ランサムウェアに対する企業の緊張感は高まっているが、対策をしてもその隙間を狙うのがサイバー犯罪グループだ。ストレージ製品やサービスを提供するRubrikは、ランサムウェア攻撃を受けた場合のデータ復旧機能を提供するが、万が一復旧できない場合は、復旧のための資金として500万ドルまでを補償する。補償金を実現できるのはRubrikが同社の技術へ信頼と自信を持っているからだ。Rubrikと従来ベンダーの違いをプレジデントが明かした。
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米国のセキュリティ企業であるRubrikは2022年7月22日、ランサムウェアに対する復旧保証サービスの提供開始を発表した。「Rubrik Enterprise Edition」とRurikが「Microsoft Azure」にホストして提供する「Rubrik Cloud Vault」を利用するユーザーが対象で、ランサムウェア攻撃を受けた際、セキュリティ保護の対象となっていたデータについて復旧が不能だった場合に復旧関連費用としてRubrikが最大500万USドルを提供する。
業界初となる同サービスを実現した背景には、Rubrikのセキュリティサービスへの強い信頼と自信があるようだ。他社ベンダーとの違いを、Rubrikのプレジデントであるダン・ロジャーズ氏に聞いた。
ロジャーズ氏は、Microsoft、Amazon Web Services(AWS)、Salesforceなどで20年以上に渡りIT業界でキャリアを築いてきた人物だ。ロジャーズ氏は昨今のセキュリティ動向について次のように現状を説明する。
「既存のセキュリティサービスは後付けでセキュリティを追加するが、これではセキュリティシステムとして十分ではなくなっている。外に足すのではなく、根本的に『中から』データを守るサービスが必要になっている」(ロジャース氏)
2014年からゼロトラストデータプロテクションサービスを提供するRubrikは、現在ではオンプレミスの保護やデータ分析、リスク特定も行っており、世界の約4000社の顧客をサイバー攻撃から守っている。
「レガシーシステムが抱える問題を解消し、セキュリティの課題を改善する助けになりたい」(ロジャーズ氏)
ロジャーズ氏によれば、数ある従来ベンダーとRubrikの違いは、サービスの根本的な組み立て方にある。
今や企業規模や事業内容に関係なく、データは最も重要な企業資産の1つになっている。従来のセキュリティベンダーのサービスは、インフラストラクチャやネットワーク、エンドポイントのセキュリティを高めてデータを守るという、「外から守るスタイル」だった。
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