将来を見据えた現行環境からのポジティブな移行のすすめ柔軟なモダナイゼーションという選択肢

長く利用してきたITインフラの継続利用が危ぶまれる場合、どのような選択をすべきか。仮想環境からの単なる住み替えではなく、将来を見据えたモダナイゼーションのための「価値ある投資」にする選択肢とは。

» 2024年06月18日 10時00分 公開
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 仮想環境を長く利用してきたが、ハイパーバイザーのライセンス費用の値上がりや技術の変化、クラウドの台頭などを理由に基盤の移行を検討する企業もあるだろう。安定的に運用してきた環境はなるべく変えたくないというIT部門の声に耳を傾けてきた経営層も、中長期的な視点からあるべき基盤の姿を見直す時期が来ている。

 ITインフラの移行失敗はコスト面でのダメージが大きいことはもちろん、事業継続をも危うくさせるリスクがある。だが失敗を恐れるあまり変化を敬遠していると技術負債といった「負の遺産」は蓄積されるばかりだ。

 本稿では、ITインフラの移行をネガティブな「単なる住み替え」ではなく、将来を見据えたDX推進のためのポジティブな投資にする選択肢を紹介する。

仮想マシンの「塩漬けシステム」から脱却したい でも、どうやって?

photo レッドハットの手塚 由起子氏

 時代や環境の変化に合わせたモダナイズは今や経営課題だ。ITインフラを刷新し、柔軟性と俊敏性を獲得したいと考える企業は多い。

 レッドハットの手塚 由起子氏(テクニカルセールス本部 エコシステムソリューションアーキテクト部 シニアエコシステムソリューションアーキテクト)は、「モダナイズのリスク面ばかりに目が行き、レガシー環境という負の遺産を持ち続けてしまうケースはよくあります」と指摘する。

 適切なリスク評価をせずにレガシーシステムを保持し続ける場合、技術的に対応できる保守エンジニアも確保しなければならないが、現在の経験豊かなエンジニア層が世代交代することでそれも困難になりつつある。

photo SB C&Sの河上珠枝氏

 SB C&Sの河上珠枝氏(ICT事業本部 技術本部 技術企画室 技術企画課)は「ITはものすごいスピードで進化しています。塩漬けにされたシステムを維持し続けると、サポート切れや互換性などの問題によって新しい環境とのギャップが大きくなり、移行に苦労することが予想されます」と話す。

 「今はまだ問題が発生していないから」「今の環境をなるべく長く使い続けたいから」と後回しにするのではなく、早め早めに手を打つのが得策だ。

「緩やかな移行」という選択肢

 技術負債を増大させるリスクを回避するために、企業はどうすべきだろうか。

 仮想環境の乗り換え先にはさまざまな選択肢がある。仮想化のための統合インフラシステム「HCI」(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ)もその一つだが、仮想化の構成要素が変わるため運用の見直しが必要になる。

 リスクを避けるためには現状に近い仮想環境への移行も候補になる。移行の手間が小さく、運用手順もあまり変わらないのが魅力だが、河上氏は「これまでと変わらない環境に移るために移行コストと手間が発生しているという見方もできます」と疑問を投げ掛ける。

 「手間とコストをかけるなら、問題を先送りするのではなくシステムやアプリケーションのライフサイクルを見直すきっかけとして、少しずつモダナイズしていくのはいかがでしょうか」(河上氏)

 手塚氏と河上氏が「最終的にあるべき姿」として挙げるのが、DXのためのモダナイゼーション、「DevOpsを可能にするITインフラ」だ。そこに一足飛びで着地するのは難しいので、まずはアジャイルな開発環境を整備するための取り組みとしてコンテナ化しながら仮想環境も共存できる基盤への移行を推奨する。

 仮想環境を利用してきた企業では、仮想マシンでさまざまなワークロードのアプリケーションが動いている。特定の仮想マシンしかサポートしないパッケージ製品を利用しているケースもある。

 「複雑でコンテナ化困難なアプリケーションが多く稼働しているユーザーは非常に多いです。 一方で、ビジネス環境の変化や技術進化に合わせて変えられるものはどんどん変えていきたい。そのための有力な選択肢が、仮想マシンとコンテナのハイブリッド環境です」(手塚氏)

コンテナと仮想マシンをハイブリッド運用する「OpenShift Virtualization」

 仮想マシンとコンテナを一緒に運用管理できるのが「Red Hat OpenShift Virtualization」(以下、OpenShift Virtualization)だ。同機能は「Red Hat OpenShift」に含まれ、仮想マシンワークロードの実行とデプロイを可能にする。「コンテナと仮想マシンをOpenShiftのKubernetesで動かすことで仮想環境からの『緩やかな移行』ができます。コンテナと仮想マシンを一つのプラットフォームで運用できるのが最大の特徴です」(手塚氏)

photo OpenShift Virtualizationの概要図(出典:レッドハット提供資料)

 コンテナにはLinuxベースのものも多いが、OpenShift Virtualizationを使えばWindowsアプリケーションでもKubernetesで動かせる。Windowsをインストールした仮想環境からの段階的な移行が容易になる。

 そもそも、モダナイズのためにコンテナ化するメリットは何か。河上氏は次の4つを挙げる。

  • リリース頻度の向上:アプリケーションの機能変更や追加が容易なのでリリース頻度を上げられる。外部環境の変化や顧客の要望に素早く対応できるようになる
  • DevOpsの実践:開発から運用までのプロセスをスムーズにするDevOpsの取り組みやアジャイル開発を加速できる
  • スケーラビリティ:コンシューマー向けサービスが話題になってアクセス急増が予想される場合にリソース追加が容易で、ビジネス機会の逸失を防止できる。逆に利用頻度が低いものはリソースを簡単に減らせる。柔軟なリソース配分でコストの最適化を図れる
  • サービス拡張:マイクロサービス化などによるサービスの拡張が容易

