採用強化」や「従業員の兼任」などで対応している企業が多いことが示されている。しかし、ただでさえ原資やリソースが逼迫(ひっぱく)しがちな中小企業において、賃上げや労働環境の改善といった条件面の改善は簡単なことではない。

photo 中小企業における人材不足への対応方法(「2018年版 中小企業白書」から引用)

 ここで注目すべきは、IT導入や設備の導入といった投資によって省力化を図ろうとする企業が少ないことだ。労働条件の改善を進めている企業(48.1%)に比べて、その数は半数にも達していない(22.1%)。

 中小企業白書では、オフィススイートやメールシステム、経理ソフト、ERPといった代表的なITツールの利用状況にも触れているが、「十分に利用できている」と感じている企業はオフィススイートや電子メールシステムでも55%前後、EDIやグループウェアに関しては2割を切る状況だ。こういった調査からも、ITによる生産性向上の余地が大きいことが分かるだろう。

photo 中小企業におけるITツールの活用状況(「2018年版 中小企業白書」から引用)
photo アイティメディアが2018年に実施した読者調査から抜粋。働き方改革を進めるために、「テレビ会議(ビデオ会議)システム」や「グループウェア」を導入、または検討している企業が多いことが分かる

 それでは、働き方改革を進めるに当たって有効なITツールは何なのだろうか。再びアイティメディアが実施した読者調査に戻ると、働き方改革を目的に導入、または検討しているソリューションとして「テレビ会議/ビデオ会議」「グループウェア」「スマートデバイス(スマートフォンやタブレット)」を挙げている企業が多いことが分かる。

 情報共有や会議の参加を通じて、時間や場所を問わずに業務が行える――日本では「女性の働き方」にスポットライトが当たっていることもあり、子育てや親の介護といった状況にも対応できるよう、「テレワーク(在宅勤務)」を推進している企業が多いことから、こうした結果につながっていると考えられる。

業務プロセスを見直し、「IT導入補助金」などの施策も活用して改革を進めよう

 とはいえ、こうしたITソリューションを導入するにはカベもある。コスト負担(およびROI)の問題や、従業員のリテラシー不足に悩む企業は少なくない。専任の情報システム担当がおらず、プロジェクトを進める余裕がないという企業も多いだろう。

 しかし、こうしたカベを超えることができたとしても、「業務プロセスの見直し」ができていないためにソリューションを導入しても効果が上がらず、改革に失敗してしまう企業が多い点も見逃せない。

 その分かりやすい例が「RPA(Robotic Process Automation)」だ。定型業務をソフトウェアロボットに任せることで自動化し、工数削減を目指すツールとして導入を検討する企業が増えているが、業務プロセスを見直すことなく導入すると、非効率なプロセスが硬直化してしまう。最悪の場合、RPAそのものが業務のボトルネックになってしまうケースもある。業務部門とバックエンドの部門が協力し、丁寧に業務を洗い出してみること――これが働き方改革の第一歩といえる。

 「ソリューションを導入する予算がない」という場合は、補助金や助成金を頼るのも一つの手だろう。特に「IT導入補助金」は上限50万円まで補助が受けられる。2018年度の公募は終わりつつあるものの、2019年度についても、既に閣議決定が行われており予算化される見込みだ。

 この他にも、国は「よろず支援拠点」や「働き方改革推進支援センター」など、働き方改革や人手不足の問題に対して、無料で相談できる窓口も用意している。予算もリソースも足りないかもしれないが、問題を認識し、行動を起こしさえすれば、企業が生まれ変わるための武器は数多く用意されている。

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提供:株式会社OSK
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2019年3月27日

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