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» 2021年01月21日 10時00分 公開

赤ちゃん研究をペーパーレスに 安全性と利便性は両立できるのか「鍵の付いた棚で保管」からのデジタル化

研究開発の長い歴史を持つピジョンは、個人情報を厳格に管理していた。しかし管理が厳密過ぎて、研究開発の効率が低下していたという。安全なデータ保護と柔軟に活用できるシステムをどのように構築したのか。

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 1957年に設立されたピジョンは「愛」を経営理念に、育児やマタニティ、ホームヘルスケア、介護に関わる製品の製造や販売、関連サービスを提供している。同社は高品質な商品やサービスを開発するために研究を重視しており、モニターを募って赤ちゃんの行動や成長を細かく観察して製品やサービスの開発に役立てている。

 同社の中央研究所は赤ちゃん研究の長い歴史を持つ。しかし、モニター会員とのコミュニケーションやプロジェクトの管理手法は旧態依然としていて、それがモニター会員募集の効率を低下させる要因になっていた。そこで、効率的かつ効果的な研究にするために、全面的なデジタル化に踏み切った。

 デジタル化に当たっては、センシティブな個人情報を安全に取り扱うことができ、さまざまな研究で柔軟に使えるシステムが必要だ。困難な条件に対してピジョンが選択したのは、セキュリティと利便性を両立させる「特急開発プラットフォーム」だった。コロナ禍における研究を強力に支援し、ITに不慣れな研究員が「もっと応用したい」と思うほど好評だという。

研究を中核とした製品開発 レガシーな手作業運営を改善したい

 ピジョンは2019年12月、同社の“存在意義”を「赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします」と定義してブランド強化に努めている。

 同社のブランドを支えるのは研究開発だ。茨城県つくばみらい市に中央研究所を設置し、中国やインドネシア、トルコ、インドなどにも製造拠点を設けて各地域のニーズに合わせた製品の研究開発に取り組んでいる。

 育児分野においては、赤ちゃんを製品の“顧客・使用者・購入者”として捉えて研究する必要がある。そこでピジョンは、中央研究所の周辺に住む母子にモニター会員として協力してもらい、行動や成長を観察してきた。

 モニター会員の個人情報は紙のカルテで管理し、施錠できる棚に保管して研究所内の決められたスタッフしか扱えないようにしていた。マーケティング施策で参加者の統計情報が必要となった際は、カルテを扱う権限を持つスタッフが必要な情報のみを抜き出していたという。

 この「紙の書類を扱う手作業」というプロセスが迅速な開発研究を阻害していた。また、モニタープロジェクトへの参加を依頼する手段は電話のみだったため、幅広い層に協力を要請するのが難しくなっていた。

ピジョンの大杉佳美氏

 「育児中のお母さんはいつも忙しく、赤ちゃんのリズムに合わせて生活しています。そのため、適切な連絡のタイミングは私たちの業務時間と必ずしもマッチしません。赤ちゃんの成長とモニター募集のタイミングが合わないことも少なくありません。そこで、モニター会員とコンタクトを取る手段を増やし、モニター会員が興味のあるプロジェクトを自ら選んで積極的に参加できる仕組みが必要だと考えました。それには現在のプロセスをデジタル化することが急務でした」と、ピジョンの大杉佳美氏(中央研究所 開発本部 哺乳・授乳研究室)は語る。

 同社はもともと、EC向けのアンケートや顧客管理に利用するマーケティングシステムを保有していた。当初は同システムの応用を検討していたが、会員ページのカスタマイズ性が不足していたり、研究に関する個人情報保護のセキュリティレベルに不安があったりといった課題が多く、条件に合わなかったという。そこで、より堅固で使いやすい研究所用の新システムが必要だと判断した。

 しかし、SIerによるフルスクラッチ開発ではコストが高くなりがちで、クラウドサービスでは細かなカスタマイズが難しくなりやすい。さまざまな手段を探した末に大杉氏らが選んだのは、パイプドビッツの特急開発プラットフォーム「SPIRAL」だった。

