サプライチェーンの主要企業が混乱を減らす方法を考え出した。混乱を減らすために「混乱を作る」戦略をとれば、サプライチェーンのリスクを制御できるという。
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サプライチェーンの最高責任者は近年、サプライチェーンを取り巻くリスクに次の3つの変化が生じていると認識している。
主なリスクは、米中間の貿易戦争や米国西海岸の火災、中国の大規模な洪水、アジアの干ばつなどの地球規模の気候変動から生じた。ある再保険会社のデータによれば、自然災害による平均的な被害額は2000年代半ばに比べて2.4倍に増加した。
Gartnerの「2020 Supply Chain Signature Series Risk Survey」によると、サプライチェーンのリーダーは「未知の混乱が発生するたびにサービスにかかるコストが平均4%増加した」と回答したという。近年リスクが起こる頻度を考えれば、コスト増加は恒久的だといえる。
こうした中でサプライチェーンのリーダーが再評価するのがリスク戦略だ。ほとんどの企業は敏しょう性や回復力、可視化への投資を通じて混乱への対応を改善しようとし、混乱発生後の影響軽減に重点を置く。Gartnerのデータによると、リスク戦略を適切に再評価した場合、混乱の影響は軽減できるという。
しかし、現在の混乱率が上昇する状況では、こうした対応主導型の戦略は力不足だ。現在のサプライチェーンには、別の混乱が生じる前に十分な準備をする時間がないからだ。
多くの企業は可視性、回復力、敏しょう性に投資しているにもかかわらず、混乱への対応が後手に回る状況を余儀なくされている。
しかし、主要企業は継続的な混乱という悪循環から抜け出し、全体的な混乱率を減らす戦略をとる必要性を認識している。
Gartnerがサプライチェーン管理の先進的な企業とそれ以外の企業との違いを調査した結果、2つの重要な発見があった。
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