Google Cloudがコンサルティング部門を立ち上げ シェア争いの行方はCIO Dive

Google Cloudは、2023年4月にコンサルティングサービス部門を立ち上げた。同様のコンサルティング部門を有するMicrosoftやAWSにないメリットを打ち出し、巻き返しを図る。

» 2023年05月25日 08時00分 公開
[Matt AshareCIO Dive]

この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。

CIO Dive

 「Google Cloud」は、新規および既存の企業顧客をサポートし、エコシステムパートナーへのアクセスを統合し、提供するためのコンサルティングサービス部門「Google Cloud Consulting」を立ち上げたと、同社は2023年4月18日のブログ記事で発表した(注1)。

 「Google Cloud Consultingは、テストや計画、最適化のガイダンス、エンジニアリングの専門知識、認定トレーニングも提供する」と、同部門のバイスプレジデントであるリー・ムーア氏はブログへの投稿で述べている。

 この新しいビジネス部門は、ハイブリッドやマルチクラウドの導入管理に加え、人工知能(AI)を含む機械学習(ML)、データ分析機能の実装を支援するために、同社が2022年に開始したコンサルティング業務を拡張したものが基盤だ(注2)。

コンサル事業でライバルにどこまで食い込めるか

 会話型AIサービス「Bard」が「ChatGPT」とジェネレーティブAIの優位性を争うかたわら(注3)、Googleはパブリッククラウドにおいても、ライバルの「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」(Azure)との市場シェア争いを繰り広げている。

 調査会社Synergy Research Groupの最新の分析によると、3大クラウドプロバイダーは世界のクラウド市場の3分の2を占めているが、その中でもGoogleは市場全体の10分の1強を占める(注4)。

 Google Cloudは、2022年にコンサルティング業務を強化するために、Accentureに30年間勤務していたムーア氏を北米のカスタマーエクスペリエンス担当として起用した。Googleは同じタイミングに、グローバルデリバリーとテクニカルオンボーディングセンターを担当するバイスプレジデントとして、同じくAccentureのベテランであるスニル・ラオ氏を採用し、クラウド製品コンサルティングの指揮を執らせた。

 「Google Cloud Consultingのクラウドサービスは、複数の専門分野にまたがるサービスを1つの場所に集め、統一されたサービス機能を提供する」とムーア氏はブログで述べている。

 これらのサービスには、小売、ヘルスケア、通信事業者向けの業界クラウドソリューションや、クラウドベースのデジタルトランスフォーメーションに関する技術指導が含まれている。

 MicrosoftとAWSには「Microsoft Professional Services」や「AWS Professional Services」など、企業向けクラウドの顧客を対象とした同様のコンサルティング部門がある。マーケットシェアでハイパースケーラーを追うIBMは、2023年1月にパートナーシッププログラムを刷新し、ハイブリッドマルチクラウドとAIでのポジションの強化を狙った(注5)。

 黒字化に向けて少しずつ前進しているとはいえ、検索エンジンの巨人であるGoogleにとって、2022年のクラウドは依然として赤字だった(注6)。Googleの親会社であるAlphabetは、2022年の最後の3カ月間に500億ドル近い損失を計上し、前年同期に報告された損失の半分に減らした。

 同社は4月最終週に、2023年第1四半期決算を発表した(注7)。

© Industry Dive. All rights reserved.

注目のテーマ