ピジョンの吉部香苗氏

 「SPIRALは大型のマーケティング施策や金融機関、自治体で活用されている事例が多く、研究用途の個人情報管理も安心して任せられると判断しました。予算にも納期にも制限がある中で、パイプドビッツさんは中央研究所まで来訪してわれわれの話を親身に聞き、研究のニーズを理解して『SPIRALで作れる』と確約してくれました」と、ピジョンの吉部香苗氏(中央研究所 開発本部 哺乳・授乳研究室)は振り返る。

SPIRALで管理システムを開発 デジタルでモニタープロジェクト運営

 中央研究所はパイプドビッツに依頼して「近隣モニター会員管理システム」を構築した。同システムは、ピジョンが利用する「モニター管理機能」と会員が利用する「マイページ機能」の2種類からなる。

 モニター管理機能は、モニター会員の情報とモニタープロジェクトを連携させて管理する。プロジェクトの実績をまとめ、その後のモニター計画に役立てられるという。

 マイページ機能では個人情報の登録や編集、開催中のモニタープロジェクトへの参加申し込み、新規プロジェクトの案内、これまでに参加したモニタープロジェクトの確認などができる。メールアドレスを追加登録すれば電話とメールを使い分けてコミュニケーションを取れる。ピジョンからのメールを受け取る機能もあり、お知らせなどを受信できる。

システムの概要図(提供:パイプドビッツ)

 新しいプロジェクトが始まる際は、担当者がSPIRALに必要な情報を入力して募集画面や管理画面を生成する。プロジェクト募集メールの配信や参加会員の管理といった運営業務もSPIRALで一元的に処理できる。従来は紙書類で記録を残していた同意書も、デジタル化してSPIRALで管理できるようになった。

ピジョンの鍛冶谷 清香氏

 SPIRALは、2020年のコロナ禍においても役に立った。ピジョンの鍛冶谷 清香氏(中央研究所 開発本部 哺乳・授乳研究室)は、コロナ禍以降の業務について「全社的にテレワークに切り替わり、モニター会員とはSPIRALを通じてオンラインでやりとりしています。機密性の高い、重要なコミュニケーションは『オフィスに出勤して電話で連絡する』などの安全性に配慮したプロセスを採っていますが、従来の紙業務と比べて業務負担は大幅に軽減されました」と語る。

将来の新しい研究にもSPIRALの活躍を期待

 大杉氏らは、パイプドビッツのサポートを高く評価している。開発中はもちろん、運用開始後も誠実なサポートを受けているという。

 「われわれはITに不慣れですが、パイプドビッツさんはしっかり時間を取って粘り強く、分かりやすく解説してくれます。今では理解が進んでシステムに慣れたため、何かアイデアがあると『SPIRALで実現できそうだ』と判断できるようになりました」(鍛冶谷氏)

 ピジョンは、コロナ禍においても平時と変わらず研究開発に注力し、顧客満足度の向上やブランド強化に努めていく予定だ。その中で、中央研究所はモニターとのパートナーシップを強化するため、礼品の送付や他のクラウドサービスとの連携強化、研究に用いる新しいデータベースの構築などにSPIRALの活用を検討しているという。

 「研究開発は、年月をかけて発展、進化するものです。運用のプロセスやシステムも、時代に合わせて進化しなければなりません。モニタープロジェクトの運営だけではなく、研究に関わる運用や仕組みもSPIRALに搭載したいと考えています」(大杉氏)

 「SPIRALは『成長できるシステム』だと考えています。もっと使いこなして研究に役立てたいのですが、まだまだ理解が追い付いていないところもあります。これからもパイプドビッツさんから活用方法の提案を受け、検討を進めていくつもりです」(吉部氏)

編集部注:大杉氏、吉部氏、鍛冶谷氏の所属は、取材当時の部署を記載しています



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提供:株式会社パイプドビッツ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2021年2月16日