 リリース頻度の向上は経営面でも恩恵が大きい。「仮想マシンで塩漬けにされてきたアプリケーションの中には、最低限しか更新しないものも多いと思います。競合他社とスピード感で差を出して顧客満足度を上げるためにも、コンテナ化は不可欠です」(河上氏)

 手塚氏はコンテナが持つ高いポータビリティ性のメリットを語る。「コンテナはハードウェアとアプリケーションを疎結合する技術です。一度コンテナ化すれば、コスト面や開発の事情に合わせて、アプリケーションを世界中のコンテナ基盤で動かせるようになります」

モダナイズのためのマインドチェンジを支援

 もちろん移行には手間がかかり、管理者が学ぶべきスキルもある。OpenShift Virtualizationには移行を支援するツールやサービスが多数ある。

 「Migration Toolkit for Virtualization」は、仮想マシンをOpenShift Virtualizationに移行を支援するツールだ。「GUIで移行先を指定し、ネットワークやストレージなどをマッピングすればデータなどが自動でコピーされて移行が完了します」(手塚氏)

photo OpenShift VirtualizationのGUI コンテナや仮想マシンが混在するシステムを統一したインターフェースで運用可能(出典:レッドハット提供資料)

 アプリケーションの中には積極的にコンテナ化すべきものもあれば、密結合なのでまずは仮想環境を維持すべきものもある。「何をどのように移行させるか」を適切に判断する“目”が必要だ。「国内SI企業によってはコンテナ化の判断基準や移行方法に関するPoC(概念実証)を進めています」(河上氏)

 より大きな視点から密結合なアプリケーションをどのようにモダナイズすべきかを支援するコンサルティングサービスはレッドハットが提供している。「アプリケーションのモダナイズやコンテナ化のノウハウも蓄積されてきています」(手塚氏)

 仮想マシンの移行やコンテナ化に伴い、管理者はKubernetesの運用スキルを身に付ける必要がある。「SB C&Sは『クラウドネイティブって何?』『コンテナ化って何がメリットなの?』という方を対象に、コンテナ化の世界観やクラウドネイティブの全体像を理解するためのハンズオントレーニングを提供しています」(河上氏)

 Red Hatも、OpenShiftの概要やKubernetesを理解してコンテナの基本的な運用方法を学ぶ管理者向けのトレーニングを用意している。基本コースでは、約8時間のハンズオンを含むトレーニングに3日間参加すると、基本的な操作をマスターできる。

 Red Hatは、OpenShiftを利用できる検証用サブスクリプションも用意しており、導入前の情報収集から導入を前提としたPoC、導入後の運用段階におけるサポートまできめ細かく支援できる。「特にトレーニングや検証環境の構築は、開発・運用体制の整備のためにもエンドユーザーだけでなくパートナー企業も一緒に参加することをお勧めしています」(手塚氏)

 OpenShiftの運用監視の仕組みも、緩やかな移行を可能にする要素の一つだ。監視ツールは他のツールと併用できるので、自社の環境に合わせて組み合わせられる。

 運用についてはどうか。「Kubernetesでは運用が標準化されています」(手塚氏)。逆に言えば、従来の仮想マシンの運用を踏襲するとKubernetesを利用するメリットを十分に享受できない。

 「コンテナではKubernetesがデファクトスタンダードになっているため、Kubernetesを理解した上でなるべく運用方法を寄せるのが負担の軽減につながると思います」(手塚氏)

ITインフラのモダナイズで短期的な課題解決と長期的な戦略を両立

 河上氏は「新しい環境に変えるためにはチャレンジするマインドが必要です」と強調する。コンテナを活用してアジャイル開発やDevOpsにチャレンジするには、企業文化を変える必要がある。

 OpenShiftを使えば、マルチテナント機能を持つKubernetesのおかげで開発者は必要なリソースを払い出せるようになる。開発効率を上げ、運用負担を減らすための「正しい運用」を学べる支援策もレッドハットやSB C&Sは用意している。「急に従来の方法から変えるのではなく、徐々にセルフサービス化できる範囲を広げるようにしましょう」(手塚氏)

 Kubernetesには運用を自動化する便利な機能がある。うまく自動化すれば、運用現場の人手不足問題の解決も見えてくるだろう。「自動化によって基盤全体の健全性を管理したり、アプリケーション開発など人がやるべき業務に注力したりできるようになります」(河上氏)

モダナイゼーションの第一歩を踏み出す

 仮想環境に何らかの課題があって移行したいと考える企業の選択肢がOpenShift Virtualizationだ。短期的な課題を解決するだけでなく、DXにつながる投資にもなる。

 「今まで環境を変えられない、変えたくないと考えてきた企業も、中長期的視点からITインフラを見直す時期が来ています。『いよいよ変える以外の選択肢がなくなってしまった』という状況に陥る前に、新しいことに挑戦する機会と捉えてみてはいかがでしょうか」(河上氏)

 「モダナイゼーションのための一歩を踏み出すための基盤づくりを実現するのがOpenShift Virtualizationです」(手塚氏)

 DXの一環としてアジャイル開発、DevOpsを実現するためには、企業を成長させるためのITインフラのあるべき姿は何かという視点も必要だ。レッドハットとSB C&Sは顧客企業それぞれの事情を踏まえ、中長期的な取り組みとなるモダナイゼーションを支援するサービスを提供している。まずは相談して、自社のITインフラを客観的な視点で“点検”してもらうのもいいだろう。

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