なぜDr.SumはPower BIのパフォーマンスを最大化できるのかエンドユーザーのデータ活用をエンタープライズBIにつなぐには

BIツール「Microsoft Power BI」をフル活用するには、Power BIとデータマートを組み合わせて利用する工夫が必要だ。データマートとは業務分野別の情報を提供する企業内のデータベースだ。エンドユーザーに最も近いところでデータマートを構築できる国産ベンダーのツールと組み合わせることで、データ活用の幅が広がるという。その仕組みを聞いた。

» 2023年01月31日 10時00分 公開
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 情報システム部門が管理する従来型のエンタープライズBI(ビジネスインテリジェンス)とは別に盛り上がりを見せるのが、誰でもデータ活用が可能なセルフサービスBIだ。国内外のBIベンダーがさまざまなサービスを提供している。「部門ごとにばらばらになっているデータ活用の環境を、担当者に負荷をかけずに企業としてのガバナンスを効かせて管理フローに乗せたい」「セルフサービスBI環境のパフォーマンスを高めて効率化したい」という要望に応える製品はあるのだろうか。

 ウイングアーク1stはデータ活用基盤の「Dr.Sum」を提供し、顧客企業のデータ活用を促進してきた国産ベンダーとして知られる。同社の田崎早瀬氏(Data Empowerment事業部 ビジネスディベロップメント室 室長)は「20年以上、日本のデータ活用に取り組んできた」と、国内企業のデータ活用支援体制に自信を見せる。

 データ活用基盤のDr.Sumは各業務システムからデータを収集し、分析しやすい形にデータを加工し、格納する。その後、BI製品の「MotionBoard」に代表されるダッシュボードで分析、可視化し、次のアクションにつなげる。運用担当者の負荷を軽減できるため、サーバの設定や保守をウイングアーク1stが担うクラウド版「Dr.Sum Cloud」も好評だという。

 同社はプロダクトの提供だけではなく、プロダクトの運用者、利用者向けにデータ活用支援サービスにも力を入れている。Web会議ツールを用いたオンラインサポートが最近では好評のようだ。

オープンな接続性を強化する国内実績多数のデータ活用基盤

 同社がDr.Sum Cloudの機能拡大で注力するのが、オープンな接続性だ。田崎氏は「顧客企業の社風や業務内容に応じて、最適なツールは異なる」とその意図を説明する。

 「オープンな接続性を重視するには、各パートナー企業のプロダクトやサービスと接続するエコシステムの構築が重要だ」(田崎氏)

ウイングアーク1stの田崎早瀬氏

 エコシステム構築に当たって同社が重視する接続相手の一つが「Microsoft Power BI」(以下、Power BI)を擁するMicrosoftだ。Power BIはローコードで業務を自動化する「Microsoft Power Automate」やカスタムアプリケーションを容易に開発できる「Microsoft Power Apps」などと並んで、「Microsoft Power Platform」を構成する要素の一つだ。

 Dr.SumとPower BIを接続するには、これまではCSVデータを介したインポートしか方法がなかった。ウイングアーク1stがDr.SumとPower BIを接続する「カスタムコネクタ」の提供を2022年5月に開始したことで、両製品の連携効率は格段に良くなった。

BIを組織として活用する「エンタープライズBI」を実現するPower BI

日本マイクロソフトの帥 暎g氏

 日本マイクロソフトの帥 暎g氏(Power BI CAT《Customer Advisory Team》 シニアプログラムマネジャー)は「Power BIはセルフサービスBIとしては後発の部類に入るが、エンタープライズBIの世界で蓄積されたノウハウ及び長年の経験を生かし、先行セルフサービスBIベンダーを見ながら改良を進めるからこそできる実装もある。アップデートが速く、ライセンス体系の面でもコストパフォーマンスの高さを評価されている」と強みを説明する。

 有償版の他、ローカル環境での利用を前提とした無償版「Power BI Desktop」も提供している。これに加えて「エンタープライズBI」を掲げる通り、「Microsoft Azure」が提供するエンタープライズIT向けの各種機能やガバナンスを効かせた運用管理に対応する点も大きな強みだ。「Microsoft Excel」を使ったデータ分析のナレッジが企業の中に蓄積されていることを生かして高度なデータ活用につなぐアプローチは、Dr.Sumとも共通する点だ。

Microsoftのクラウドサービスのうち、データ分析とAIに関するポートフォリオ。同社のクラウドサービス全体はビジネスアプリケーションやサイバーセキュリティ、インダストリーなどのエンタープライズIT全体を包含しており、Power BIはそれらにつながるソリューションの一つだ(提供:日本マイクロソフト)

 帥氏は日本をはじめとするアジア圏においてPower BIを企業の業務改革に生かす支援活動を進めている。同時に各国の顧客企業から寄せられるフィードバックを製品開発チームに橋渡しする役割も担う。グローバルで提供されるITツールは往々にして、地域固有の課題や要望がうまく反映されず、もどかしく感じることもある。そこでPower BIの進化について、「顧客とのリレーションシップから得た気付きを迅速に製品チームへフィードバックし、製品チームがこれを基にビジネス・クリティカルな要望をPower BIの新規機能として搭載させていく」と帥氏が説明するように、製品と顧客のフィードバックループを回す体制が整っている。

 Excelユーザーとの親和性が高く、顧客重視の姿勢を持つPower BIをウイングアーク1stは接続先として重視する。

 田崎氏はPower BIとの連携に至った背景について、「BIツールは部門ごとに異なるものを使うケースもあるが、データマートは一つに限定したいという声をよく聞く。こうした中で『事業部門が利用してきたDr.SumのデータをPower BIでも活用したい』という要望が多く寄せられた」(田崎氏)

データマートを置くことにより、データウェアハウスなどの大量のデータの管理負担を軽減し、目的に応じてスピーティーにデータを取り出せるため、ユーザーのデータ活用を促進できる(提供:ウイングアーク1st)

データベースエンジンとしての処理性能の高さを生かしたデータ分析環境を実現

 Dr.SumはユーザーフレンドリーなUI(ユーザーインタフェース)を持ち、エンドユーザーに近いところでデータマートを構築できる点が強みだ。何よりも国産ベンダーとして、日本企業の商流や企業文化に即したかゆい所に手が届く機能がある。データサイエンティストではない事業部門の各担当者が安全に操作できるという強みは、細かなデータもデータマート化して活用するデータドリブンな事業運営に生かしやすい。

 エンドユーザーが持っているデータを取りこぼさないことと同時に、現場に負荷をかけずにリアルタイムで精度の高いデータ活用を求める経営層の需要に応えられるだろう。

 これに加えて帥氏がPower BIとの接続で高く評価するのがデータ処理性能の高さだ。

 帥氏はDr.Sumについて「データベースエンジンのデータ処理パフォーマンスが高いことに驚いた。数百万件のデータでも最小限のシステム負荷で短時間に処理できる」と優秀さを評価する。Dr.SumのカスタムコネクタがMicrosoftのデータ変換、準備エンジン「Power Query」の特性を生かしたことが効いているようだ。

 「Power Queryが備えるクエリ処理やデータモデルの読み込みを最適化する『クエリフォールディング』が性能向上に功を奏したように見える。『クエリフォールディング』はローカルPCで実施されるクエリ変換処理の一部(または全て)をソースシステム(Dr.Sum)にオフロードする機能であり、条件はあるものの、これを組み合わせて使うことでストレスのないデータ分析が可能になるだろう」(帥氏)

 Power BIの実装を見極めて性能を追求する点は、ウイングアーク1stのコネクタ開発におけるこだわりが見て取れる部分だ。

 帥氏が独自に評価した結果を見ると、約1300万行×13列のデータをPower BIに読み込む処理では、本格的なデータベースサーバである「Microsoft SQL Server」の後じんを拝するものの、Dr.SumでCSVファイルを読み込んでからロードすると、Power BIが直接CSVファイルを読み込む場合よりも高速化したことが分かる。

Power BI+Dr.Sumの性能評価 画面中央の「Rows per second」と「Performance Comparison」を見ると、1秒当たりの読み込み行数では、Dr.Sumが約10万行、CSVが約7.6万行となっており、CSVよりもDr.Sumの方が約1.3倍も高速だ(提供:帥氏のブログ「テクテク日記」https://marshal115.hatenablog.com/entry/2022/12/08/190224)

 もともとDr.SumとPower BIの組み合わせを求める顧客が多かったことから、カスタムコネクタを活用する企業も出てきた。連携によってデータ分析のパフォーマンスが向上したのはもちろんのこと、Dr.Sumに蓄積したデータをタイムラグなくPower BIで可視化できるようになった。

 ある企業はDr.Sumに蓄積したデータを分析に利用する一方で、予算データと実績データを組み合わせた予算実績管理にPower BIを使用しており、これまでは逐一データをインポートしていたという。

 当然ながら実績データは毎日変化する。修正予算が発生したら、予算データも対応しなければならない。その都度データインポートの手間が発生していたが、データをDr.Sumに自動的にアップロードする環境を用意することでカスタムコネクタを通じたPower BIによる可視化がより簡単に実現するようになった。

データカルチャー醸成にも役立つ顧客に寄り添った対応

 データ活用シナリオは着々と進んでいる。だが、帥氏は「(日本企業は)DXという言葉こそ大好きであるが、データカルチャーの醸成がまだまだ不十分。人材不足も原因の一つだが、自発的に学べる環境、データリテラシーの教育と習得にこそ課題がある」と警鐘を鳴らす。

 社内でのデータ活用プロジェクトを成功させるためには経営層によるサポートやIT部門による仕組み作りはもちろん必須であるが、帥氏は「パワーユーザーが社内で成功事例を作って横展開する」ことが、Dr.SumとPower BIを組み合わせた活用例につながると説明した。田崎氏も「データ活用を成功させる重要なポイントはパッション(情熱)。どれだけの熱量を持って取り組み、その内容を経営層が認めるのかがポイント」になると指摘する。

 この点でウイングアーク1stは国内企業のデータ活用ユースケースや業界、業務別のシナリオの蓄積が強みとなる。「何かやってみたい」「このデータを使うとよさそうだが活用方法が分からない」「新たな取り組みに挑戦したいが具体的な方法が分からない」といった問い合わせに対しても、顧客の意図をくみ取って一緒に解決を目指すという。

 「まだ具体化できていなくても気軽に問い合わせてほしい。20年間の実績から、何らかの助言や課題の整理を支援できる」(田崎氏)

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提供:ウイングアーク1st株式会社、日本マイクロソフト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2023年2月28日

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